二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 鋼の錬金術師 —消えない嘘— ( No.30 )
- 日時: 2010/05/19 17:33
- 名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: MnGilHyY)
- 罪を犯しし人間よ——。 
 貴方達の求める物は、同じものでしょう……?
 
 第10話 「その目に見える物」
 「なっ、何言ってんだよ!! そんなでたらめ聞くかっての!」
 「でたらめかどうかは……今、見てみなよ」
 少女は、エドワードのそばにある石を見つめた。
 するとどうだろう、その石はあっという間に崩れた。
 「なっ……!!」
 「貴方は、その石を壊す気だった。それが、真実。だから私は、その石を先の姿にした。と、言う事はわかる? 貴方達は、戻れる。……きっと。だから、今元の姿に戻してあげようかって聞いてるの」
 「す、すごい……」
 アルフォンスは粉々に砕けた石を見つめ、自分の体を見つめた。
 エドワードは、少女をただただ見つめている。迷っているのだろう。
 「……まぁ、答えを聞くのはあとで」
 「……は?」
 少女はにこっと笑った。その笑顔は花のようだ。
 少女は、初めてエドワードとアルフォンスに笑顔を見せた。
 「追いかけっこ!! この中央<セントラル>の町中でね!! 私を捕まえられるものなら、捕まえてみて!!」
 「は、はぁっ!? お前、何言ってんだよ!! 大体お前、傷口がまた開くかもしれねぇのに……」
 少女は、ビシッとエドワードを指さした。
 「じゃあ! 私を捕まえられたら、病院に戻ってあげるっ! 私の名前はレン・アード! よろしくね!」
 「んだよそれ! ったく……エドワード・エルリック!! エドワードだっ! それ以外は禁句とする! エドでいい! あっちがアル!」
 エドワードはアルフォンスを指さしながら、言った。アルフォンスは、よろしく、といった。
 レンはまた微笑むと、呟いた。
 「罪を犯した事はこの目で見た。貴方達の決意も。あ、勝手に見ちゃってごめんね。んじゃ、行くよ!!」
 エドワードとアルフォンスは、いきなり態度が変わったレンに驚いた。
 レンは、すぅっと息を吸うと、思いっきり叫んだ。
 「捕まえられる物なら捕まえてみろーっっ!! 豆粒チビーッッ!!」
 そう言うと、地面をけり、近くの建物の上に飛び乗って、走って行った。
 あの発言は、エドワードを誘い込むための物、と皆さんも気づいているだろう。
 「だぁれぇがぁ……世界ギネス級ドチビかーっっ!!」
 そう叫ぶとエドワードは、レンを追いかけはじめた。
 〜つづく〜
