二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【3z】 刹那恋鎖。 アンケ実施中 ( No.119 )
- 日時: 2010/05/16 20:48
- 名前: 牙暁 ◆NIJKkC7BnA (ID: 3r6DhwLS)
- 【wonderland】(前編) 
 陽射しの暖かい春の日の午後。
 木陰で静かにマヨネーズを辺りに撒き散らしている彼の名前は土方十四郎。
 風紀委員をやっています。
 そんな彼が疲れたのか木陰でうとうとしていると————
 「遅れてしまうっっ!!」
 そういって全裸のウサギ耳を生やした全裸のゴリラが走ってきました。
 とても時間を気にしています。
 「近藤さん!!?? 何してんだ!!!!」
 流石に全裸のゴリラを放ってはおけません。
 慌てて追いかけますがゴリラは、何度も何度も同じ言葉を繰り返し呟きます。
 「遅れてしまうっっ!!」
 全裸のゴリラは、聞く耳を持ちません。
 様子から見ると、とても急いでいるようです。
 (真逆コスプレの趣味まで有ったとは……)
 そう思いながら慌てて追いかけると、地面が無い事に
 気付きました。
 「………え?」
 土方君の足元には、大きな穴が。
 避ける事も出来ない侭、
 「何でこうなるんだよぉぉぉおお!!!!」
 土方君は大きな、大きな穴に叫びながら落ちてゆきました。
 「ってぇ……」
 土方君は目を覚ましました。
 どうやら気を失っていたようです。
 そんな土方君が見たものは───
 「何処だ、此処?」
 見知らぬ森でした。
 勿論、知っている人も、さっきのゴリラも居ません。
 土方君が辺りを見渡して、調べます。
 すると、頭の上から声が聞こえてきました。
 「こんな所で何してるんですかィ」
 「女の子が一人で此処に来るなんて、馬鹿なんだね。君」
 「相当な馬鹿だな──」
 「っ総梧!! 雅焔!! 牡丹!!」
 木の上から土方君に声をかけたのは、彼の良く知っている人に似ていました。
 しかし、別人のようでした。
 良く見れば猫のような耳や尻尾が生えています。
 「てめぇ等……
 テスト近いんだぞ!! こんな所で何してやがる!!
 其れに何でそんな格好してやがるんだ!!」
 「俺は総梧じゃないですぜお譲さん。
 俺はチェシャ猫Aだから、こんな恰好なんでさァ」
 「そうそう、僕も雅焔じゃないよ。チェシャ猫Bだよ」
 「そうだぞ、お嬢さん。因みに俺はチェシャ猫Cだ」
 「……てめぇ等遊んでるんじゃねぇぞ!!
 第一俺の何処が『お譲さん』だぁ!!」
 「自分の格好見てから言えって」
 土方君がそう言われて自分を見て見ると、
 「……………」
 あまりに驚き過ぎて、声も出ないようです。
 土方君は自分で着た覚えのない
 フリルの付いたエプロンドレスを着ていました。
 「結構似合ってます。お譲さん」
 そう言って、チェシャ猫Bはニヤリ、と笑いました。
 其の顔を見ていると、無性に腹が立ちます。
 「オイてめぇ等!! どうなってやがるんだ!!」
 土方君が半ばキレ気味に言いますと、彼等は口を開きました。
 「チェシャ猫は何でも知っている。でも教えるとは限らないんでさァ」
 「っ総梧、お前舐めてんのか!!」
 「ウサギですか??
 仕方ないなぁ。教えてあげましょう」
 「オイ雅焔! 人の話を「ウサギなら此の道を真っ直ぐ行った帽子屋屋敷に居るよ」
 「精々頑張れよ、お嬢さん」
 強引に話を進めたチェシャ猫ABCはスゥっと煙の様に消えてゆきました。
 木の上には、もう誰も居ません。
 「……クソ!!」
 土方君は暫くチェシャ猫達の消えた所を見ていましたが、何時までもそうしている訳にはいきません。
 仕方なくチェシャ猫達の教えた道を歩いて行きました。
 nest...
