二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】 妄想シンドローム 【夢短編】 ( No.1 )
- 日時: 2010/05/15 18:11
- 名前: 柏木その ◆NrQDiBQfmg (ID: ZYR2ZLjZ)
- 【思春期的勉強会】 Z組設定/沖田/甘甘 
 「で、当時の皇帝神宗の命令のもと王安石さんが作った富国強兵の主な方法が、この6つなのね」
 傍らで何やら一生懸命に説明をしているそいつの顔を、ただじっと見ていた。
 ふいに、教科書の扉を押さえていた彼の指に、その少女の指先が偶然触れた、
 それだけで、彼女は説明を止め、電流が流れたかのようにぱっと身を引く。
 一拍見つめあい、はっとした後、焦ったように元の位置に戻ったそいつ、雨宮 天花(アマミヤ テンカ)。
 目の縁やら耳やらを真っ赤に染めて
 たじろいだように問題集に向かいなおすそいつを見てるだけで、このごろ簡単にムラつく。
 「……なんでィ、その反応」
 「な、なななな何でもない。ほら、集中集中」
 明らかにうわずった様子の綺麗なソプラノの声。より一層先ほどより赤みがかった頬。
 それだけでまた、鳩尾辺りがじわりと熱を持つ。
 別にいつも<そんな事>を考えている訳では断じてないし、
 むしろ日頃はどうやってあの忌々しい副委員長を地獄に落としてやるかで頭は一杯、
 なのに、そのはずなのに、視界に彼女が映っただけで、身体は馬鹿正直に反応を示すのだ。
 ほら、今もコイツの世界史授業なんてまるで聞かず、ずっと横顔ばかりに目が向かう。
 「世界史は、ようは流れだよ。ストーリー仕立てで覚えちゃえば楽なんだってば。
 ほらほら、見てこの人なんてめちゃくちゃ面白い名前っ。完顔阿骨打」
 乗ってきたように説明を続ける天花。
 「なんだそれ、顔面破壊されたイケメンの話ですかィ?」
 「や、字面はそうだけど…何その解釈?ていうか、今アンタ私の話聞いてましたか?」
 「聞いてまさァ。で、縄で亀甲縛りにされたキャシーは次にどうしたんですかィ?」
 「ほらやっぱり聞いてなかったよこの人!」
 むくれて口をとがらせるそいつ。
 その小生意気な表情は、存外気にいっていた。
 癪に障るから死んでも言ってやるつもりはないけど。
 「本っ当、今日集中力ないよね。あ、分かったあの日?」
 「ぶっ殺されてぇんですかィ?」
 顔を引き攣らせて軽口を叩きあう。
 「第一、世界史の勉強教えてほしいって言ったのそっちでしょ!」
 「身に入らねぇんでさァ。昔の奴らがどうしたこうしたなんて話。俺は前だけを見て生きるんでィ」
 「オイだったら何で教えてとか言った!?こう、なんか、もっと情緒とかないの!?
 たまには過去を振り返ることも大事!歴史は繰り返されるんだか…はひ!」
 「ばっ……!」
 どこのリボーンに出てくる天然少女だというような奇妙な悲鳴をあげて、
 立ち上がったそいつが盛大にコケた。
 かろうじて受け止め、一緒に倒れこむ。
 「ってぇ……何しやがん…」
 「はわっ、ごごごごごごめ……!」
 0距離。
 彼女が彼を押し倒すような形で、ありえないくらい密着した、盛りのついた思春期男女。
 いくらなんでもマズい。これはマズい。教育上的な意味で。
 引きはがそうとしたものの、総悟の足の間に天花の足が割り込む形となり、また角度的にも力が入りにくい。
 これは、やばい。
 「…めちゃくちゃ重ぇ。早くのけ」
 「ちょ…!デリカシーないっ。どきますよどけばいいんでしょ!」
 立ち上がろうともがく彼女からは、ふわりと石鹸のような甘い匂いがした。
 それだけでまた、ムラつく。
 ああ、ちきしょう。
 健康な体なんか大嫌いだ。
 自分の意志とは関係なく勝手に反応を示す。
 気がつけば、どけと言っておきながら、自分から引きよせていた。
 腕の中にすっぽり収まった小さな体。
 「は…!?な、なななな何もうどけって行ったり急にそんな…何ですかもう…!」
 心底うろたえた必死な声が困ったことにまた彼を煽った。
 熱を持った身体がやまない。
 密着した身体に、かかる吐息に、さっきからチラチラと視界の端に映る彼女の太もも。
 もう、付き合って1カ月半たった。
 なんだかもう自分にはこのプリーツスカートの中を知る権利があるような気がしてきた。
 雨宮天花、お前はどう思う。
 そっと彼女の脚に手を伸ばす。
 「……っ…」と少しだけ甘さを含んだその声が鼓膜に響いた時、もう完全に無理だった。
 決意した。
 手を出さないとか、もうそれ何て拷問?
 「……ん…っ…」
 軽く添える程度に唇を合わせて、上下交代。
 今度は総悟が押し倒す形になった。
 「や、待っ……今日私は勉強会しに来ただけで……ちょ、やだ、総悟!」
 口をパクパクさせながら、真っ赤になった彼女の耳元に唇を持っていき、総悟は意地悪に囁いた。
 「だから、お礼に次は俺が勉強見てやりまさァ。…保健体育だけどな」
 「〜〜〜〜〜〜っ!!」
 ぷちぷちとボタンを外される音を聞きながら、彼女は決意する。
 もう二度と、彼と勉強会なんてするものか。
 *fin*
 ごめんなさい…!
 しょっぱなからごめんなさい…!
 もうちょっと私身を投げてきますね、川かどこかに^p^
