二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ家の毎日【VOCALOID】 ( No.254 )
- 日時: 2010/06/05 14:28
- 名前: *yuki* ◆R61No/hCwo (ID: yjS9W/Zh)
- 「こ、こんにちは……」 
 いよいよ来た。アイの従姉妹、雪音ランが。
 ……二重人格の。
 『いつもは大人しいんです。でも、リボンがとれると……』
 『とれると?』
 『………………。』
 あの時、その言葉の先を完全黙秘したアイ。
 いったいどんな性格になるのだろう。
 『絶対リボンをとっちゃダメです』って、真剣に言ってたな。
 ……知ってるか、アイ。
 人っていうのはな、ダメと言われたらやっちゃうもんなんだぜ。
 そしてその意識はボカロ家全員に共通してることだ。
 だがな、俺とナギ姉は、こういう時なにがおこるかわかってるから、一応実行するのはやめておくんだ。
 しかし、あいつらは……。
 「あ、あのぉ……
 雪音ランです、これからよろしくお願いします……。」
 ぺこりと頭をさげたラン。
 キラーンとリンの眼が光る。
 バッ と音がして、リボンが取られた。
 みんなが息を呑む。アイは顔がサーッと青くなってる。
 「…………。」
 ……なんだ、なにも起こんないじゃん。
 なんとなく、安堵も混ざったため息がもれたその時。
 「おい、なにすんだよてめー!!」
 赤い髪がゆれ、さっきとは全く違う表情のランから……
 その言葉が、でた。
 ランはリンの襟元をつかみ。
 「オレにあんなことするなんて……
 いい度胸してんなオラ!」
 「ぎゃっ、ちょっ、やめ……」
 「ああ?!なんか言ったか?!!」
 …………。
 ああ、そうか。そういうことか。
 ゴメン、アイとリン。
 これはなにをしてでも、止めなければいけないことだったな。
 弟の俺が悪かったよ、うん。
 あ、でも、リボンをとればああなるってことは。
 「またつければもとに戻るのか?アイ。」
 「……まあ、戻るけど……
 つけるのが……。」
 つけるのが?なんだ?
 ……とにかく、
 「リン!リボン貸せ!」
 と言ってもリンは手が使える状況じゃないので、俺がとりに行く。
 しかし。
 「盗むんじゃねーよ、オレの!!」
 「うわっ!」
 ダメだ……。ランがとってしまった。
 「ま、待てよ、その、リボン付けた方が可愛いから……つ、つけたら?」
 「可愛い?」
 ランの動きがピタッと止まった。
 その隙にリンが逃げる。
 「可愛いとか……オレが一番大っ嫌いな言葉なんだよ!!」
 「ぇ」
 ちょっ、おいっ、
 ぎゃああああああああああーーーーーーーーー…………
 ボカロ家に、哀れなレンの断末魔が響いちゃったとさ。
