二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ】Let’s! VOCALOBAND!! ( No.149 )
- 日時: 2010/06/25 20:36
- 名前: 瑞夜 ◆aUgcx1Sc9Q (ID: COldU63y)
- 参照: http://今週の土曜日は他校と合同練習! 1年生は楽器運び!(涙
- 裏を返せばフォルテシモ Ⅱ 
 今回の課題曲—囚人。
 どう言う曲かは知っている方もいらっしゃるでしょうけど、一応説明を。
 ユダヤ人の強制収容所をイメージさせられる唄です。
 とある時代、1人の囚人が柵の外にいる綺麗な少女に恋をします。
 囚人、いえ少年は収容所に入れられており、自由はなく迫害を受けていました。
 少年は自分とその少女の格の違いを自覚しますが、それでも諦めず紙飛行機に自分の思いを綴りました。
 そして、少女と毎日手紙交換をしていたのです。
 しかし、ある日突然少女は遠くに行く、と少年に別れを告げます。
 本当の理由は少女病気を患いせめてもの最後に少年に別れを告げたかったからです。
 しかしそんな理由も知る筈も無く絶望する少年。
 そして暫くして少年は処刑される事になってしまいます。
 もうこの世に未練は無いのに、何故か心が叫んでいる。
 ——————会いたい、と。
 最後に、話をしたかった。名前を知りたかった。
 少年の願いは叶わず、死んでしまう——————
 そんな、哀しい唄。
 だったと思います、はい。
 長々と心の中で曲のイメージを考えつつ私は第一音楽室へと向かってました。
 練習は完全とは言えませんけど、一応多少の暗譜までは出来てます。
 第一音楽室へ付き、譜面を置きドアを開けると其処は静かな雰囲気となっていた。
 いつも此処は3年生が練習していたり、金管木管パートで分かれる時、木管が練習しています。
 ですが今日は一応課題曲の半分練習が順調か半分テストと言う事で1人ずつと言う事でしょう。
 此処まで静かと言うのもまたプレッシャーですが。
 「よし、じゃあ其処に座って準備してもらえる?」
 「はい、分かりました」
 言うまでも無く、私は準備を始める。
 とは言いましても、譜面台を置いてちょっと見る程度ですが。
 小島先生はメトロノーム付近の席に座っていて、丁度私と向かい合わせになっています。
 プレッシャーですね、本当に。
 「……準備出来ました」
 楽器を構え、少しメトロノームのリズムを聴きつつ小島先生に言う。
 小島先生はじゃあ始めるよ、と言う。
 曲のイメージをしつつ、私は了解と言う意味で頷く。
 「1……2の……3の……4!」
 ある時代 ある場所。
 1人の囚人が。 柵越しに恋をする。
 セツナイ。 セツナイ。
 華——————
 比較的今回はメロディーを吹くトロンボーンパート。
 私はスライドを速く動かす。
 曲は、まるで少年の心境を語っているかの様に。
 重く、切なく、そして哀しげに。
 唄は、始まりました。
