二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 《銀魂》凛として咲く花の如く ( No.258 )
- 日時: 2010/09/17 21:36
- 名前: 月兎 (ID: 3ePGpESz)
- 第十八訓「家出しても一日絶たずで絶対帰ってくる」 
 「どういうことだ」
 雪羽氷の足が止まる。
 立ち止ると雪羽氷は土方の方に振り返り言う。
 『何故?お主は家出をした者がいたときに《どうして?何故?》そう聞くのか?家が嫌になったからに決まっておろう?』
 正論である。
 言うまでもないことだ、そう言いたいのだろう。
 彼女は…
 「家が嫌なのか?」
 次は銀時がしかめ面をしながら聞いた。
 何故嫌か、何故家出をしたのか、このとき誰も気付かなかった。
 普通ならば羨ましいとおもうからである。
 『当たり前じゃ、あんなところ』
 苦い顔をして雪羽氷は間も開けず答えを出した。
 その場にいるのは小さな少女、黄色と灰色の二つの眼球で見つめている。
 いや全てを見透かすようにして。
 「ち○こがいるから?」
 いや、娘の前でそれはどうかと。
 「ロリコンだから?」
 もういいよ、お前ら。
 『それだけだったらよかったのにのぉ』
 あまり意味は伝わっていないようだった、特に前記については。
 「どういうことでさァ?虐待でも受けてるのかィ」
 一刀両断。
 「王子!」
 由江壱がフォローに回った、言葉の。
 『…そうともいえるかもしれんの、ワシにとっては…
 こんな眼無かったら世界は綺麗に見えるのにの…』
 「何かあるみたいだな」
 無兎が今までの話をまとめるようにして言葉を発した。
 「光陰眼でいったいどういう?」
 神凛が疑問をぶつけた。
 それには雪羽氷は答えない、沈黙を守っている。
 「新八、銀ちゃん知ってるアルか?」
 真選組には頼らない、いや。
 先に何かを言われる前に神楽は二人に話をふる。
 「光陰、光と闇っていう意味があるんだ。」
 新八の言葉、それに返すはアリス。
 「光眼で見えるのは現実ではない、人々の幸せ・夢などを幻想として映し出す眼なの♪」
 「陰眼っつーのは現実より酷い、残酷なことを映しだす眼のことだ」
 銀時が神楽達に分かるように軽く簡単に説明をする。
 『あ奴らの言った通りじゃ』
 誰もが雪羽氷の眼を見つめる。
 今、彼女にはどう映っているのか…
 『それだけなら』
 『それだけだったら、あってほしかった。
 でもこの眼では光と闇の二つしか見えない』
 —皆が見ている現実が見えない。
