二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 《銀魂》凛 と し て 咲 く 花 の 如 く ( No.431 )
- 日時: 2010/10/24 21:21
- 名前: 月兎 (ID: dD1ACbVH)
- 第三十四訓「後で後では無いと思え」 
 「はいはーい、中野穂乃嘉拉致報告♪」
 アリスが意気揚々と手を振り回しながら屯所内を駆け回る。
 その後の道を大欠伸をしながらゆっくりとした足取りをしていたのは耶麻。
 「アリス、なんで朝からこんなことやってるんですか私達…」
 早朝四時半、耶麻は逃走しようとしていたアリスに気付き飛び起きたばかりに巻き込まれたのであった。
 「え♪穂乃嘉がこの時間に拉致られちゃったんだからしょうがないじゃん♪」
 いや、なんでお前はそれ知ってるんだ。
 そう突っ込もうか迷ったがそれ言ったら終わりなので何も言わず続ける。
 「じゃあ、なんで穂乃嘉は朝から外にいたんですか」
 「買出しに行かせた」
 二人の会話に新たな声が乱入。
 声の主を振り返ると、そこにはこの真選組屯所で二番目に偉い鬼の副長こと土方十四朗の姿。
 「マヨ!」
 耶麻が大きな声とげんなりした顔で迎える。
 「なんでそんなに嫌そうな顔してんだ」
 「土方だ、買出しってどういう事」
 アリスも心底嫌そうな顔をする。
 それに土方は
 「おい!語尾の後どうした!♪忘れてるぞ!」
 「土方さん、死んでください」
 欠伸をしながら襖を開けたのは一番隊隊長の沖田総悟。
 「テメーも挨拶代わりに恐ろしい事言ってんじゃねェ!」
 おはよう、そんな挨拶はしない。
 沖田の朝一番の土方に対する礼儀は死ねから始まるのだった。
 「いえいえ、二度寝するのでまだおはようじゃないんでさァ。アリスが煩ェもんで目が覚めちまった」
 アリスは土方の時より嫌そうな顔で
 「総悟は呼んでないんだけどな♪つーか土方もな」
 なんだか土方がうるさかったけどカット。
 「あーあー、マヨもアリスも総悟も落ち着いて下さい!」
 耶麻が止めに入る。
 「なんでマヨなんだ、俺だけ」
 「マヨが穂乃嘉に買出し行かせたせいでこんなことになったんですか」
 「いや、聞けよ」
 「あーあー、マヨのせいだ」
 「無視すんじゃねェ!!」
 耶麻が滔々と続け、無視続けたためか土方がキレた。
 「煩い」
 アリスと総悟が楽しそうに頬を緩ませてその光景を見ている。
 え、何か聞こえた?煩い?誰も言ってないよそんなこと。
 「でも土方のせいじゃん♪結局♪」
 アリスが言う。
 「そんなのいつものことだろーが、すぐ帰ってくるに決まってんだろ」
 煙草を取り出してめんどくさそうに返す。
 「そういうことじゃないでさァ、俺達が言いてェのは…」
 総悟がそう言うと全員が揃いに揃って言う。
 「「「「「こんな朝早くに起こされた事じゃボケェェェ!!」」」」」
 全く、仲間のことなんて考えてない最悪な奴等。
 「土さん、どうしてくれるんですか!」
 由江壱がいつから居たか、総悟とアリスの間に顔を出す。
 「どうもしねぇよ!つーかそれ俺のせいじゃないだろ」
 「アンタ、人のせいにする訳?」
 そしてこちらにも一人。
 彼女はいつからいたか見当がつく、煩いと言ったのも彼女の筈。
 無兎が赤の他人のような物言いをした。
 「アリスのせいに決まってんだろ!」
 「あー、人のせいにした♪最悪土方ー♪」
 満面の笑みのアリス。
 「よく考えてください土さん、今言わずにいつ言うんですかそれは!」
 「由江壱の言う通りですぜ、後で。はないんでさ」
 頷く土方除いた一同。
 時刻はやっと5時になるかというところ。
 「っ」
 「マヨは一体何を穂乃嘉に頼んだんですか」
 耶麻が気になっていたことを口にした。
 いや、何となくきっと誰もが予想はついていたんだろうけど。
 「マヨネー「由江壱♪GPSは♪」
 言いかけたところで無視。
 予想通りの結果と分かったからか、全員が土方から目をそらした。
 「あ、あーちゃんそれじゃ、やりますか。まっちゃんも兎さんも王子も」
 わざわざ一人除いて由江壱は言うと襖の中に消えていく。
 最後に一言、無兎は言った。
 「自分で買いに行けば?」
 ごもっとも。
