二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 嘘つきみー.くんと壊れた.まーちゃん-パロ ( No.136 )
- 日時: 2010/08/23 17:35
- 名前: 烈人 ◆ylmP.BhXlQ (ID: WPWjN3c4)
- 【大嫌いな君へ捧げる】 
 「嘘つきッ、嘘つき嘘つきッ」
 まるで狂ってしまったかのように俺に向かってそう唱え続ける彼女をなだめつけるのは、大変な労力を消費することだろう。だからといってなだめないでこのままでいると彼女に殺されかねない。
 さすがにまだ死にたくはなかったから、反抗されない程度の言葉でなだめておくことにする。
 「そうです、俺は嘘つきです。でもクララちゃんのことが大好きなのは嘘じゃありません」
 嘘だけど。まあぴたりと俺に馬乗りになっているクララちゃんの罵声は止まったことだし、よしとしておこう。
 できれば今すぐ体の上から降りてほしいのだけれど、どうやらそれはまだ望めそうにない。ていうかその前にお願いだから手に持って振り上げたままの包丁降ろして。真面目に怖いから。なんも嘘もなく。
 「ヒート、それは本当?」
 「当たり前だよ」
 
 嘘だけど。でもここで『好きなわけないだろばかやろーっ』なんて『青春のばかやろーっ』風味に叫んでも包丁が振り下ろされそうだからやめとく。うん。俺カシコイ。多分。
 「本当の本当の本当の本当に本当?」
 おいおいそれはまた凄い数になったな。まだ一回しか受け答えしてませんけど。
 なんて突っ込んでも今なら体のいたるところから血が噴き出そうな自信がするからやめておく。
 「本当です。クララちゃんのこと、愛してるから」
 嘘だけど。
 「それより、降りてくれないかな。酸素が足りなくなってきたような気がするんだけど」
 嘘だけど。ただ重いだけ。いや、女子にこの言葉は禁句なんだっけ? いやいやしかし幼児児童大人問わず人が体の上に乗ったら重いだろう。たとえ赤ちゃんでも重いだろう。よって、俺は無罪。よし。
 うん、とクララちゃんは大袈裟に頷いてまだ目の端に涙を滲ませながら俺の体の上からようやくのいてくれた。
 これで一件落着、かもしれない。ていうか明らかに一件落着。うん。それでいい。
 でも、後一押ししておいたほうがいいかな。また機嫌を損ねられても困るし、うん。
 「あのね、クララちゃん」
 起き上がって、クララちゃんの頬に手を当てる。クララちゃんの頬は凄く冷たくて、っていってもまあ人の体温なんてそれぞれだから別にどうってことはないのだけれど。
 少しずつ自分の体温が奪われていっているってことが、ぼんやりとわかる。
 「俺はね、もしクララちゃんが死んじゃったら、後を追うぐらい好きだよ」
 「……ほんと?」
 「勿論。だからね、安心して? 俺は、クララちゃんのために生きてるみたいなものだからさ」
 嘘だけど。つうかそんなことがあってたまるか。
 なのにクララちゃんはにっこりと笑顔になって、嬉しそうに頷いた。
 ねえ、クララちゃん。やっぱり俺、クララちゃんのこと嘘じゃなくて本当に好きなのかもしれない。
 
 嘘だけど。
 *
 嘘つきみーくんとryがつぼってしまって書いただけです。ハイ。まだ一巻しか読んでませんけどね!←
 やばい、マジでつぼだわ。
