二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/19 15:55
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
- ねぇ、君は僕の知る君じゃないの? 
 —Maind,01— 再会の雲
 朝、窓の外を見れば登校してくる草食動物が群れていた。
 見ているとだんだん咬み殺して来たくなった。
 窓を閉めて僕は書類に手を伸ばす。
 「・・・転校生?」
 一つの書類が目に入る。
 それは今日の転校してくる生徒の書類だった。
 個人情報ともいえるその書類を見ながら、不審に思う。
 「終崎刹那・・・?」
 懐かしい記憶が蘇る。
 だけど、その希望は打ち砕かれると思い、振り払った。
 ◆
 「と言うわけで転校して来た終崎さんだ」
 「終崎刹那です、よろしくお願いします」
 そんな風に転校生は挨拶をした。
 「じゃあ、席は——」
 指定された席に座った転校生は、窓の外をぼんやりと眺めて、一言呟く。
 「久し振り」
 転校生は少しだけ笑った。
 ◆
 放課後、校内を見回っていた時、一人の少女が目に入った。
 別に何処にでも居そうな生徒。
 個人情報を見たときの証明写真と同じ顔のところを見れば、どうやらアレが転校生らしい。
 「ねぇ、君」
 「・・・」
 振り向いた彼女は、記憶の端にいる彼女に良く似ていた。
 僕は目を見開いて、
 「君、終崎・・・?」
 「・・・雲雀恭弥」
 昔とは打って変わった冷酷な声。
 暖かい眼差しも変わっていたが、昔の面影はあった。
 「君、あの終崎なの?」
 「・・・」
 無言で彼女は視線を逸らした。
 僕は彼女の肩に触れようとする。
 ——バシッ
 「!」
 あの時と同じように、手は叩かれる。
 振り向いた顔は、冷酷な眼差しがあった。
 「刹那・・・」
 「触るな」
 たった一言、そういって歩いていった。
 僕は呆然とその背中を見るだけだった。
- Re: 雲はただ孤高に自由気ままに。 【REBORN】 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/19 16:13
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
- 「・・・」 
 転校先は雲雀恭弥と同じ中学だった。
 並盛に再び戻ってくるとソレくらいのリスクは考えていた。
 だけどこうも早く再会するとなると、胸が痛くなる。
 家に帰って、俺は鞄を無造作に投げ捨てた。
 「刹那様、どうされました?」
 和風の部屋には会わないスーツ姿で入ってきたのは、一人の世話係をしている男だった。
 俺は顔を俯かせる。
 「・・・」
 「雲雀様に会われたのですか?」
 図星を付かれて、俺の肩は動いた。
 「・・・巻き込みたくない気持ちも判りますが、雲雀様にくらいは自身を出しても宜しいのでは?」
 「・・・出来ない」
 (一番、大切な存在だからこそ)
 巻き込むわけには——いかない。
 俺は、お茶を飲んだ。
 苦い味が口いっぱいに広がる。
 ◆
 「・・・終夜」
 久し振りに見た、あの懐かしい顔と声。
 だいぶ変わってはいたけど——アレは間違いなく。
 昔出会った、終夜だ。
 だけど、何故、あんな態度をとったのかが判らない。
 ——ズキンッ
 (・・・ズキン?)
 胸が何故か痛くなり、僕は抑える。
 「雲雀、あの転校生と知り合いか?」
 赤ん坊が突如デスクの上に座って僕の事を見ていた。
 「まぁね・・・」
 「どんな関係なんだ?」
 「幼馴染だよ。だけど、十年前振りに会ったんだけど・・・」
 (って僕は何を言っているんだ)
 僕は頭を振りかぶり、自分の言っている言葉から現実逃避をした。
 「(成る程な・・・)じゃあな、雲雀」
 そういって赤ん坊は窓から外へ出て行った。
 (気が付けば)(気になりだす)
