二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASYⅦ—序章— コメント下さい!! ( No.103 )
- 日時: 2010/12/31 17:36
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- Capter ⅡⅩ is Before 〜女は強し〜 
 *Aerith Side*
 地鳴りがして、エアリスは何事かと窓際に詰め寄った。
 振動で落ちそうになる花瓶を慌てて左手でキャッチする。
 突然、エアリスの背後で格子が外れ、落ちた音がして彼女は思わず小さな悲鳴を漏らす。
 「・・・?」
 振動で落ちたのかと思い、恐る恐る格子の近くまで行くと暗い穴をのぞくため、上を見上げる。
 と、そこへ金髪の少年が降り立つ。
 「えっ・・・・・!?クラウド!?」
 エアリスは肩にかけていた茶色い小さな革のショルダーバッグにビニール袋で包んだ花瓶を入れて彼の元へ駆け寄る。
 まだ振動の収まらない足元や辺りを見回す。
 「いったい、どうしてこんなに揺れてるの!?クラウド、何か知って・・・!?きゃっ!?」
 「行くぞ、エアリス。すまないが、説明している時間がない」
 ええ!?というエアリスをよそにクラウドは背中のバスターソードを取り外し、構える。
 エアリスの脳内は急速に思考を働かせる。
 「まっ!!もしかして・・・!?」
 「強行突破だ。かなり手荒いけどな。これが、一番早い方法だ。今しかチャンスがない」
 戦闘になるんだ。
 エアリスは顎に手を当て、再び思考をめぐらせる。
 そのうちに彼は扉を一刀両断する。
 警告メッセージが流れる。
 警報音が鳴る。
 なるべくクラウドに迷惑、かけたくない。
 ・・・だって、わたしのほうがお姉さんだし。
 クラウドのことを—————。
 「まって。わたしも、力になりたいの」
 すると彼は困ったように後ろを向き、頭をかく。
 つんつんした金髪が揺れる。
 「・・・。女の力は借りたくない」
 その言葉にむっとする。
 なによ、それ!・・・あったま、きた!
 ・・・力になるって言ってるのに!!
 「女!女ですって!?」
 クラウドは驚いたように数歩下がる。
 しかしエアリスの勢いは止まることを知らない。
 「女だから何!?弱い、とか言うの!?それって男尊女卑!男尊女卑よ!!・・・だいたい、ティファはどうなの!?彼女、強いじゃない!」
 「おい、そこの男!おとなしく古代種を渡せ!さもないt・・・」
 「うるっさいわね!!」
 エアリスは扉の前に駆けつけて来た衛兵——神羅兵に八つ当たりをする。
 その怒鳴り声とともに、エアリスから放たれた雷がそこの辺り一帯の兵士を撃つ。
 「クラウド、やっぱり持ってるんでしょ!マテリア!渡して!」
 エアリスはそう言うと、仁王立ちをする。
 これは完全に上下関係の図だった。
 クラウドは仕方なく、包みを渡す。
 「・・・基本、俺が守るからな」
 「あ〜ら・・・。どうでしょうね?」
 嫌味っぽくエアリスは言い放ち、先陣切って部屋から飛び出す。
 しかし、銃声。
 「!!?」
 その弾は真横の壁に当たり、エアリスは冷や汗が頬を伝う気配を感じた。
 鼓動がまだバクバクいってる。
 危ない危ない・・・。
 しかし、今のですっかりエアリスは顰蹙してしまった。
 オロオロしていたが、気づけば撃ったほうの兵士も気落ちしていた。
 「お前、危ないな!何をしている、撃っていいのは侵入者だ!古代種には傷はつけてはいかん!!」
 「すみm・・・」
 その上官と新入神羅兵は会話の途中でぶっ倒れるところだった。
 クラウドは背中に大剣をしまうと走り出す。
 「まっ・・・待って〜〜」((汗
 二人は走る。
 試練と、仲間との別れを知るよしもなく。
