二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: FINAL FANTASYⅦ 第 一 章 〜反旗〜 ( No.135 )
- 日時: 2011/01/24 19:44
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
- 参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y
- Capter 29 —雨降りの夕方— 
 「・・・クラウド、前にバイク持ってなかったっけ」
 「ああ、まぁ・・・な」
 「どして使わないの??」
 「いや、正確に言うとあれは神羅のだったからな」
 その言葉に、「え」と顔を引きつらせる。
 じゃあ、勝手に乗ってただけなのね・・・。
 バイクを使って移動しなかったわけがやっとわかる。
 帰って来ないなぁ。ザックス。
 外はすでに暗くなってきてい・・・
 「雨、降ってきちゃったね」
 「大丈夫かあいつ」
 多分平気だろうなぁと思う。
 だって、多分風邪をこじらせるくらいならその辺の女の人、ナンパしたりしてると思・・・ああ、もう!
 自分で想像をめぐらせただけなのにエアリスはそれを想像してしまった自分がいやになり、思わず小さなため息をひとつつく。
 窓をうつ雨は次第に大粒に、強くなってきている。
 「ねぇ。デート、1回って約束、覚えてるよね」
 「ああ」
 「いつ、どこでする?」
 しばらく悩んだクラウドが最終的に発した言葉は「今決めるのか?」・・・だった。
 エアリスは頬を膨らませる。
 「そんなに、わたしとじゃイヤ?」
 「いや。そうじゃない」
 「じゃあなんで?」
 再び考えた後、頷いて彼は顔を上げる。
 その瞳はなぜかちょっぴり楽しそうな感じがした。
 「この旅自体が、長いそれのようなものじゃないか?」
 「う〜ん、そおかなぁ・・・」
 想像をめぐらせるエアリス。
 天井を見上げ、んん、とうなる。しかしすぐに思い当たる。
 今はこの場にはいないけど、この旅じゃ・・・。
 「でも、ひとり多いよね」
 「ザックスのことか?」
 「うん。まぁいいよね!楽しいもの」
 にっこりと笑いかけると、クラウドも軽く微笑む。
 軽い笑みでもポーカーフェイスの彼にしたら精一杯の笑顔なのだろうとエアリスは自己満足する。
 淡い淡い、魔晄の瞳。魅力的できれい。
 月のような金髪、夜闇のような黒髪。
 正反対のものを持つふたりだけど、なんだかそっくりでやっぱり全く違う。
 でも、どっちも好きだった。
 今・・・?
 いま、は・・・。
 うん。わからない。わからないよ。
 自分の気持ちなのに、ぜんぜん、わかんない。
 答えはいつか出てくるのかな。
 ひとりに絞らなきゃいけないのかな。
 星は、教えてくれる。
 わたしの思うままに生きろって。
 きもちは、いつか姿を現すから、今はそっとしまっておいてあげてって。
 星と、星に生きる人たち。
 わたしはひとり。
 すきな人ができても、きっと古代種だからわたし、ひとりきり———。
