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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 一つの挑戦状。《サマーウォーズ》 ( No.17 )
- 日時: 2010/11/08 23:50
- 名前: スカイブルー (ID: .v5HPW.Z)
- そして3学期が始まった。この話を聞いたのはたしかこの日、僕と小夜が一緒に日直になった日だ。 
 「あの時、もっと早く長野に帰りたかった。」
 長野?
 「なぜ?」
 「…私の曾おばあちゃん、去年の夏に死んだんだ。」
 !?僕と一緒…。
 「あのOZのトラブルさえなければ。いや、もっと早く行けていたらもう少しでも一緒に居られたかもしれない。」
 「それって、ラブマシーンの?」
 「そう。栄おばあちゃんっていうんだけど…」
 「…小夜。僕、そのおばあちゃんの曾孫。」
 小夜の目が点になる。相当驚いたようだ。
 「…じゃあ佳主馬と私、遠い親戚だったの!?」
 「…みたい。小夜、親は?」
 「いないよ。両親とも交通事故死。」
 …空気が重くなる。
 「ごめん。」
 「いいよ。過ぎた事は戻らないんだから。」
 そういう彼女の目は少し涙がでていた。
 「あ、ほら。仕事しないと怒られるよ!」
 「あ…うん。」
 この日、僕はもしかしたらと思い、言ってみた。
 「小夜。何か隠してない?」
 「え?」
 今は掃除中、ちょうど二人になったので僕は口を開いた。
 「もしかして身内のこと知ってたの?」
 小夜が僕への態度が変だったのは今日のこれかと思った。
 「いいいいいや!そんなことはないよ!?」
 不自然に話す小夜を僕は疑った。
 「本当に?」
 「…。いつか話せる時がきたら話すよ。」
 悲しげな表情を浮かべて彼女は言った。唯一の友達の僕にも言ってくれなかったのは少しショックだった。話せる時が来たら。その話せる時が来た時、僕はどうしているだろう。
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