二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 仮面ライダーDCD 最終章 参照800突破! ( No.49 )
- 日時: 2011/07/11 22:47
- 名前: モンブラン ◆X.IGmvWvQ6 (ID: vtamjoJM)
- 参照: 過去編その三。波乱の予感です!(笑
- 第二十二話『第零楽章/紅渡』 
 僕はその後も鳴滝さんと研究を続け、当初八号機目だったのが現在では十号機まで制作している。
 実戦(正直何と戦うのか良く解らないが)に投入されるということで、今回は装着した状態での運動がしやすいように腰に装着する形式をとった。
 ただこの装置にはやはり“欠点”があった。
 それは、この装置は自身の性能をまだ十分には発揮していないということだ。
 というのも、この装置には戦闘で得たデータを解析して使えるようにする能力がある。
 しかし今のところ使えるのは“カメンライド‐ディケイド”、“アタックライド‐ブラスト/スラッシュ/イリュージョン/インビジブル”の五種類しかない。
 折角の伸び白を無駄にしたくないのだ。
 鳴滝さんは当初危険すぎるとしてなかなか快諾してくれなかったのだが、鳴滝さんの上司からOKが出たらしく、他の『世界』に行くことになった。
 そういえば、僕はこの星で生まれてはいないらしい。鳴滝さんが言うには、別の『世界』からやって来たということだ。
 もしかしたら、僕の本来居た場所にも行けるかもしれない。
 そんな期待を胸に、僕と鳴滝さんはいよいよ他の『世界』へと行く日を迎えた。
 腰にバックルを装着、カードを取り出しバックルに装填し、レバーを押す。
 [カメンライド‐ディケイド!]
 僕の身体をマゼンタの装甲が包み、途端に白黒のオーロラのような膜が目の前に現れる。
 鳴滝さんも装着したのを確認する。
 一歩、一歩。歩みを進め、僕はその膜の中に入って行った。
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 恐らくこの『世界』は冬なのだろう、冷たい風が身体に吹き付ける。
 二人の目の前には、古びた洋館。だいぶ使われていないのか、固く閉ざされた門には蔦が這い、中からは何とも言えない異臭が漂う。
 「無事に着いたようだな。」
 「はい。でも、この洋館は何なんでしょう?」
 「あのー……どいて頂けますか?」
 突然、背後から茶髪の青年が現れる。
 彼は分厚いコートを着て、手には強い異臭を発する小瓶を持っていた。
 匂いに耐えかね、鳴滝は青年に聞いてみる。
 「……それは?」
 「バイオリンを作る時に使う、二スの材料です。あ、すみません。やっぱり……変な匂い、しますか?」
 変な匂いなんて物じゃないぞ、と鳴滝は頭の中で悪態をつく。
 青年は結局そのまま門をこじ開け洋館に入ろうとする。
 その時だった。
 突如、青年は方向を変え、通りを駆け抜けていく。
 見ればその背後には、いつの間にか黒いコウモリのような生き物が飛んでいる。
 「ファンガイアは近い、キバット?」
 「ああ、ここからすぐのとこ……その角左に曲がれ!」
 「……僕たちも行きましょう、鳴滝さん!」
 隣で様子を見ていた門矢はそういうと、すぐに青年の方へ走っていく。
 私も追いつき、通りの突きあたりをコウモリの言うとおり左に曲がると………。
 そこでは、コウモリを模したような装甲に身を包んだ戦士と、異形の怪物が今まさに戦っているところであった。
 第二十二話『第零楽章/紅渡』 終
