二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 棄てたのは過去か未来か・・・2 ( No.154 )
- 日時: 2011/07/14 01:38
- 名前: 如月 ◆QWE8ZSUilM (ID: ppbZlmwS)
- ※↑の続き 
 ※シリアスオチです
 ※やっぱりごめんなさい
 結局、イギリスは来なかった。
 パーティが終わって皆解散する。
 フランスはイギリスの様子を見に行くから、と言って途中で帰ってしまった。
 俺はというと、パーティの片付けを使用人にまかせて自分はなぜか自宅の倉庫の中だ。
 「自分の誕生日に倉庫の掃除とか…俺なにやってるんだろう…」
 イギリスは来てくれなかった。
 これはあの後帰ろうとするフランスに強引に聞き出したことだ
 イギリスはトラウマ状態になっていて、酷く体調を崩していると…。
 俺はその話を聞いたとき、なんとなくこの倉庫のことが頭をよぎった。
 1年以上も入りはしなかったあの倉庫。
 イギリスとの思い出が沢山ある—……
 これはイギリスとのけじめをつけるためだ。
 誕生日のこの日に、過去と向き合うための—…
 *
 「うわー…すっごいゴチャゴチャしてるんだぞ…」
 1年掃除しなかっただけでコレか…
 カビなんか生えてないよな?
 「しかもイギリスの荷物まであるし…」
 あの時は独立宣言をしてから、急いで荷物を詰め込んだからなぁ…
 イギリスが俺の家に持ち込んでいた手帳やら本やらがちらちらと目にうつる。
 「返したほうがいいよね、これ」
 とりあえずイギリスの荷物だけでも…と、手帳に手を伸ばす。
 バサッ
 「!ちょ、ページ落ちた!ボロボロじゃないかもー…」
 どうやらこの使い古された革表紙の手帳は、イギリスが日記帳として使っていたみたいだ。
 毎ぺージごとに日付と文章が書かれている。
 「わ…ちょ、コレ…」
 人の日記を見るのはダメだ、常識的に考えて。
 俺は急いでイギリスの日記を閉じようと手を伸ばす…そこではっとして手を止める。
 「…これは…?」
 随分と前の—10年ほど前の、俺とイギリスが出会ってから少し経った頃の日記だ。
 そのページにはメモがはさまれていた。
 見てはいけない、見ちゃ駄目だ、と思いつつも日記の文章と、そのメモを見てしまう。
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 X月XX日 曇り
 アメリカがだいぶ成長してきた。
 そろそろ「人」の名を名づけてもいいだろう。
 良い占い師がいるから、そいつに名づけてもらおうと思っていたのだが
 アメリカは俺に名づけてくれといった。
 俺なんかでいいのだろうか…
 あいつに相応しい名前を考えておかなければならない。
 あの子の未来が明るくあってくれるような名前を。
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 メモには多くの英単語が書かれている。イギリスの字だ。
 英単語の上には×がつけられたり、乱雑に線でつぶされていたり。
 「……え…?」
 その中に、一つだけ○で囲まれた単語があった。
 ○に囲まれた中に書かれていた単語は…『Foster』
 「嘘、だろう…?」
 —綴られたその文字は、とても暖かくて—
 「なんで…こんな……」
 —彼はきっと、未来を信じていたのだ—
 「どうして、どうして君は…ッ」
 —あの暖かな春色の瞳を輝かせて—
 「どうして何も言わずに——!」
 頭がガンガンと痛む。
 喉がカラカラに乾いて、吐き気がする。
 だって、だってその言葉の意味は—…
 X月XX日 晴れ
 今日は珍しく天気がいい、雲ひとつ無い晴天だ。
 青空の青は、アメリカの瞳に似ていると思う。
 嬉しいことにアメリカへの名前も今日決まった。
 アルフレッドは妖精王の名、ミドルネームにはFosterを。
 小さなこの子を、俺は心から愛して育てよう。
 希望を胸に抱きながら。
 あの子の未来が、この青空のように晴れやかでありますように。
 With hope and regret.
 (全てが遅かったのだ)
 (あの暖かな日にはもう戻れない—…)
 (おめでとう俺のインデペンデンス・デイ!!!)
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 10日もの大遅刻…本当にすみませんでした…!
 これ前編と後編に分けてあるのは文字数が多すぎて書き込み制限されたからです(・ω・`
 で、ハッピーエンドオチにしようと思ったんですけど私の体力が足らず断念…すみませんでした…
