二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: -ONE PIECE- 月追う兎 \返信200突破!/ ( No.215 )
- 日時: 2011/03/04 20:48
- 名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: /gSTfiqf)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
- [>Episode53 
 「ん?何か鳴ってねえ?」
 「へ?」
 微かな音に気づいたのはデイル。
 カシブの懐から小さな音が聞こえてくる。
 「あ、おれの子電伝虫だ」
 はーい、もしもしー?と間の抜けた声で電話に出るカシブ。
 だが、その用件を聞くうちに真剣な顔になっていく。
 そして一通り電話を終えるとガバッと席から立ち上がった。
 「悪りぃデイル!ちょっと急用!!」
 「え、ちょっと待てよ!」
 「ホントごめん!でもここでのログは3日で溜まるからまだまだ時間あるし!また会おうぜ!!」
 「ちょ・・・・・・!」
 わけも言わずカシブはカフェを去った。
 そして1人残されたデイルはポツリ。
 「おごってくれるんじゃ、ねえの?」
 そして同じ時間の別の場所。
 メリー号のある海岸にルフィ、ナミ、ソラの姿があった。
 「とりあえず私達の船に乗って」
 「ありがとうございます・・・わあ!素敵な船!!」
 「ゴーイングメリー号っていうんだ!あそこはおれの特等席!!」
 嬉しそうに笑いながら言うルフィにソラも自然と笑顔になる。
 そして3人が甲板に立つと、ソラが大声を上げる。
 「ああっ!!」
 「「!?」」
 ルフィとナミは驚いてソラを見つめた。
 そして当の本人は2人の目線に気付かずに、隅で昼寝をする剣士ゾロの元へと走っていく。
 「わあああ・・・」
 ≪ジャキンッ!!≫
 ソラの首筋にひやり、とした冷たい感触。
 そして鋭い眼差しと殺気。
 「てめぇ・・・誰だ」
 ソラの気配に気付いたのか、ゾロが目を覚まし、刀の先をソラの首筋に少しだけ触れさせていた。
 「ちょっとゾロ!!何して・・・「いいんです」
 ナミの言葉をさえぎったのはソラだった。
 「剣士の懐に、何も考えず入っていった私が悪いんですから」
 「・・・名を名乗れ」
 「普通は自分から名乗るものではないのですか?・・・まあ、私はあなたを知っていますけどね。ロロノア・ゾロ」
 一瞬。
 たった一瞬だったが、ソラが何か気のようなものを纏ったような雰囲気がした。
 「あぁ・・・悪かった。だがお前が知っているのに名乗る意味もないだろう」
 「ええ。そうですね。・・・私はソラ・ハートクロスシー。あなたと同じ剣士です」
 そしてゾロは刀を鞘に納めた。
 「ゾロさん。この刀・・・」
 「ん?・・・ああ、これか」
 「良業物50工の一振り、雪走ですよね!!!」
 先ほどとは正反対のきゃいきゃいと幼い子供のようなはしゃぎ方のソラ。
 さっきの雰囲気とのギャップにナミとゾロは少し驚いたようだった。
 「ああ・・・そうだ」
 「へえ・・・!すごいですねえ・・・ちょっと刃を見せてもらっても?」
 「別にかまわねえが」
 スラリと雪走を抜いたゾロ。
 それを食い入るように見つめるソラ。
 「やっぱりそれほどのすばらしい刀はあなたのような剣士にぴったりですね」
 にっこり笑って言うソラ。
 褒められ、悪い気もしないという風な表情のゾロ。
 先ほどまでの険悪なムードはどこへやら。
 肩に力が入っていたナミはそれをふうっというため息と共に抜いた。
