二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: -ONE PIECE- 月追う兎 \返信300突破!/ ( No.310 )
- 日時: 2011/05/22 15:55
- 名前: なまくら将汰 ◆yKq/Ct0zKs (ID: 7JhaLLwB)
- [>Episode63 
 「・・・・・・・・・」
 窓から外を眺めるスバル。
 今の自分の心を移しているかのように、雨が降り続け、空は灰色の雲に覆われていた。
 「父さん、母さん・・・」
 無意識に、ポツリ、つぶやいた。
 確かにニーフォスは自分の父に似てはいるが、心は似ても似つかない。
 元はといえば、この駐在所だって父のものだった。
 悔しさに歯を食いしばる。
 その時だった——
 ≪バタンッ≫
 「!!?」
 「スバル!!」
 先ほどカシブが出て行った隠し通路から出てきたのはデイルだった。
 「デイル、何で!?先に言ってっていったじゃない!!」
 「仲間置いていけねえだろ?」
 彼特有のふわりとした笑顔。
 心がほっと落ち着いた。
 「貴方1人・・・?」
 「いいや。ルフィとゾロもきてる。後の奴等はちょっと別件だ」
 「何の音だ!!」
 2人で話していると、先ほどの物音を聞いた海兵が2人、部屋に入ってきた。
 「見張りは2人ってカシブ兄ちゃんが言ってたな」
 「兄ちゃん?」
 「ああ。あれ?カシブの奴、言ってなかったか?」
 海兵の1人が刀を振りかざし、デイルに襲い掛かる。
 だがデイルはそれをジャンプ・ラッシュで受け止め、スバルに笑いながら言った。
 「あれ、おれの兄ちゃん!」
 そのまま海兵を押し、体制を崩したところを斬る。
 もう1人の海兵は銃を持っていた。
 「貴様、“跳び兎”フォールビット・デイルだな!!」
 「あっれ、バレてら。おれ、そんなに有名人?」
 ズガン!と放たれた弾丸。
 「うらああっ!!!」
 ジャンプ・ラッシュを振り、風を巻き起こす。
 弾丸はいとも簡単に吹き飛ばされ、コロリと床に落ちた。
 「ぐ・・・」
 海兵はかろうじて吹き飛ばされず、そこにとどまっていた。
 「もういっちょ!!」
 「ぐああっ」
 もう一度風を起こし、海兵を吹っ飛ばす。
 壁にひびが入り、ドアが吹き飛んだ。
 「よっしゃ、行くぞ!」
 「ええ」
 デイルとスバルは通路に出る。
 「ところでここはどこなんだ?」
 「駐在所の2階よ」
 「そっか。じゃあ1階にルフィがいるから急ごう!!」
 「分かったわ。・・・・・・あれは・・・」
 ふいにスバルが足を止める。
 彼女の視線の先には・・・・・・
 「ちっくしょ。なんなんだあのババア達は」
 頭をぼりぼりかきながら歩く人物。
 デイルもその人物を確認した。
 「ゾロじゃん!!」
 「ん?・・・あぁ、デイルか。スバルもいるじゃねえか!!」
 ゾロの元へ走る2人。
 「おれが助けたんだ。すげえだろ!」
 胸をはり、得意げなデイル。
 ゾロはその頭に手をボスッとのせ、髪の毛をぐちゃぐちゃとかき回した。
 「お前、それよりルフィはどうしたんだ」
 「いでで・・・1階にいるんだよ」
 「だから今からルフィのところへ行くの」
 スバルはそういった後、少し目を伏せてから言った。
 「助けに来てくれてありがとう」
 「それは船長さんに行ったほうがいいぜ」
 ゾロは少しだけ口の端を上げた。
