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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 少年陰陽師*琴萩皐月 ( No.22 )
- 日時: 2011/03/23 07:27
- 名前: 翡翠 (ID: 2fGMg0kq)
- *皐月* 
 「所で昌浩や、わしは、お前に皐月殿を此処に連れてくるよう言ったはず何じゃが?」
 晴明様の言葉に昌浩が顔を引きつらせる。
 「それは…」
 「それなのに、勾陣が案内をしてくるとは一体どういう事なのか…じい様は悲しいぞ、こんな事も出来ないなんて、一体何処で育て方を間違えたのか…」
 袂で目を押さえながら言う晴明様の顔は笑っていた。
 「…確かに、今回も俺が悪かったです」
 肩を震わせながら言う昌浩が、言いたいことを我慢しているのが見て取れる。
 「反省するのはいいことだが、一体いつになったら直ることやら…」
 晴明様の更なる言葉に昌浩がとうとう叫びそうになったときだ。
 「あ、あの、晴明様、そろそろ、昼食をと…」
 叫びそうになった昌浩が声を聞いて固まった。
 「これはこれは、彰子様、わざわざ呼びに来てくださったのですな」
 中に入ってきたのは、昌浩と同じ年くらいの少女だ。
 「あの、お取り込み中でしたか?」
 私の方をちらりと見て彼女は言う。
 「そうですな、彰子様にも紹介しておきましょう。こちらは今日からしばらくこの家に滞在する、琴萩皐月殿です」
 「…琴萩皐月です。で、この子が私の式の氷火」
 足元に居る狐を見て口にする。
 「私は、藤原の彰子と言います」
 頭を下げる彼女に私もまた同じように頭を下げる。
 …彰子姫についてはすでに聞かされていた。
 ある妖怪の呪詛に身体を蝕まれてる彼女が平穏な生活を送るには常に陰陽師が傍に居なければならないと。
 それを聞いた私は他に聞くことも無いと判断した。
 だから細かい所までは知らない。
 「さて、自己紹介もすんだことですし、昼食を食べに参りましょうか」
 晴明様の言葉とともに私達は昼食を済ませてしまうことにした。
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