二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ワンピース 天まで… ( No.3 )
- 日時: 2011/01/12 19:19
- 名前: リリア♪# (ID: CA3ig4y.)
- 〜第3話 何を信じればいい?〜 
 「ここの村は、あの子の事、頼りになる“戦士”だなんて思ってないわ。」
 「えっ?どう言う事…?」
 「推測だと、あの男達は村人と手を組み、ここに辿り着いた海賊達を使うだけ使い、売ると言う手を使っているわ。」
 「本当か!?」
 「あくまで推測よ。」
 「ルフィ…」
 「おい。」
 ルフィは、もう船から降りている。
 ゾロや、サンジも後についている。
 「行くぞ。」
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 「ティルア!!」
 宴のような催しがされていた時、数人が駆け込んで来た。
 「か…海賊が…!!」
 「嘘でしょ!?」
 ティルアは、置いていた刀を取った。
 森の草が鳴り、ルフィが姿を現す。
 「貴方は…!!」
 「ゴムゴムのピストル!!」
 ティルアの左右に居た人々が、飛ばされて行く。
 ティルアは、ルフィの後ろへ行き、首に刀を押し付けた。
 「何のつもり?」
 「お前、こんな奴らを信じてんのか?」
 「ふざけんじゃないわよ!!」
 刃が、深く食い込む。
 ルフィは、顔色一つ変えない。
 「こいつらは、お前の事、いい奴なんて思ってないぞ。」
 「私に何があったか知らないくせに!!」
 ティルアの後ろに、剣を構えた数人が居た。
 ルフィは、ティルアの目を隠す。
 「見るな。」
 「う…!離せっ!!」
 刀を掴むと、地面に投げる。
 手は血だらけになる。
 「ピストル!!」
 男は吹っ飛ばされ、辺りは一掃された。
 ティルアは、目に覆っていた手が離され、目の前の事に、震えた。
 「何でこんな事をしたのよ…!」
 家が破壊され、人々が倒れている。
 「何の仕返しよ!」
 ティルアの前に、一切れの紙が落ちる。
 “今日は海賊の女が来た。またいい金になりそうだーーー”
 「常人が、客人が来た時“金になりそうだ”なんて書くかしら?」
 「嘘よ…!絶対嘘よ!!」
 「嘘だと言うんなら、まだ見せてあげるけど?」
 ナミが持っていたのは、スケッチブック、日記帳、カレンダー。
 全てにこう書いてあった。
 「“この女は使える”“ご丁寧に食料まで持って来る”。だって。」
 ティルアの目には、うっすらと涙が溜まっていた。
 ルフィは、もう姿が無かった。
 「ここに置いておくわ。好きなだけ読んで。」
 ティルアは地面に座り込んだ。
 止められない涙。
 「何で……!」
 悲痛な叫びは、誰にも届かなかった。
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 一枚、ルフィが紙切れを持っていた。
 “おねえさんがきた。
 おとうさんが、またごちそうしてくれるっていってた。
 また、おかねがはいるってはなしてた。”
 幼い子が書いた字だろうか。
 文字の横には、ティルアが木に括りつけられ、財宝が積み重なっている前に、三人が手を上げて喜んでいる。
 「幼い子供にまでこんな事言わせてるなんて…」
 「洗脳と言ってもおかしく無いわ。」
 ルフィは、また船を降りる。
 「どこ行くの?」
 「散歩。」
 ティルアは、泣き続けていた。
 横の言葉。
 読んでいなくても、その一つ一つが矢のように心に突き刺さる。
 いつしか、刀が首に向いていた。
 「(もうこんな思いは嫌…)」
 たった一人の友達と、お婆ちゃんが快く迎えてくれる。
 勢いをつけた時、手が掴まれ、押さえつけられる。
 「また…あんた…」
 刀が弾かれ、地面に刺さる。
 「こんな事をするために生かしてやったと思うなよ!!」
 森に声が響いた。
 ティルアは、また違う涙が流れる。
 「お前、ここの奴らが裏切ってる事知ってただろ?」
 「分かっ…てた…」
 ティルアは分かっていた。
 紙も見た。
 それに、こんなに歓迎してくれる村は無いと。
 「お前、俺の船に来るか?」
 ルフィは、ティルアに笑いかける。
 「だってもう…こんな思いはしたくないもん!!」
 「取りあえず来いよ。それから決めろよ。」
 「それからね。入るって決めたわけじゃないから。」
 「素直じゃねーな。お前。」
 ティルアは、空を仰いだ。
 天国の友と、祖母に届くように。
 ーーこれでいいのだろうか。
 ーー信じていいのだろうか。
 ーー心から信じたい。
 仲間を……
