二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: †BLACK†- REBORN!第4夜UP ( No.13 )
- 日時: 2011/02/14 18:49
- 名前: 神無月Ж伶裡(元ちぃ (ID: dRfQEy98)
- 参照: 伶裡と呼んでくださいまし←
- 第5夜 【俺の決意】 
 扉の中は薄暗いどこか空気の重い墓場だった
 見るところ外国のようだけど
 月は紅く三日月で夜中のようだ
 「あ・・れ、?ここ・・」
 「ここは魔界だ。」
 「ま、魔界ッ!?」
 さっきまでいたのは確かに洋風の部屋だった。
 ポツンと置かれていた扉は確かにどこともつながってなかった
 それがいきなり魔界ッ!?
 「え、と・・うん・・」
 「ここにキラを呼び込む」
 「き、キラって・・?」
 聞き慣れない言葉に動揺してしまう
 「キラ、というのは吸血鬼のなりそこないの事だ。」
 「なりそこない、といいますと・・;」
 「ヴァンパイアが血を吸った人間のなれ果ての姿のことだよ。全ての人間がヴァンパイアになるわけではない。」
 「は、はぁ」
 つまりだ、というように改めてヴィクトリカが言う
 「アイツ等は吸血衝動だけがあるただの肉の塊だ。」
 「ひぃっ!!」
 想像するだけでも吐き気がしてきた・・・
 「レベルで言うとEだな。」
 「レベルっていうのは・・?」
 「魔界でも強さ、地位によってレベル分けされるのだよ。その最低レベルがE」
 レベルSA(王族の者。血の契約を交わすことができ、戦闘能力、生命力は未知数。魔界の頂点に君臨する者たち。)
 レベルA(所謂純潔の者。純潔なほど力も強く、なかなか死なない。人に化けることもできる。)
 レベルB(一般の魔物以上に強く人間界でも生きれる者のこと。生命力も強く、戦闘能力も強い。)
 レベルC(一般の魔物。意思もあり生活も普通にこなす。大半の魔物はこれに属する。)
 レベルD(意思はあるがデリケートな者)主に魔界でしか生きれない事や、決まった環境でしか生きれない者
 レベルE(意思をもたない本能のままに生きる者)ヴァンパイアに血を吸われ吸血鬼になり損ねた人間など。
 「私は王族だからSAだな。」
 「ふーん・・」
 よし、というように息を吐き
 「では、呼ぶとしようか。綱吉」
 「えぇええっ!?も、もう!?」
 「早くしないと人間界で死者が出るぞ」
 「わ、わかったよッ!!」
 若干涙目の綱吉がいうと口元を弧のように歪ませ呟いた
 「ここに汝、死者の魂に囚われし者。骸の河を渡り、死者の嘆きを謳い 、その手を闇で満たせ…ここに召喚せよ」
 すると今まで気がつかなかったが魔方陣のようなものが墓地の地面に光を放ち描かれる。
 その途端「ギャァア"ァアアアアッッ!!」
 という不気味な鳴き声が魔方陣の中心から聞こえた。
 「なッ!?」
 すると地面からその醜い身体を表した
 「き、キラッ・・」
 「そうだ。さぁ、沢田 綱吉戦いたまえ」
 「はぁっ!?!?」
 き、聞いていない!というように食いつくがヴィクトリカは十字架の上に座ってお菓子を食べ始めた。
 罰当たりなっ!;
 「く、くそっ!」
 「グァル、ルルッ・・」
 「それ」は確かに肉の塊のように髪は抜け落ち皮膚はただれ、黒っぽかったが確かに紅く理性を無くした瞳は存在していて、「あぁ、ひとだったんだ」なんて言葉はのどから出なかった
 俺はグローブをハメ炎をともした
 「ほぅ」
 目をわずかに細めたヴィクトリカが呟いた
 「いくぞッ!!」
 勢いよく飛び出した俺に咬みつこうとキラは襲いかかる。
 「くっ・・」
 俺はそれを回避し炎を放つ
 「ギャァ"ァアアッッ!!」
 怪物は確かにうろたえるがまだ立ち向かってくる
 キラは俺の右足をつかみ咬みつこうとする
 拳をキラに向かって振い今度はグチュッという嫌な音がなったが死ぬ様子はない
 「どう、なっているんだッ・・」
 一向に死ぬ様子がないキラに俺はうろたえる。
 「攻撃力は申し分ないな。」
 不意にお菓子を食べ終えたようでヴィクトリカは十字架から降りる。
 「おいッ・・」
 こっちは殺されかけてんのにのんきに解説なんてっ・・
 「キラはそんな炎では死なない」
 「じゃあ、どうやってッ・・」
 「簡単だ。首を撥ねればいい。」
 「首ッ・・」
 なんて残酷。そんな言葉を発する前にヴィクトリカは何処からかチェーンソーを出した。
 小さなその体には不釣り合いな大きいチェーンソー。
 「まさか・・」
 「君、そのままソイツをつかんでいてくれ。」
 「うっかり殺したらすまない」なんて黒い笑みで言われたらもはや何も言うまい。
 チェーンソーを回転させる。
 ギュルルルルルッ、と音を出し回転するチェーンソーをそんな小さな体の何処にそんな馬鹿力があるんだ。というほどに勢いよく軽々と振り上げる。
 そして舞うように一回振り俺の正面・・キラの背後に回る
 キラは最後のあがきのように苦しそうに啼く。
 前で動きを封じ表情を見ている俺は何も言えなくなった
 そしてヴィクトリカが終わりを告げた
 「死ね」
 そして振り下ろした瞬間にキラの苦しげなギャァァァアアッ!!という啼き声と黒っぽい血で、嗚呼、キラは切られたのだ。そう悟った。
 ズルリと力なくその場にしゃがみこんだ俺は元の俺に戻っていた
 「どう、してこんなッ・・!」
 「言っただろう、こいつは確かに元は人だった。だが今は血肉に飢える化け物だ。」
 「こいつ」と足元に肉の塊のように転がっているキラに目線を移しながら話した。
 「ふっ・・ぅうぇッ・・」
 突如どうしようもない感情がこみあげてきた。
 それはどうしようもなく涙となり俺の頬を伝いこぼれおちた
 しばらく涙が止まらなく嗚咽しながらも泣く俺をヴィクトリカは何も言わず隣に座っていた。
 涙が止まった頃、俺には一つの決心があった。
 「泣きやんだか」
 「うん・・・俺、戦うよ・・」
 「ん・・」
 「でも、それは・・怪物を殺すためじゃなくて・・今死んだキラのような存在を作んないために・・友達を、家族を守るため俺は戦うよッ・・!」
 「・・それでこそ、私の下僕だ。」そう言ってヴィクトリカは初めて俺の前でほほ笑んだ______
