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一章#4　　僕ハ何故此処ニ居ル？










ぴちゃん……と水が滴る音がした。此処は何処だろう？
俺はむくりと起き上がると周りを見回して、ズキン、という痛みに襲われた。
あの時、そういえば後頭部を強く殴られたな。痛いしネギ臭い。


————あれ？ネギ臭い？




「……え」




俺は、何故此処に？
……てか動きづらいぞ、何だこれ。
それを見てみると、目の前に鮮やかな赤が広がった。
散りばめられた黄色や朱色の小花や見事な蝶が大きく羽を開いていて、とても綺麗な着物—————

着物？女物……




「マフラー無いっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」




そうだよ、さっきから首がスースーすると思えば、あのマフラーが無いじゃないか。何処へやってしまったんだ。
ぶつくさぶつくさ言っていると、後ろから声がした。少年っぽい声？




「あ、カイ兄。起きた？」



それは水色とも緑とも似つかない髪の色の———————ミク、オ？



「やっぱこの着物にして良かった！　なあルキ！」

「……そうだな、色気があって良い」

「!!????????」



俺の頭にははてなマークが増殖中です！
ホワッツ????
どっちも男になってるよっ！何で！
こういう場合パソコンでデータ変えないといけないのに！
ミクオにルキっていったら・・・もしや。



「よっしゃああ！　カイ兄！　俺が盗ってやる！」

「リント！　抜け駆け禁止！」

「ぶー……」



リントきたあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
何これ違う方向に行きそうだよこれ。てか俺超危なくね!???
……逃げる！そっこーで逃げる！

俺は『あっちにKAIKO居る!!』と言って、ずばっと逃げ出した。




……のもつかの間。




「……カイ兄？　逃げちゃあ駄目だよ？　餌食なんだから」

「カイト兄様は俺達に誘拐されたんですよ？　分かってるんですか？」

「……逃げ出す前に、カイ兄にネギをぶっ刺すんだｋ「自重しろ、クオ」

「……う、ぅ」





俺は涙が溢れてきて。ああ、もう逃げられないんだ、と思った。











　　.僕ハ何故此処ニ居ル？


もう、それは逃げられないという事だった。











一章　ー終ー




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