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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.370 )
- 日時: 2012/03/18 21:19
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)
- 参照: BC2 サビはストレートだからストレートにした結果がこれだよ!
- 細く息をしていた喉が、はちきれて、やききえて。 
 #02 雨の冷たさが心を刺して
 その刹那に。その一瞬で。雨に濡れた建物が崩壊した。思い切り押されて、壁に頭をぶつけた。その痛みは今でも地味に痛むが、それよりも何よりも、痛い出来事が起こった。
 一瞬で、瞬間で。頭は痛いはずなのに、すぐ理解できた。私は、まだ崩れていない、同じ建物の下で、雨に晒されて焼けるあなたの死体を見つめていた。
 「さよなら」
 ぽつり。
 「……さよなら」
 ぽつり、と。
 あなたの声が、きこえた。振り返ってみてみると、まだ雨は降っている。焼け続けて、熔ける体。それでもあなたは、か細く、苦しそうな声を出した。
 「僕ら、は、ここにいた…………ごめ、んね」
 私への謝罪。それで、途切れてしまった。終わってしまった、完全に。
 私に謝って、どうするのだろう。むしろ私が謝らないといけないのに。いつだって守られているだけだったのに。今回も、また。守られて終わりで。
 「……さよなら」
 これ以上、あなたが居なくなるのを見るのが辛くって、俯く。零れだす言葉と涙。嗚咽、嗚咽。苦しくて悲しくて悔しくて。それでも、雨の中にいけない私に嫌悪感。必死に謝罪を繰り返してた。あなたが私に言ったのと同じように。
 終わることなき雨のように、溢れ出ては止まらない。言葉はもう、言葉にはならずに、ただの声となっていた。それでも私は、まだ願っている。相変わらずに、願っている。君も見たいと言ったあの青い空を、見たいと。夢見ていたいと。
 ふと、君が居た場所に目を向けてみる。
 隅々まで汚れきってしまった、小さな小さな世界の、この場所で、世界の、隅っこで。完全に、完璧に。
 ————今、終わるの。
 焼き消えてしまった。
 
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