二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ぼかろ。 ( No.7 )
- 日時: 2011/05/23 18:05
- 名前: リリ ◆lsaxZALrTI (ID: zQJPnDCy)
- 家出少年と迷子少女 
 「忘れたい、事があるんだ」
 ここで、あったこと。ここで、見たこと。
 キミが、どこへいったのか。
 「消し去りたい、ものがあるんだ」
 「暗闇」に残された、一人ぼっちの
 ワ タ シ を・・・・・
 ある朝、突然、君が姿を消した。
 少し、変わり者の君のビョーキは私には理解し難い。
 「ああ、また何かしちゃったんだね」
 君はいつも、イタズラがばれると隠れちゃうから・・・
 私、一緒に謝ってあげるのに。
 「え?アイツは———」「そうそう———」
 あっという間にクラスの皆がキミの事を話し始めた。
 その言葉が不快で、私は学校を飛び出した。
 「嫌いに、なっちゃうよ」
 って、ちょっと拗ねてみた。
 勝手にいなくなるなんて・・そんなの、絶対、許さない。
 —嗚呼・・・・・———
 イタズラにしても、度が過ぎるよ。もう、一緒に謝ってなんてあげないから。
 君を探していたら、いつのまにかどこかの高架橋の下。崩れたビルに、橋には落書き。秩序は最悪。
 こんな危ない所にキミはいるの?
 見つけたら、頬を叩いてやるから。「心配したんだからねバカ」って。ちょっとだけ、涙ぐんでしまうかもしれないけど。
 歩きっぱなしで足が痛くなってきたけど、それでも町を歩く。
 —帰らぬ人は今どうしているの?————
 まるで、迷子のように。泣きそうな顔して、かっこわるいなあ。
 張りつめていた、感情の糸が切れて目から涙が零れ落ちる。
 あーあ、これじゃほんとに迷子みたい。キミが手を引いてくれないと・・
 —無慈悲な、真実を閉ざしてしまわないと———
 困るんだから。
 「早くキミに、会いたい」
 一日の終わり、影が伸びる。ワタシのだけ。
 大好きなキミがいない日なんて、忘れたいな。じゃあ、忘れよう、忘れました。
 ふと、違和感が頭の中をよぎる。
 ワタシの記憶は、捏造?キミは、家出してしまったんだよね?
 とっても大切な事のはずだけど、何故か思い出しちゃいけない気がする。
 —「街」は過保護なくらいに、その「少女」の願いに忠実だった。
 それが「少女」に幸せをもたらすかはわからなかったけれど。————
 バラバラ・・と、音を立ててこぼれ落ちた「記憶」の欠片を拾い集めながら
 一度、目を背けてしまった真実を・・
 ——帰らぬ人をどうしたいの?———
 思い出したい、そう願った。
 クルクルと、廻る。キミを探す迷子旅。散歩の終点はもうすぐ。
 ——目を背けた、無慈悲な真実を明かしたら———
 本当は、もうキミは・・・
 キミを探して歩いた踏切で、全ての記憶がよみがえる。
 昇って行くキミの煙に、空の手を振ってキミのことを見送った。
 「あの日」から、居なくなってしまったキミを探しに行って迷子になったワタシ。
 「キミの元へ行きたい・・・行かせて・・・」
 カタン、カタン・・・・
 キミを最後に見た場所に、もう一度立った。
 もう、もどることは出来ないのだけれども
 ——帰らぬ人は、なんと言ったの?————
 これで良い、そう決めた。
 フラフラと、君を探しに行って、迷子になって、かっこ悪くて。
 二つの点滅が、照らされた
 ——無慈悲な真実に、向かって———
 頬を伝う涙は、きっとキミの元へ行けるという安堵から。
 キミのいない世界の方が、きっと「間違い」なんだ——
 向こうでは、キミもきっと見つかるし。
 ハッピーエン・・・・・?
 ガタン・・ガタン・・・・ガタン・・・ガタン・・・
