二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン〜心に灯る星〜 ( No.115 )
- 日時: 2011/07/21 13:46
- 名前: 夜桜 (ID: KY1ouKtv)
- 四十八話「星の輝きは」 
 「どうして」
 そう問いかけた少女の眼には涙が見えた
 「………。」
 少年は…風丸は何も言わない
 「何で?どうして。まだ、一回負けただけだよ。今までの一朗太なら…諦めない」
 少女の…そらの訴えに風丸は答えない
 やっと出た言葉は
 「星は輝かない。いつかは…消える」
 風丸は空を見上げて言った
 そらは目を見開き
 ”絶望”した
 「っ、そんなの理由にならないよ。一朗太ぁっ!!!!ねぇ!」
 涙を流し、声を張り上げるそらを
 風丸は見ることしか…できなかった
 そこに新たな声が
 「そんなの違う。」
 風になびく髪------
 闇に輝く桃色の眼-----
 「な、菜乃香っ」
 そらは驚きその方を見る
 菜乃香は静かに、足元のボールを見つめながら
 「あの頃の、そらちゃんは…もっと、言いたいこと言ってた。」
 菜乃香の眼には強い意思を感じた
 「あの頃のそらちゃんに…戻ってみてっ!!!!!!!」
 そう言い、菜乃香はボールをそらに向かって思いっきり蹴った
 「っ!そらっ」
 風丸が叫ぶ
 パァァァァァン
 …シュゥゥゥゥゥゥゥゥ---------
 ボールは壁にぶつかりパンクしている
 一瞬の出来事だった
 そらがボールを蹴り、そのまま壁にぶつかったのだ
 そして
 立ちあがったそらの目には
 強い”意志”があった
 鋭い視線
 「…何が、したいの?」
 今までの優しい声ではない
 冷たく、鋭い声
 「入院してる皆の分まで、頑張るんじゃなかったのっ!!!!?」
 怒鳴り声
 「何が、『もう無理』よ!約束一つ守れない奴が、強くなれるはずがないっ!!!」
 そらの罵倒は続いた
 「たったこれだけでしょ!?ジェミニストームの時も惨敗だったじゃないっ…なのに、何で今回は無理なのっ」
 そらの問いかけ。ソレは純粋な少女の叫び
 「何が、怖いの?」
 そらの声が少し弱くなった
 「負けることがそんなに怖い?自分が傷つくことがそんなに怖い?仲間が傷つくことがそんなに怖い?」
 そらは疑問を並べた
 「負けることが怖いなら、負けないほど強くなればいいっ!!!」
 「自分が傷つくことが怖いなら、自分を守れるほど強くなればいいっ!!!!」
 「仲間が傷つくことが怖いなら、仲間も守れるほど強くなればいいっ!!!!!」
 涙を流し、声を張り上げ、風丸をその場に、この場に繋ぎ止めるよに----------
 「そら。………ごめん」
 そう言い残し、
 風丸は立ち去った
 残されたそらはその場に崩れ落ち泣いた
 駆け寄ってきた菜乃香にすがり。
 「っ!!!なんで。どうして…私は何もできないの。………。どうし、て」
 菜乃香はそらを優しく抱きしめた
 そして
 「大丈夫。きっと、星と人は違うから…私たちはいくらでも輝けるから」
 その夜の空は暗く星はなかった、が
 その時には星は姿を現していた
