二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【真実ト嘘】 稲妻長編小説 第二回オリキャラ募集中!! ( No.236 )
- 日時: 2011/07/16 00:52
- 名前: 紅闇 ◆88grV3aVhM (ID: dNKdEnEb)
- 参照: オリキャラ応募スタァァァット!!((
- ②第五話<フェニックス> 
 「ふーん。じゃあ佐久間は毎日、仕事をサボってこの店に来てたんだね?」
 「いや……サボリなんて事は……」
 「これの一体、何処がサボリじゃ無いって言えるの? 俺は分からないなあ」
 「……はい……サボリしてました……ゴメンなさい……」
 「次やったら、ライディ様にチクるからね? いい?」
 説教完了。
 どうやら、桜ノ国隊員は、問題を起こす者が多いようだ。
 緑ポニーテールは、円堂達の方に向き直った。
 「お見苦しい所を失礼しました。俺は、桜ノ国フェニックス保護隊員隊長【緑川リュウジ】です。
 で、コイツ、佐久間次郎がフェニックス戦闘隊員です。以後、お見知りおきを」
 「は、はぁ……」
 さっきの佐久間に当たる態度とはまるで違う、淡々とした話し方だった。
 もう少し言えば、まるで悪人が取るような態度にも見える。
 「……まあ、軽く考えてくれよ。同じ隊員仲間なんだからさっ」
 元の話し方に戻った。どうやら、似たような言葉がいくつか存在するらしい。
 桜ノ国は、自由なダルヌ国とは違い、決まりがある。
 言葉や行動……今の桜に反する事をしたならば、厳しい処罰があったらしい。
 さすがに現在は薄れてきているが、あまりいい思いはされない様。
 その理由は、一昔前、独裁者がいたからであって……
 「そうだ、緑川……で良いか? 誰か探しているんじゃなかったのか? こんな所でゆっくりする時間があるのか?」
 「ああ、それで良いよ。……え? 探し……あぁ?! そうだっ、ライディ様だ!」
 緑川は何かに弾かれた様に立ち上がった。
 反動で座っていた椅子が倒れてしまった程。
 「佐久間、ライディ様を見かけなかったか?」
 「はぁ?! またお逃げになったのか?!」
 「……ライディ?」
 「【ライディ・ナイト】。この国を治める王の名前なんだ」
 「まあ、国では有名だ。“脱走姫”としてな!」
 佐久間も立ち上がった。かなり急いでいるという事は、こちらも緊急事態なのだろうか。
 反対に、豪炎寺はこんな事を考えていた。ある意味、こっちの王も違う意味で有名だけどな、と。
 そして、鬼道も似たような事を。国を治める王は、どこの国でも何か心配させる様な事を起こしているのか……
 「……ヤバイじゃないか。早く見つけないとあの“双子”が怒り狂うぞっ?!」
 「いや、お前の方の隊員仲間も怒るとヤバイよ?! 早く見つけないと!」
 慌てふためく二人。本当にヤバイらしい。
 「ねえ、この国の王様ってどんな人なの?」
 「えっと……気が強くて、自由爛漫で……」
 「——じゃなくて! 容姿だよ、姿!」
 「あ、薄いオレンジ色の長い髪だよ。瞳の色は……白っぽかったかな?」
 「うーん……見てないかなぁ」
 「見てても、私達はフラフラで覚えられ無いよ」
 緑川達が話す少しだけ離れた所。
 扉の前(が、あった場所)では、春夏秋冬店員が話し込んでいた。
 「……で、どうします? この扉。いっその事、新しく替えちゃいます?」
 心葉が悩みこんだ末、こう言った。
 しかし、フユカが反対意見を出す。
 「ダメですよ。この前も壊されて替えたばかりです。それに私、この扉気に入ってますし……」
 そっか……。心葉は扉の残骸を見つめた。
 店の外から、熱い日差しが入り込んできている。
 「仕方ないわ、アキさん。今日二回目だけれども、直してくれるかしら?」
 「——? あ、いいよ」
 アキは微笑み、二、三歩前へ出た。そして——
 「“変換魔法-アヴァニア-”!」
 残骸は空中に浮き、元の形にピッタリとくっついた。
 そして、入り口にはまる。アキの魔法は終了した。
 「やったぁ!!」
 
 ハルカが喜んだ。
 何か、ガラガラと崩れる音。
 店員達は皆目を合わせた。
 ナツミが、額に手を当てながら言った。
 「……どうして、この店には問題が起こるのでしょうね?」
 戻り、円堂達の方へ。
 「ななな、何だあ?!」
 店内は土煙でいっぱい。視界が狭まってしまった。
 しかし、辛うじて見えるのは、仲間の姿と、前にいる誰か二人の人影。
 「佐久兄!」
 「リュウジ兄!」
 「遅い」
 「ライディ様は見つかった? いや、見つけてないなんて言わせないけど」
 土煙がおさまってきた。
 右と左にそれぞれ刀を腰に差す二人。
 頭上からは、灼熱の太陽の光が降り注ぐ。
 ……頭上?
