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「・・・ハアハア。」
少女は、空を飛んでいた。痛みをこらえながら、息苦しくなりながら。
だが、翼が消えかかっていた。
（・・・もう持たないか。）
地上に降り、翼を消す。が、痛みは瞬時にやってきた。
「・・・っ！」
がくりとひざを折り、手当てされた左腕を右手でおさえる。
（いつになったら治るんだ？）
そんな疑問を抱え、近くにあった木のところまで歩く。
その木陰で休んでいると・・・。
「大丈夫？」
と声をかけられた。少女は声がした上へと、顔を見上げる。
そこには、ハニワがいた。
「・・・ハニワ？」
思ったことを口にする。
「まあ、見た目はハニワだけど・・・。」
ハニワは苦笑をしてそう答えた。声からして女性である。
「私はメープル。占い師よ。ところであなた、怪我してるし・・・、よかったら私の家に来ない？」
メープルはそう言って、少女に手を差し伸べる。
少女は頷き、メープルの手をつかみ立ち上がった。
「じゃあ、行きましょうか。」
メープルはそう言うと、少女の手を握り締め、歩き出した。
少女は、その手をゆっくりと握り返した。