二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 稲妻×復活-グラウンドの中心で大空に向かって叫ぶ-アンケ実施 ( No.27 )
- 日時: 2011/07/31 22:05
- 名前: 美津子 (ID: 278bD7xE)
- 「……」 
 「集まって!エンド交代、後半戦を始める!!」
 円堂の真剣な言葉と目に私はなにも言えず、ただ彼の背中を見つめる。夢の為に自分の全てをかけるってわけね。
 正直そんな情熱、私には分からない。私はただ綱と一緒にまい地に平和に暮らせたらそれで良い人間だから。
 だけどこれだけは言える。初めて円堂を格好良いと思い、少しはこいつの為に何かやっても良いかと思えた。
 そして、その思いが後の行動につながる事となる。
 「何じゃありゃー!!」
 三人がくるくる回ったと思ったら、三人でボールを蹴った…!?そんなサッカーがあってたまるかい!!
 というか完全に吹き飛ばされてたぞ…。円堂、大丈夫なのか?
 円堂はあんな事言ってたが、このままじゃ大怪我しかねない。せめて試合を止めるくらいはしないと…。私は走って審判の元に向かおうとする。
 しかし、それを鬼道が冷徹な言葉で遮る。
 「続けろ。奴をあぶり出すまで…」
 こいつらにも事情が何かしらあるのは分かった。だけど円堂こんな状態なんだぞ?
 何の気遣いもなしに試合を続行させるってのはどうなんだ?さすがに人の道っていうもんから外れてないか?
 ヒバリさんみたいに我儘で自己中で自分の為に以下生きない歩く迷惑製造気無人間なんて普通にいるけどさ。円堂のあの言葉を聞いちゃうとちょっとどうなのと思うわけで。
 内心複雑な思いを抱きつつ、私はいったんベンチに戻る。
 「一体何の為にそこまでする?」
 「沢田さん」
 さすがにこのサッカーは酷過ぎる。帝国に事情があるにしてもだからってここまで人を傷つける理由は無い。
 こいつらはサッカーをやってるんじゃない。何かの為にサッカー部をつぶそうとしているだけだ。
 私にはサッカーなんて分からない。だけど野球が好きで敵なくなったと思って自殺未遂しようとした野球バカの気持ちやその姿勢は良く知っている。
 野球は決して人をつぶすためにはやらない。ダチ同士で楽しんでやるもんだって山本は言っていた。
 なのに、円堂の情熱を平気で踏みにじり、円堂のダチである風丸をあんな目にあわすのはどうかしてるだろ。
 「お前らはオレ達から一点すら取れない」
 「それはどうかな?」
 「沢田さん!?」
 「沢田…」
 気がつくと私はフィールドの中に入り、帝国の目の前に立ちはだかっていた。
 あんなに面倒事を嫌っていたのに、どうして私がこんな事をしたのかは説明がつかない。ただ言える事は一つ。
 「私は強い者いじめが趣味でね、あんたらに勝ちに来た」
