二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ〜正反対の最強双子姫〜 ( No.48 )
- 日時: 2011/09/08 16:07
- 名前: 刹那 (ID: CA3ig4y.)
- 第3話「サッカーが大嫌いな姫」 
 ここは仕事部屋。ラティアはここで、1日の殆どを過ごしている。
 ラティア「フローラ、少し休憩にしましょう。」
 フローラ「分かりました。では、紅茶淹れて来ますね。」
 ラティア「えぇ、有難う。」
 フローラは仕事部屋を後にした。ラティアは1枚の紙を持って、大きなソファに座った。
 ラティア「…フットボールフロンティアインターナショナル…か。」
 フローラ「お待たせ致しました。…その書類は?」
 ラティア「FFIの本戦が行われる『ライオコット島』の設計図よ。」
 フローラ「島を丸ごと改造するのですか…」
 ラティア「全く…あのクソジジイも、こんな下らない事する暇があるなら、石油の問題の一つ位解決しなさいよ。」
 ラティアは不機嫌そうに書類を捨て、ミルクティーを一口飲んだ。
 フローラ「ラ、ラティアお嬢様!!そんな大切な書類を…」
 ラティア「こんな書類、今すぐ燃やしたいわ。FFIだって、お父様が関わっていたから、仕方なく引き継いだのよ。そうじゃなきゃ、こんな下らない大会、絶対に関わらないのに…」
 フローラ「ラティアお嬢様…」
 ラティア「…サッカー何て…サッカー何て、大嫌いよ!!いつも私の大切な人達を奪うんだから!!サッカーさえなければ、お祖父様だってあんな人にはならなかった!!お父様とお母様だって、死にはしなかった!!」
 フローラ「…。」
 ラティア「…御免なさい、少し自分の部屋で休んで来るわ。」
 フローラ「…畏まりました。」
 ラティアは仕事部屋を出た。
 ラティア「あっ…」
 ティアラ「…大丈夫?」
 ラティア「…えぇ。」
 ラティアはそれだけ言うと、自分の部屋に向かった。
 フローラ「!!ティアラお嬢様…」
 ティアラ「…御免ね。偶然、前通ったら聞こえちゃって…」
 フローラ「…そうですか…」
 ティアラ「…ラティアの気持ちも分かるよ。私だって、今サッカーをやれって言われたら、出来るかどうか分かんないもん。…でも、やっぱり私はサッカーが大好きだよ。」
 フローラ「それで良いと思います。」
 ティアラ「ラティアもいつか、サッカーが大好きだった頃に戻ってくれるかな?」
 フローラ「きっと戻って下さいますよ。それに、ラティアお嬢様には、あのお方がついております。」
 ティアラ「そうだね!!…皆、心配してるかなぁ…」
 フローラ「そうでしょうね…まぁ、世間には『クラリス家の者は、全員死んだ』と言う事になってますから…」
 ティアラ「そうだよね…」
 フローラ「ティアラ様は、あのお方にお会いしたら、初めに何を致しますか?」
 ティアラ「思いっきり抱きつく!!」
 フローラ「ティアラお嬢様らしいですね。ですが、ライオコット島に行くまでは死んだ事になってますからね。」
 ティアラ「分かってるよぉ〜…」
 〜ラティアの部屋 ラティアside〜
 私はベッドに寝転がっていた。
 ラティア「サッカー何て…大っ嫌い…」
 私はクッションに顔を埋めた。その時、ふとドレッサーが目に入る。
 ラティア「…これ…」
 私は起き上がり、ドレッサーの上にあった白のカーネーションのコサージュを手にした。
 ラティア「白のカーネーションの花言葉は…『愛の拒絶』だったわね…」
 今の私にピッタリだった。私は…今、愛を拒絶している。それがたとえ、心から愛してる人からの愛でも…だって…私が愛してる人は「サッカーをしている」から。
 ラティア「サッカー何て、大嫌い。サッカーをしている人だって大嫌い…」
 私の頬を、温かい滴が通った。
 ラティア「大嫌いな筈なのに…どうして…どうして…これが捨てられないの…!!」
 毎日、これを捨てようと思った。彼の事を忘れようと思った。彼さえ忘れれば、サッカーだって忘れられる…そう思ったから。
 ラティア「…そろそろ仕事に戻らなくちゃ…」
 私はカーネーションをドレッサーに戻し、部屋を出た。仕事部屋に行く前に、洗面所で顔を洗わなきゃ。
 ラティア「…結局、今日も捨てられなかった…」
 私は溜息を吐いた。
 ラティア「そう言えば、白のカーネーションにはもう一つ花言葉があったわね。…何だったかしら…?」
 私が物忘れをする何て珍しい。どんなに下らない事でも絶対に忘れなかったのに…
 ラティア「…この世の物とは思えない位下らなかったのかしら。」
 私は気にせず、洗面所に向かった。
 白のカーネーションのもう一つの花言葉は、多分次章で分かるかと…でも、検索すれば分かりますよね。
