二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〜続・イナイレ*最強姉弟参上?!*参照1000突破!!! ( No.411 )
- 日時: 2011/11/19 21:41
- 名前: 伊莉寿 (ID: r4kEfg7B)
- 第43話 それぞれの朝。 
 その20代前半と思われる男は、自分にきたメールのチェックをしていた。殆ど、少し目を通しただけで削除してしまう。
 が、ある1通のメールを開くと、忙しく動いていた指が止まった。そして表情もフリーズする。
 ?「!」
 それは段々と、驚きの表情に変わり。
 ?「…とうとう、か。」
 欧米の町並みを、車の窓越しに見つめた。
 穏やかに変わる表情。良い機会だ、と呟くと車の運転手がどうされました、と尋ねる。
 ?「日本に帰る。」
 運転手「…え?」
 ?「このまま空港に向かってくれ。前から、そろそろ日本に帰国したいと思っていた。」
 運転手は戸惑った様だったが、決心した様な顔で車を発進させて路地を曲がった。
 男は右手を強く握りしめ拳を作ると、それをゆっくりと開いて僅かに笑みを浮かべる。———安堵した様な、優しい笑み。
 ?「ようやく、会えるのか……、魁渡に。」
 *
 歌音は、早起きをして損したかな、と少しだけ後悔した。
 見ているのはサッカー部の予定表。今日は休み。試合の後だからだろうが、週末に休みというのは珍しかった。
 歌音「…杏樹の家に行ってみようかしら。」
 最近、歌音はポケ○ンBWを全クリしたばかりだった。
 大して興味なかったソフトだが、ティアラに勧められてやり始めるとのめり込んであっという間にクリアしてしまった。
 杏樹にもやらせてみたい、と思う。きっと、彼女は知りもしないのだから。
 ティアラを起こしに彼女の部屋に入る。昨晩、明日は何となく早起きしたい気分だから起こして、と言われたのだ。
 ベットの脇に置かれた欧米のテーブルの下に、彼女の携帯が落ちているのを歌音が見つけた。
 最近発売されたばかりの新機種、そして新着メールありのライトが光っている。
 歌音「ティアラ姉、もうあ…」
 ティアラ「ん〜、もう少し寝るぅ…」
 歌音(昼まで寝ちゃいそうだわ;)
 歌音「今日、午前中に杏樹と遊ぶわね。」
 ティアラ「分かった…おやすみ〜」
 軽く寝ぼけているティアラの部屋を出て、歌音は朝食を取った。ラティアはおそらく部屋でPCに向かっているのだろう。
 *
 神童「月乃…?」
 眠っているのかと思い、月乃のベッドに神童は近付いた。
 でも、彼女は目を開けて壁を見ている。声を掛けようとした時、2人の視線がぶつかった。
 月乃「…ぁに様。」
 神童「月乃、どうしたんだ…?」
 帰って来たのは、眠れないんです、という驚きの答えだった。
 月乃「悪夢しか見れなくて、眠れないんです。」
 淡々と彼女は言う。
 それを聞いて、昨日の試合直後の事を神童は思い出した。殺されかけたのだから、無理もないのかもしれない。
 神童はベッドに腰掛けた。そして気になっていた事を、恐る恐る聞いてみる。
 神童「…月乃、」
 横になって、体を壁に向けていた月乃は視線だけ神童に向けた。
 神童「・・・お前、記憶はどれくらい戻ってるんだ?」
 *
 昼間に木陰で風に当たっていると、いつしか眠りそうになってしまう。でも、朝だと逆に目が覚める想いだ、と剣城は思った。
 緑の芝生に、明るい太陽の光が降り注ぐ。そして空には、雲1つ見えない。どこまでも続く青空に、小鳥がさえずっている。
 剣城「…俺は、一体…?」
 病院の庭で、剣城は自分の顔の前に両手を持って来て、強く握りしめた。
 剣城「…何かを、壊そうとしていた気がする。」
 壊したくない、何かを。
 * to be continued...*
