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最終話 [HAPPY]


電子音しかならなくなった携帯電話を閉じてベッドに放り投げた。

沙「失う、ねぇ……」

そう言えば咳の原因は私の心だと言っていた。

きっと自分で選んだ選択を悔やんで、あいつらの事を諦めきれなかったからかな。
最近調子がいいのは……心のどこかであきらめたから、だろう。







親に捨てられて周りからは同情されるばかりだった。
親戚からは「可哀そうに」「辛かっただろう」そればかり。心底腹が立った。

何が「可哀そう」だ。何が「辛かっただろう」だ。
あんた達には分からないはずなのに知ったように喋るな。そればっかり。

だから自分が「不幸」だとか思ったらそこで負け。


この考えは今でも変わっていない。







沙「うん、それだけで私の人生の目標は決まってるんだよねｗｗ」

周りは関係ない。他人の感情に流されるな。自分の道は自分で作れ。


『幸せだった』最期にそれが言えれば上等だ。




沙「失った？うん、皆に言える事だよ。生きてりゃ失う事の方が多い。それからが問題。」












失ったなら取り戻せ。