二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】漆黒の炎に罪を乗せて ( No.96 )
- 日時: 2012/08/01 21:09
- 名前: 愛河 姫奈 (ID: ZUrGQhyc)
- 参照: http://id37.fm-p.jp/336/8710kuma/
 「バトルをやめなさい!」
 スポットライトがまばゆく光り、一人の女性の声が柔らかく僕らを包み込んだ。
 僕はその声の主を探す。だけど、光がまばゆすぎて見つからない。それでもその人に会いたいと思った。
 しかし、リエンは違うようで目を細めて服の裾で顔を隠す。光が嫌なのだろう。顔を顰めている。
 「誰だ!お前は何処にいる!!」
 「私の名前はリフィナ。見えないでしょう?アナタの嫌いな光のせいで」
 少女は厭味ったらしく言葉を発した。それに怒りをみせたリエンは一匹のポケモンを出した。
 ルギア…そのポケモンの技を使って天井を壊して飛んで消えた。逃がしてしまった。
 ルギアに追いつける程のスピードのあるポケモンはない。シリンは今、体力が限界だろうから。
 仕方がないから見逃した。
 その代わり、声の主を必死に探す。光は少しずつ和らいできている。
 「ここ。よろしくね?シンク…否、アリシアちゃん」
 「な、なんでその名前を………?」
 「ふふっ、私…元プラズマ団なんだ?あの独特の服と髪形で分からないかと思うけど^^」
 それは分からない筈だ。
 なんぜ、プラズマ団の下っ端は同じ服装に同じ髪型だからだ。
 「そっか。リフィナ…でも、下っ端なら私がアリシアってことを知らない筈。どうして私がアリシアだとわかったの???」
 そう。下っ端にはその秘密が分からない筈なのだ。
 なのに、どうして彼女はその秘密を知っているのだろうか?
 「私はスパイって言えばわかるかしら?そう言う約だったの。だから、アナタの秘密も知ってるし…N様の居場所も分かるわ」
 驚愕した。
 初めからこの人に会っていればわかったのではないか!
 「ど、何処に居るの?!
 ぼ、僕はえと、ナチュラルお兄ちゃんを探してえっと
 それでとにかく早く会いたくて
 カントーに来てリエンと戦ってえっと…」
 「落ちついて。何が言いたいのかよくわからないから」
 「ご、ごめん」
 取り乱してしまった。
 (それを所謂ブラコンと言うbyトウヤ)
 「N様は……」
 「お兄ちゃんは…?」
 「…普通にシロガネ山に居たけど………」
 「HA?☆」
 「なんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
 普通にカントーに居るじゃん!
 馬鹿なの?!死ぬの?!
 リエンと戦う意味あったの??!!
 「お、落ちついて。もう移動してる場合もあるし;;;;;」
 「落ちつけますか?!探し人があんがり直ぐに見つかるなんて?!差が好意味なかったんじゃないんですか?!」
 怒りでむしゃくしゃしてリフィナの襟首をつかむ。
 リフィナは「わ、分かったから」となだめようとしていた。
 それでも僕の怒りは収まらない!!
 リエンに対しての怒りも収まらない!
 腹殴るな!意識ぶっ飛ばすな!ロリコン!馬鹿!塵となり消えろ!
 「ばっきゃろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 「お前がな」
 …ん?誰かに突っ込まれてしまった。
 くるり、と振り向く。
 「あ…」
 はっきり言って忘れてました。
 トウヤのこと!\(^o^)/
 「や、やぁ。久しぶりだね。元気だったかい???」
 「あぁ。その代わり、無償にイライラしてる」
 「ストレスは駄目だよ〜」
 「…お前のせいでな!」
 ごつん!と頭を勢いよく殴られた。
 すっごく痛かった。だけど、嬉しかった。
 此処まで来てくれたのが。
 ぶわっ、と涙があふれた。
 涙が溢れすぎて何も言葉が発せなかった。
 「と、うやー!」
 勢いよく抱きついたらトウヤは少しのけぞった。
 だけど、しっかり抱きとめてくれた。
 「…なんか、シンク変わったな」
 「…シンクじゃないもん。アリシアだもん」
 「!!」
 トウヤは僕を驚いた眼で見た。
 どうしたんだろう?
 (シンクの瞳が…漆黒の炎じゃないだと?!)
 そう。
 今の私の瞳は普通の黒い瞳。
 汚いものは何も映し出さない無垢な瞳。
 「どうしたの?トウヤ………」
 トウヤに体を突き放された。
 驚いて目を見開く。
 体がよろめいて倒れてしまう。
 「本当のお前はどっちなんだ?」
 「本当の私(僕)?」
 常に同じ体。
 同じ姿。
 同じ声。
 同じ人。
 どうして
 どっちかを
 否定するの?
 「…僕はシンクでもあるし、私はアリシアでもある」
 「だから」
 「この存在を否定される権利なんて」
 「あなたにはないから」
 「否定したいなら」
 「消えて」
