二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.489 )
- 日時: 2012/07/21 19:51
- 名前: 有栖 (ID: vDb5uiaj)
 「時間がないっちょ。マリアンからの伝言を預かってるんだ」
 改造アクマが、元帥からの伝言を俺らに伝える。
 俺らを必要としているとか、そう予想したラビだったが見事に外れる。
 「もしこれを聞いて足手まといになるなら帰れとマリアンはいった。」
 日本、江戸、アクマの住処、Lv.3、か。
 すごい国になったもんだな。日本っていうのは。
 ミランダが、替えの団服をリナリーに着せる。
 「俺は、進む」
 リナリーの目を見るともう涙は消えていて決心している。
 こいつも…
 「私も行くわ。そうじゃないと今まで道となってくれた人の命をふみにじる事になる。」
 リナリーが立とうとする。だけど、足が震えていて立ち上がれそうにない。
 それをラビとクロウリーが立ち上がらせた。
 「俺も賛成」
 「うむ」
 「俺らもボロボロだけどさ。そこは、曲げちゃいかんよな。行こう。江戸へ」
 それぞれが立ちあがり道を決める。
 行こう、必ず。最初の目的は、元帥の護衛だ。江戸にいって見つかるといいがな。
 ルキアも望んでる。今、進むという選択を。
 俺らは、部屋へ戻る。改造アクマは、船を押す。
 なるべく早めに江戸までいかねぇと。
 ミランダのイノセンスに疲れが出てる。あまり長持ちは出来ないな。
 そういえば、リナリーの髪飾り、持ったままだったな。
 返さないと。
 「あ、あのルギア」
 「何だ」
 「話があるの」
 「…あぁ。」
 リナリーがさっきアニタから借りた松葉杖を持ち部屋の外に出る。
 部屋から出て開口一番に出たのが不思議な言葉だった。
 「ごめんなさい」
 俺には、なんで謝られているのか分からなかった。
 なんで俺謝られてるんだ。なぜ。
 「何が」
 「あのメイリンの時に、私、イノセンスの気持ちも知らずに自分勝手に色々いっちゃって…遅くなっちゃったけどいつかいわなくちゃって…」
 なんだ、まだあの時の事、気にしてたんだ。
 「別に。俺も言いすぎた所あったし、気にしてねぇよ」
 「うん…。」
 「後、俺からもあるんだけど。」
 「え? 何?」
 「これ。お前のだろ」
 ポケットからリナリーの手から落ちた髪飾りをリナリーに返す。
 リナリーが受け取るのを一瞬戸惑うが笑って受け取った。
 「ありがとう。」
 「それと、足の様子。どんな感じだ。」
 「うん。ちょっと痛いくらいで特になんともないよ」
 「そうか。シンクロ率がかなり低いからこれ以上無理するな。俺は、原石に戻すこと出来ないから。じゃあ。」
 「うん。」
 俺は、一通り話終わり部屋に戻る。
 開けたとたんに扉の近くで何か崩れる音がしたと思ったらそこにラビとクロウリーが倒れていた。
 「何やってんだ。お前ら」
 「い、いや、別に何にもやってないさぁ。」
 「そうである! 盗みk「く、クロちゃん!」
 「そうか…。」
 なんか怪しいが特に気にすることでもないだろう。
 それよりミランダの様子は…
 「ミランダ、体調は」
 「私は、大丈夫。私は、大丈夫…」
 涙をながしながら言葉を呟く。
 大丈夫そうじゃないな。人の為に流せるその涙が、俺には流せない。
 だから俺は、その涙がとてもうらやましく思える。
 俺に人間の事を悲しいと思う感情がないからいけないんだよな。
 イノセンスの為に涙は流せても人間の為には。
 —ルギアにも流せるよ。人間と同じ涙。だって私達と同じ感情があるんだから。
