二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブンGO〜なくしたくない物〜 コメントください! ( No.278 )
- 日時: 2012/02/07 06:38
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
- 37.俺なんていない方がいい 
 輝に言われて、念のため病院に来てみたものの、思わぬ結果が……。
 ユ(まさか………………………………………
 持病悪化まで来るなんて……しかも…………!)
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 「あの、悪化してるって、どれくらい……。」
 先「はっきり言ってしまえば、たいへん危険な状態です。」
 「……たとえば、具体的に、こういうことをしたら危険、とかいうのは、ありますか?」
 先「そうですね……とにかく、サッカーのような激しい運動は、止めた方がいいでしょう。」
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 サッカーは止めた方がいい。
 そういう意味だったよな、うん。
 はあ……ったく、いったいどうすれば……。
 ?「あ、シスコン兄。」
 ズゴッ。
 ま、まちがいない。俺のことをこう呼ぶ奴は、ただひとりだ。
 そう、この声、絶対……
 「おい、友撫、『シスコン』言うな。」
 友「だって、ほんとのことじゃんか♪」
 「おい;;」
 案の定。
 てか、やっぱり友撫って、もしや残酷?
 まあ、シスコンなのは認めるけどな! ←
 友「でも、なんでお兄がココに?」
 「いやぁ、INHURUENZAかもって言われたから、いちおう来たww」
 友「あー、流行中だよねぇ、INHURUENZAって。」
 超現実的なこと言う俺←
 超次元のハズなのにね←
 友「で、どうだったの?」
 「んとね、INHURUじゃなかったけど、持病悪化だとww」
 友「あー、やっちまったね☆」
 「まあな〜。」
 友「………………………………………で、お兄、どれくらい悪化してたの?」
 「えっ……。」
 友撫の一言で、すべてが止まった。な、なんか、すっごいまじめな質問だな。
 友撫の目も、まじでまじめだし。
 『もう、サッカーのような激しい運動止めた方がいいでしょう。』
 …………。
 「だ、大丈夫。サッカーできるていどだから。アハハ。」
 友「そうなの!? よかったぁ。」
 車イスにのった友撫が、ホッと胸をなで下ろす。
 ……友撫、ほんとに可愛い妹だよなぁ。
 「じゃ、そろそろ行くな。」
 友「あ、うん。ムチャしないでね。」
 「はい、はい。」
 俺は友撫にほほ笑みかけて、病院の出口に向かった。
 友撫に対してうそをつくことは、ちょくちょくある。それは、だいたい友撫に心配をかけないようにするためなんだけど、だいたい怒られちゃうんだよな、そういうの。
 今回のもそう。だって、サッカーできないって言ったら、そのときは言わないかもしれないけど、すごくショックを受けるだろうし、心配もすると思う。だって、4年前からかかっていたけど、ここまで悪化したのは、はじめてだから。
 「……あ。」
 俺は、あるとびらの前で立ち止まった。
 そこには、『雨宮 太陽』という板が。……元気にしてるかな、太陽。
 ちょっと入ってみようかな。
 「失礼しまーす。」
 太「えっ;;」
 俺は太陽の声もまったく聞かず、ガラッと扉を開けた。
 そこには、おどろいた顔をした太陽。
 太「って、なんだ、ユエかぁ。」
 「なんだと思った;; で、太陽、どうなんだ、調子は?」
 え? 俺と太陽が面識あるのかって? じゃあ、ちょっと説明するな。
 じつは、友撫のお見舞いに来たときに、友撫がこけそうになったとき、太陽が助けてくれたんだ。なんか、サッカーやるために抜け出そうとしたんだと。
 太「きょう退院。」
 「そっか。……新雲学園戦は、あさってだもんな。」
 俺は、ちょっと沈んだ声で言った。
 知ってると思うけど、太陽は、新雲学園の選手であり、10年にひとりの天才と言われてるんだ。
 「おたがい、いい試合にしような。『10年にひとりの天才』さんよ。」
 太「ユエなんて、『100年にひとりの天才』じゃんか。」
 うっ。た、太陽……恥ずかしい名前を持ってきよって////
 でも、まあそう呼ばれるときもある。超恥ずかしいけどな//////
 太「すっごく恥ずかしそうだね((クスクス」
 「〜っ///////たぁ〜いぃ〜よぉ〜うぅ〜っ////」
 太「アハハハハ。あー、ユエの赤面おもしろいww」
 「俺はおもしろくないんだ////」
 太「アハハ……そろそろ行ったら?」
 「おう、行かせてもらう。じゃあな。」
 〜月曜日 練習終了後〜
 輝「ユエー、一緒に帰ろう?」
 「お、いいぜ。」
 狩「えー、俺がユエと一緒にかえr ユ「止めろ、マサキ、恥ずかしい!」ヤダ!」
 「一緒には帰らない。ほら、行くぞ輝!」
 俺は輝の手を引いて、河川敷に向かって歩きだした。
 ちょっと、河川敷に寄りたい気分だった。
 〜河川敷〜
 輝「どうしたの? 急に狩屋のこと避けたりして……。」
 「避けてるんじゃない。にしても、きょうの練習は、一段と気合い入ってたなぁー。」
 輝「新雲学園戦が近いしね。そりゃ、力も入るでしょ。」
 「そんなもんかねぇ。」
 最初は、かなり軽い話題だった。輝のおとなりさんのネコの話しだったりとか、俺が来る前の天馬たちのようすだったりした。
 でも、俺のひとことで、空気がずんと重くなった。
 「輝。」
 輝「ん?」
 「もしかしたら……
 みんなと一緒に、決勝には行けないかもしれない。」
 輝「えっ……?」
 よく分からない、という感じだった。そりゃあ、こんなこといきなり言われたら、誰だってこんな反応だろう。
 輝「ど、どういうこと? 雷門は、決勝まで行けないかもしれない。そういうことなの? ねえ、ユエ?」
 「そういう意味じゃない。」
 輝「じゃあどういう……。」
 「……もしかしたら、家の都合上、でれなくなるかもしれない。……そういうことだ。」
 輝「そんな……一緒にでたいよ、ユエと。とちゅうからだったけど、大切な仲間だったもん。」
 輝……そんなふうに言ってくれたの、いつ以来だろうな。
 「ありがとう、輝。でも、俺なんていない方がいいんだよ。」
 俺は立ち上がった。真正面に夕焼けがあって、すごくまぶしい。
 輝「ユエ、何言って……。」
 「輝、雷門のみんなは、絶対俺がいなくても優勝できる。頑張れよ。」
 俺はそう言って、輝をおいて、お日さま園に向かって歩きだした。
 〜輝目線〜
 『ありがとう、輝。でも、俺なんていない方がいいんだよ。』
 ユエの言ったこと、まだ脳裏に残ってる。
 あれ、いったいどういう意味だったんだろう?
 どんな意図があったんだろう?
 なにか深い意味があったのかな?
 あのときのユエの顔、全然見えなかった……。まるで、見られるのを拒んでいるみたいだった……。
 輝(ユエ……いったいなにがあったの?)
 おれは、心の中で、自分に問いかけた。
