二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 復活 復讐のインフェルノ 1-1更新 2/2 コメ求む! ( No.15 )
- 日時: 2012/06/21 18:12
- 名前: 風猫(元:風 ◆Z1iQc90X/A (ID: 68i0zNNK)
- 葵へ 
 いっそ完全に改変orz
 久しぶりにここに来たよ♪
 そらへ
 本当はここの住人だったのさ★
 面白いって言って貰えて嬉しい^^
 レッドさまへ
 お久しぶりです。
 忙しいので覗くのは時間かかると思うけど、行くよ♪
 月那さまへ
 OKです! すぐにとは言わないけど絶対いきます!
 ————ここまでは、読者様への返答です。ここからは本編へ————
 第一章:崩壊と新たなる罪
 第二弾「一つの弾丸が一つの魂を奪う<二頁目>」
 (ユラ アスカ視点)
 "自分のことを滑稽だと思っているだろう? 正義とか振るおうと思ってるのに、マフィアに居て血を愛して”
 ジンジャーブレッドの口唇が震える。小さな声で私がもっとも嫌がる、自身の醜い部分を突きつけてくる。
 相変わらず魔女のようなやつだ。言葉巧みで他者を傷つけるのに容赦画がない。私はこの男が限りなく嫌いだ。
 「何のつもりだ? 私は血を愛しているわけではない」
 「あはぁ、甘い甘ーぃばぁー。それじゃぁ、いけないなぁ? もっともっと闇を愛さないと?」
 図星を指された焦りからか、私の口調は早口で厳しいものだった。この程度のことで動揺するなど情けないにもほどがある。そう、叱責しながらなるべく強がって、憮然とした態度で挑む。
 そんな私のざまを見たジンジャーブレッドは粘着質な笑みを浮かべて私のわき腹を弱くつついた。どうやら、私の焦燥感に満ちた表情を見て何がしかの溜飲が下がったらしい。
 奴は私に興味を無くしたのか、あっさりと踵を返し退室した。
 「何の任務だい?」
 投げやりな口調でアイリスが問いかけてくる。
 
 「裏切り者の抹殺だよ」
 そんな彼女の問いに私は心底面倒そうに答えた。相手の実力から察するに、これといった準備は必要ないだろう。場所もそう遠くない。さっさと終わらせて寝よう、そう考えて私は歩き出した。
 ◆
 「ここか」
 ボックスの力を使い高速移動すると、基地から二時間程度で目的の場所へと到着した。時計を見ると時間は三時半を回った所だ。さっさとおわらせよう。ジンジャーブレッドのせいで荒波だったこの心をぶつけるようにして、一瞬で抹殺してしまえばいい。
 そう言い聞かせて私は反逆の徒“元B級戦士”グラヴィスの討伐へと乗り出す。敵は一人。手負いの格下。楽すぎる。そもそも、ボックス兵器も破壊されていると言うし、もう彼の末路はすでに崖っぷちだ。なぜ、こんなむちゃくちゃな謀反を起こしたのか理解に苦しむ。
 「紅雪大狼」
 私は自らのボックス兵器。全ての凍結を司る新たなる属性、雪を宿す狼を召還する。現れた狼は敵を威嚇するような遠吠えを上げて、豪奢な五階建ての洋館を瞬く間に氷結させていった。これで人の手で逃げられる場所はない。後はゆっくり蹂躙すれば良い。
 「ここが最後の部屋だな」
 服ともいえぬぼろ布に身を包んだ痩身の無精ひげ。外見情報は依頼書に完全に一致している。間違いなくこいつだ。
 「四面楚歌、劉備のようにはいかないだろうな」
 穏やかな表情を浮かべているグラヴィスと思しき男。どうやら自分の謀りは最初から失敗すると、わかっていたようだ。証拠に彼が反逆してから経っている時間は短い。相貌通りの賢い男のようだ。行動こそ愚かしかったが、我慢し切れなかったのだろうと結論付ける。
 まこと哀れなことだ。
 「そうだな。ここが貴方の人生の終着駅だよ。何でこんな無謀なまねを」
 ゆえに私は気になった。脳内では結論付けていたが今ひとつ釈然としないのが現実だから。すると彼は手を上げ笑みをこぼす。
 「はははははははは、まったくだ。あの人に逆らうなどおろかなことだ」
 グラヴィスの顔に深く滲む自嘲の笑み。
 「「だが、粋な事だ。最後に七弔花の紅一点、絶世の美女と歌われる由良明日香君に会えるとは」
 「そうか、良かったな」
 美人と言われるのは慣れている。適当に受け流し彼の言葉を聞く。最後の言葉ぐらい聞いてやるのが、私の中にある善人としてできることだから。
 「しかし僕と君は似ている。家族を殺され助け主と騙され育てられ、使い捨てにされていく。そんな中、彼の嘘に気付き復讐を誓った」
 「黙れ!」
 冷静に聞く自信が有った。だが、彼の言葉に私は憤怒してしまったのだ。いままでの裏切り者とあまりに違ったからだろうか。彼は善人としての意思を持っている。この空虚で汚い世界に終止符を打ちたかったのだろう。私と似ている。覚悟が揺らぐ。それが腹立たしい。だが、グラヴィスはなおも続ける。
 「だが、君と僕には違いが有った。先ずはその類希なるセンスの差……そして、復讐するタイミングを冷静に待つことの出来る悠然とした精神!
 それは日本人特有の落ち着きなのか? 羨ましい事だ。僕は敗北者だ」
 慟哭という言葉がまさに相応しい、グラヴィスの剣幕。あぁ、この人は私と同じだった。そう、思えた。
 「その通りだ! 敗北者はこれ以上喋るな!」
 だからこそこれ以上喋って欲しくなくて、銃口をグラヴィスの額に突きつける。トリガーを引けば終わりだ。
 「そう思うなら直ぐに撃てばいいのに。頼む。明日香、僕達の。白蘭の被害者の希望になってくれ」
 消え入るような声でグラヴィスは私に思いを託す。私は言われなくてもそのつもりだと、了承の念を表すため顔を縦に振った。
 
 「しかし、白蘭も最後の最後で粋な物だ。氷付けの洋館に銃を持つ美女ヒットマン。まるでB級映画のワンシーンじゃないか?
 ふふっ、僕はこのシチュエーション意外と気に入ってる。さぁ,撃て」
 それが彼の最後の言葉だった。私は引き金に力をこめる。乾いた音とともに銃弾が射出されグラヴィスの脳髄を打つ抜く。
 鮮血が舞う。彼は言葉を止め椅子から崩れ落ち、私の力で凍りついた床を血の赤で染めた。
 悲しいはずだ。苦しいはずだ。しかし、血の赤を見ていると何だか心が騒ぐ。
 「うひゃ…うひゃははははははははははは! 気持ち良い!」
 ジンジャーブレッドの問い。私は嫌いではないと答えたな? 嫌いならこんな残酷な仕事はできないと。
 本当は大好きだ。この赤が。この死の臭いが! 家族の復讐を誓った女が滑稽なことだ!
 所詮魂一つ銃弾一つで奪えるから、私は冷たくなったのか?
 「父さん。母さん。兄さん。こんな私が復讐をする資格は有りますか? こんな血に罪に穢れた私が——」
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