二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 魔天使マテリアル<悪魔と人間のはざまで> ( No.19 )
- 日時: 2012/02/25 18:25
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
- 2.分かった 
 予「サーヤさん。」
 サ「なに、予知睡さん?」
 予「放課後、サーヤさんって、あいてますか?」
 サーヤは、予知睡の問いに、黙りこんでしまった。きょうも、小学生マテリアルのみんなで集まるため、あいていると言ってはうそになる。
 けれども、クラスメイトが声をかけてくれたんだし……。
 サ「ご、ごめん、きょうは、ちょっと……。」
 予「そっか……。あっ、じゃあ放課後、理科準備室に連れて行ってくれないかな?」
 サーヤは思わず「えっ!?」と声をあげた。
 放課後に理科準備室。となると、小学生マテリアルの集合時間と集合場所である。と、いうことは……
 サ(も、もしかして、予知睡さんもマテリアル?)
 予「? サ、サーヤさん?」
 サ「い、いいよ! 案内してあげるねっ。」
 別に理科準備室まで案内するくらいいいだろう、と思って、サーヤはOKしたが、このあと、予知睡の予想もしないすがたを、見ることになる——。
 ☆放課後☆(作者のマテリアルだy((蹴
 サ「ねえ、もしかして、誰かに呼ばれたの?」
 サーヤは、理科準備室に向かっている最中、予知睡に聞いてみた。予知睡は、「うぅ〜ん。」と言ってから、
 予「そうだよ。たしか……雫沢先生、だっけ?」
 サ「そ、そうなんだ……。」
 予「えっ、サーヤさんは、意外だった?」
 いきなりの予知睡の意図の読めぬ質問に、つまるサーヤ。
 しかし、予知睡はクスクスと笑い出した。思わず赤面するサーヤ。そのことで、胸元のペンダント……レイヤの怒りのゲージが、一段階上がった。
 サ「え……////」
 予「そ、そんなにおどろかなくてもいいのにね……クスクス……。べつに、深い意味はないよ。」
 サ「そ、そうだったの。ビックリした……。」
 予「なんて言ってる間に、理科準備室到着だよ。」
 サ「えっ。」
 予「開けるね。」
 サ「えっ!?;;」
 サーヤがおどろく間もなく、予知睡はガラッと扉を開けた。中に先に来ていた、徹平と志穂がこちらをふり返る。もっとも、徹平はふり返ったあと、ほおばっていたお菓子をのどにつまらせてか、ゴホゴホとむせていたが。
 サ「リ、リーダー、大丈夫ですか?」
 志「べつに気にすることありません。いつものことじゃないですか。」
 志穂が冷たく言い放つ。
 しかし一方で、志穂も予知睡が気になるらしく、チラリと予知睡を見た。
 サ「あのね、予知睡さん、この人たちは……。」
 予「ふう……、雫沢、こいつら、ほんとうにマテリアルなのか? ずいぶんとさわがしい奴らだが……。」
 サ「えっ……!?」
 サーヤは、予知睡の言葉に、思わずしりぞいた。まさか、予知睡の口から「マテリアル」という言葉が出てくるとは……。
 予「なんだ、立花。意外か?」
 サ「え、あの、予知睡さん……。」
 予「予知睡『さん』やめろ。下の名前で呼んでいい。」
 志「沙綾さん、なんなんですか、この人。」
 志穂が、予知睡を睨みつける。
 しかし、予知睡はそんな志穂を完全にむしし、圭吾先生に質問した。
 予「で、雫沢、なんで僕を呼び出した?」
 サ「ぼ、ぼ、ぼ、僕!?」
 サーヤはおどろきの声を上げた。
 予「う、うるさいな。文句あるか?」
 サ「お、お、お……女の子かと思ってた……。」
 予「最悪……。」
 予知睡は、頭を抱えた。そのようすに、理科準備室のとびらを開けてからのあの強気な予知睡からの落ち込みようを見ていると、ずいぶんショックを受けたらしい。
 予「まあ、いいや。……雫沢、窓開けろ。」
 圭「はい、はい。」
 圭吾先生は言われたとおり、窓を全開にした。
 予「ちょっとあっち向いててくれ。」
 全「なんで?」
 予「む・い・て・ろ。」
 全「はい。」
 予知睡が低い声だったので、圭吾先生以外、全員うしろを向いた。
 ヒュンュと音がしたと思うと、なにかの生き物の断末魔が、部屋に響いた。
 思わずサーヤがふり返ると、ほんの一瞬だったが、予知睡の瞳が、むらさき色に見えた。
 しかし、それはほんとうに一瞬。すぐに瞳の色は、元に戻っていた。
 予「おい、なんでこっち見てる。」
 サ「えっ;;」
 予知睡に睨まれて、サーヤはこうちょくする。理科準備室前に来るまでの予知睡では考えられない行動の数々に、かたまるばかりだ。
 だが、これにとうとう怒りをためすぎた人間がいた。
 レイヤだ。
 レ≪いいかげんにしないと、おまえのその頭にぶち込むぞ≫
 サ「レ、レイヤ君!」
 予「ふうん……このペンダント、しゃべれるんだな。」
 予知睡は、レイヤがしゃべったことに、少しおどろいたようだった。
 だが、レイヤはまったく関係のないことを言われ、ますます怒りのゲージが上がる。
 レ≪おまえ、いいかげんに……!≫
 雫「まあまあ! 落ちついてくださいよ、もう……。」
 圭吾先生が制したことで、なんとかふたりの言い争いはストップした。みんなも安どのため息をつくが、そう落ちついてはいられない。予知睡がよゆうの態度のため、レイヤの怒りもますます増していく。
 予「? なんだ、ペンダント。」
 これにはさすがに、サーヤもムッとしたので言い返す。
 サ「この子はレイヤ君。わたしの双子の弟なの。ペンダントじゃないよ。」
 予「しかたないだろう、名前知らなかったんだから。まあ、そんな感じかとは思ってたけど。
 その様子じゃ、レイヤ『君』は立花頭が上がらないみたいだな。」
 サ「今、立花って……。」
 予「『さん』づけする必要がないからだよ。それより、雫沢、早く本題に行け。また悪魔が現れたんだろう。」
 全『悪魔!?』
 みんなは、圭吾先生をふり返った。圭吾先生が、首を縦にふる。
 予知睡はそれを見て、ふうと大きなため息をついた。
 予「その様子じゃ、相手はずいぶんと手強(てごわ)いみたいだね。上級悪魔?」
 雫「手強いは手強いのですが、実際表に現れたのは、下級悪魔です。裏に上級悪魔がひそんでいる可能性も、大いにありますが……。」
 志「どこに現れたんですか?」
 志穂の問いに答えたのは、圭吾先生ではなく、予知睡だった。
 予「場所は神舞町デパートの3〜5階にかけて。症状としては、いきなり人々が倒れ、貧血症状をうったえている。そうだろ?」
 雫「さすが、予知睡君。みごと大当たりです。」
 圭吾先生がほめたのに、予知睡は当然のようにすましている。これが気に入らなかったのは、かつてレイヤとも険悪状態になった徹平だった。
 徹「なんで分かったんだよ。圭吾先生、なんも言ってなかったじゃん。」
 予「そんなの、いずれ分かりますよ。ほら、行きましょう、徹平『さん』。」
 予知睡はふいとそっぽを向いて、とびらに向かって1歩踏みだした。
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 >>>ジュエリーさん
 参照700越え!? すごいですね!
