二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜オリキャラ募集中&800越え ( No.159 )
- 日時: 2012/10/03 06:31
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ftamISp/)
- 参照: http://www.nhk.or.jp/ncon/
- 二話 「思い出した……んか?」 
 「ふう……。」
 「いってらっしゃーい、みなさーん♪」
 友撫、それ、確実にきこえないから。てか、こいつは寝言なのか? 目をばっちりつぶってるんだけど。俺は起きてるんですよ。
 あっと……いまの状況説明。
 まず、わけありまして、ジャンヌのおかげで誤解がとけて、いまは城の中の一部屋にいるわけですね。んでもって、シャルル七世とやらに、援軍をたのみにいくってことで、護衛で、天馬、信介、剣城、フェイ、黄名子、そして、霧野先輩がついていったわけですな。うん。
 そして、俺たちはお留守番。
 (とりあえず、ヒマだし散歩でもするか。)
 俺は起き上がり、部屋をしずかにでる。かなり朝早くて、だれも立っていない。だれもいないんだったら、外にでもいくかね。
 外の林につくと、ひと息ついて、木にもたれかかる。
 「なんか、めんどうくさいところをまわってる気がするんだけどなあ……。ん?」
 俺は気配を感じて、ふりかえった。サッと顔をかくしたらしく、髪がなびいたため、すぐにだれかわかった。
 「いつからそこにいたんだ? 母さん。」
 「あら、やだわ。もうバレちゃったの? つまらない。」
 林の影から出てきたのは、長い黒髪をポニーテールにした女のひと。まあ、さっきいったとおり、俺の母さんだ。
 「なんでこの時代にいるんだ。」
 「なんでって、わからないの? タイムブレスレットか、エルドラド側についたかしかないじゃないの。まあ、ここまでいえば、あなたのことだし、予想はつくと思うけどね。」
 「なるほどな。でも、理由がわからない。なんでなんだ? 母さんが奴に協力する理由は、どこにもないはず。ましてや、協力なんて……。」
 俺のセリフに、母さんはくすくすわらいだす。
 「わからないの? とうぜんのことをいわせる気なのかしら。」
 「……俺には理解できない。なんであいつの味方につくのか。たとえ夫婦だからといって、そこまでやる必要はないんじゃないのか?」
 「あら、あるわ。わたしはあのひとに忠誠を誓ったんだもの。あなたは、父親と母親にさからっているようなものなのよ?」
 「俺は、あんたたちにしたがう気はない。」
 「ひどいわねえ。親にむかってあんたとはなんなの。」
 母さんがいっても、なんか説得力ねえけど。まあ、べつに俺は、半分どうでもいいけどな。
 それよか、母さんいっちゃうんだけど!
 ていうか、母さん、もういっちゃってるし……;;ひとの話は最後まできけよ。って、俺がどうでもいいっていったんだっけ。
 「ったく、あの親は……。ほんっとに俺のまわりには、ああいう奴ばっかり!」
 「わっ。」
 なんだ、なんだ!? だれだ、いま声をあげたのは。
 俺がふりかえると、そこには……輝かよ。
 「ビビッたー……。」
 「ご、ごめんね、いきなり。びっくりさせちゃったよね。」
 「ん……だ、だいじょうぶだ。」
 なんか、慣れないな。輝にこんなふうに話しかけてもらったこと、なかったし。
 せめて思い出してくれれば、まだたしょう楽なんだろうけどなあ。
 「ねえ、ユエ。」
 「どした、輝。俺になんか?」
 「ユエって、ほんとは『ユエ』じゃなくて、風花なんだよね?」
 「そうだけど……それがどうかしたか?」
 「会ったことあるよね、おれら?」
 ……思い出したんですか、はい。
 ありますぜい、あしかにありますぜい。
 「あるけど……思い出したのか?」
 「うん。ちょっとまだボヤボヤしてるし、なんか実感わかないんだけど……。」
 「まあ、そりゃあそうだろうな。さっきまで、すっかりわすれてたわけだからな。……うん、そりゃ、違和感バリバリだよねえ。」
 だめだ。俺じゃフォローできん。
 「あっ、やべっ。ごめん、俺、ちょっとノート書かなきゃだから! じゃっ。」
 「えっ、ちょ、風花!?」
 俺は角を曲がり、お城の中に入っていって、おおきくため息をついた。あー、輝から逃げるのも、案外楽じゃないな。ノート書かなきゃってのは、ほんとうなんだけど。
 みんながまだねむっている部屋に入り、ガラスのないまどみたいなところの近くでノートを書いていると、なんか、だれかに見られている気がしてきた。なんか……すっごく感じたことのある視線なんだけど……。
 「なにしてるんだ?」
 「わあっ。」
 なんか、いきなりうしろから、声かけられたよ。
 俺はびっくりしてふりかえり、声をかけたのが神童先輩とわかって、やっと安心して、安堵のため息をついた。
 「ビビったー……。いきなり、声かけないでくださいよ、神童先輩。」
 「わ、わるい。それよか、なに書いてるんだ?」
 「ああ、これですか。いまのところ、俺のほうでわかってる情報です。整理しないと、わけわからなくなるんで。」
 「へえ……。」
 サッ
 「あっ。なんで見せてくれないんだよっ。」
 神童先輩がのぞき見しようとした瞬間、俺がどけたから、なんか神童先輩おこっちゃったし。
 「すいません……ん?」
 俺はまどの外を見て、顔をしかめた。
 「…………すみません、ボールかしてください。」
 「ん、ああ。はい。」
 俺は受けとった瞬間、まどの外の林にむかって、思いっきりボールを蹴った。なにかに激突したあと、ブッたおれた。
 「!?」
 「ちょっと失礼します。」
 俺はにっこりわらうと、林のほうにジャンプ。てか、降りた。とんっと軽く着地して、たおれた奴のえりもとをつかみ、ひきずりながら、部屋にジャンプしてもどってきた。
 神童先輩は、俺がもってきた人間を見た瞬間、ぎょっとした。
 「だ、だれ……?;;」
 「相崎竜夜(りゅうや)っていいます。」
 「お、おれをむしして話をすすめるんじゃねえよ、月流ー……。」
 相崎がくるしげにうめいた。どうしたんだろうね、相崎くんは((ニコッ
 「ったく、なにサボってんだよ。」
 「働いてるわ! つか、なんかここ、ぜんぜん集まらんのだよ。」
 「この時代にいるおまえがわるいんだろうが。」
 「んだと!?」
 こんな感じのケンカを、神童先輩はあたまをかかえながら見ていた。
 あたまいたくなるのも、むりないでしょうな。
