二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜2章2話更新&500越え ( No.58 )
- 日時: 2012/08/14 20:08
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
- 五話 「ピンチきた——!」 (うろおぼえなんで、ぜんぜんちがうと思います;;) 
 「お兄、すごーい! ほら、お城があるよ、お城が!」
 「そりゃあ、安土・桃山時代だからな。城くらいあるだろ。」
 にしても、はじめて生で城を目の当たりにしたなあ。こうやって造られたばっかりで見てみると、天守閣って吹き抜け構造なんだってことが、ようわかるなぁ……(←どうでもいい)。
 「俺、信長っていわれたら、蘭丸しか思いあたらないんだよなぁ……((ボソッ」
 「えっ……。」
 あ、しまった。神童先輩に反応されてしまった……;;
 「いや、そうじゃなくて! 森蘭丸っていう、信長の小姓ですって!」
 「ぬあに!? 蘭さまはイズコ!?」
 「いやいや、ここにはお召しにならんと思うぞ。」
 友撫……『信長と蘭丸』に洗脳されすぎだよ(後々どういうもんかお伝えしまふ)。まあ、みんなにはわかんないだろうけどさ、友撫がびみょうに腐り始めてること。
 そういえば、『信長と蘭丸』がきっかけで腐り始めたよなー……おそるべし『信長と蘭丸』。
 「友撫、洗脳されすぎ。」
 「あうーんっ。だって信蘭サマ最高じゃん♪」
 (……ん?)
 あ、なんかみんなの顔がゆがんだ。つか、「ん?」って思ってるんだろうな、みんな。気づきはじめたか……。
 「もう、『戦国鍋TVまさかの一周年 調子に乗ってCDまで出しちゃいますライブ』のときなんて、生信蘭さまに、もーキュンキュンしちゃった〜。ライブのときなんかさあ……。」
 「!? びびび、びっくりした……。」
 「ぬあぁ!? みんなの服が江戸時代風に! って、友撫もだ。」
 「いやぁあああぁあ!」
 俺は思わず、断末魔の悲鳴をあげた。
 な、な、なあ……!
 「なんで女子用にするんだよ、ワンダバ——ッ!」
 「え、いやなの?」
 いつからワンダバはそういうキャラになった。崩壊だぞ、おいごら。
 「いやだわ! つーか男子用くれ! さもなくば、ファイアリの必殺シュート・103をお見舞いするぞ!」
 「なにその数字! ていうか、100越えてるって、ちょ!」
 うるさいぞ、天馬! デタラメにいってるだけだ!
 と、そのとき、服装がパッとかわった。おお! 普通の男用の着物だ! 俺好きなんだよな、男用のほうが。
 俺は髪をサッとピンでとめ、
 「じゃ、城下町へレッツ・ゴー♪」
 城下町のほうに降りていくと、もう商売繁盛って感じ。なんか、超盛り上がってる。
 「♪らーくいち らくざは ノーサンキュー♪」
 「友撫、やめろって。」
 「友撫ちゃん……?」
 まあ、おまえらが疑問に思うのも、むりないけどな。
 にしても、信長スゲーなー。こんだけ城下町を活気であふれさせるとは……。いやあ、この時代でいちばんにぎやかなんじゃねえのかな。
 「とりあえず、わかれて情報収集をしよう。」
 「じゃあ、友撫は天馬さんたちと♪」
 「じゃあ、風花は……。」
 「俺はひとりでだいじょうぶだよ。いざとなったら、自分の身は自分で守るし。」
 刀持ってるし←
 いや、マジでね。
 「わかった。よし、じゃあだいたい決まったと思うし、解散しよう。」
 「「ああ。」」
 ☆
 「おー、活気であふれてるなあ。」
 俺は城下町をブラブラしながら、町の風景をながめていた。あちこちから客をよびこむ声が聞こえるし、なにより繁盛してるってのが、またなあ。
 「旦那さま、これ、どうです?」
 「ん?」
 俺は、よびとめられてふりかえった。そこには、野菜を売っている、俺と同じくらいの少女がいた。でも、なぜに旦那……あ、そっか。この時代は、まだ男の人に対する、女の人の遠慮ってもんがあるから、同じくらいの年齢でも、気ぃつかわなくちゃいけないんだな。
 「なんですか?」
 「こちらです。こちらの大根は、ついさっき入れまして……あら? 旦那さま、お目にかかったことのないお顔ですが……。」
 「ああ、旅の者でして。失礼ながら、金もそうありませんので、失礼いたします。」
 俺はそうあっさり断ると、にこっとわらって、少女の店からはなれていった。
 ふうっ。ていうか、あんなこととっさにいっちゃったけど、だいじょうぶ……だよな?
 「あ、そろそろいったほうがいいかな。」
 俺は河原のほうにむかってかけだした。
 ☆
 「あれ? 天馬と……だれだ、あれ?」
 俺が河原あたりにくると、天馬たち全員と、見知らぬ女の子がいた。
 「天馬。」
 「わっ!? 風……ユエ! びっくりさせないでよぉ……。」
 「悪い、悪い。ビビらせるつもりじゃなかったんだよ。」
 俺はそういい、女の子をチラッと見てきいた。
 「天馬、このかたは?」
 「この子は、お勝さんって、お豆腐屋さんをやってるんだ。」
 「へえ。俺は月流ユエっていうんだ。よろしくな。」
 「はい、よろしくおねがいします。」
 お勝さんはそういい、にこっとほほえんだ。か、可愛いんだな……。看板娘じゃん。
 「あっ、あれは……。」
 「え?」
 お勝さんが見た先を見てみると、なんか馬に乗ったいろんな人がくる。つか、旗がなんかある。
 「みなさん!」
 お勝さんの緊張混じりの声に、ハッとして見てみると、お勝さんはひざと手を地面につけて、お辞儀の態勢。俺たちもあわててその態勢に入る。
 神童さんとお勝さんの小さな小さなしゃべり声が、俺の耳に入った。
 「あれは?」
 「信長さまです。」
 あれが……。
 信長が真正面を通るとき、食べものをさしだした人がいた。その人のお盆に載った食べものを、信長の部下っぽい人がとると、信長まで持ってきた。信長はまあなんとも豪快にとり、豪快に食うと、
 「うまい!」
 と声をあげた。
 なんかほめ言葉いったあと、俺たちのあたりまできて、信長が声を発した。
 「おまえたち、見ない顔だな。なに者だ。まさか、今川の手先ではなかろうな?」
 ……やばい。
 これ、ピンチ……だよな!?
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 戦国鍋TV
 ・なんとなく歴史が学べそうな映像をお送りしている。
 『信長と蘭丸』というのは、その番組のなかにでてきた、ひとつのアイドルユニット。はっきりいってBL系でした。
