二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ) ( No.819 )
- 日時: 2012/10/01 17:18
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
- 短編1の続き(健太視点) 
 夜11時になり、ミソラタウン駅前でバン兄さんが出るのを待っていた。
 「遅いな・・・・・・」
 CCMの画面を見ながら、時間を確認する。
 時間は11時05分・・・・・・終電の時間になってもおかしくないはずだ。
 「何やってんだろ・・・・・・」
 そう言って呟いたその時、聞き覚えのある声がした。
 「バンさん、しっかりしてくださいよ」
 振り返ると、アホ毛の青年がバン兄さんを背負いながら励ましている。
 その様子だと酔っ払っているらしく、寝てしまったのかという感じだ。
 やっとの思いで改札口を通り過ぎたところ、バン兄さんたちのところに駆け寄る。
 「ヒロさん!!」
 「おっ、健太君・・・・・・久しぶりだね、あれから怪我はどう?」
 「大丈夫ですよ、誘拐事件から約2ヶ月くらい経ちますもんね」
 俺は元気そうな姿を見せながら笑って応える。
 ヒロさんも満足そうに頷き、背負っているバン兄さんを見つめた。
 「バンさん、かなり飲んだらしくてさ・・・・・・」
 「えぇ、また?」
 また飲みまくったのか・・・・・・どうりで迎えに行って来いって言った理由が何となく分かった。
 バン兄さんを背負って帰るしかないということか。
 「うん、相当飲んで寝ちゃったんだよ。何度も起こしたんだけど、なかなか起きなくてさ」
 「起きないってことは記憶が飛ぶまで飲みまくったということになるよね?」
 「うん・・・・・・」
 どうりでブラックアウトしてもおかしくないはずだ。
 記憶が飛ぶほどまでに飲みまくるのは良くないと思ったのか、バン兄さんを引き取ることにした。
 「ヒロさん、兄貴のことは俺に任せてください」
 「うん、健太君に任せようかな・・・・・・」
 そう言った瞬間、バン兄さんが呻きながら起きる。
 「んぅ・・・・・ヒロォ?」
 「はい、ミソラタウンに着きました」
 ヒロさんがバン兄さんに向かって溜息をついて応える。
 かなり酔っ払っていることが伺えた。
 「そっかぁ・・・・・・」
 眠そうな目でヒロさんを見て安堵したのか、また寝入ってしまった。
 穏やかな寝息を立てて、気持ち良さそうに寝ている。
 「バンさん、健太君が迎えに来たことに気づいてないね」
 「そうですね・・・・・・」
 苦笑しつつも、ヒロさんからバン兄さんを受け取って背負う。
 「よっ・・・・と」
 兄さんの身長は185cmだから、余計に背負うのが重いと感じる。
 酔っ払って帰ってくることには慣れていたが、こういった場での迎えは初めてだった。
 「じゃあ、バンさんによろしく言っといてね」
 「はい、それではまた」
 ヒロさんと別れて、帰路についた。
 数分後、河川敷を通りながら歩いていた俺はバン兄さんを背負いながら見つめる。
 かなり飲んだのが効いたみたいだから、まだ寝てるみたいだと察する。
 「バン兄さん、しっかり歩いてよ」
 「んー・・・・・・」
 酔っ払っているのか、まだ目覚める気配はない。
 それでも、歩いて帰るのが面倒になったのか放っておいた方が良いと思ってしまう。
 バン兄さんは俺のことをどう思っているのか知らないけど、酒を飲まなければ優しい人だと思っているし、かけがえのない存在でありたい。
 「まったく・・・・・・」
 飲み会で遅くならなければ、こんなことにならずに済んだかもしれない。
 それでも酔っ払って帰ってきては、家の廊下で寝てしまうことが多い。
 「兄さん・・・・・・」
 そう言って呟いた時、眠そうに身じろいだ。
 バン兄さんを見て驚く。
 「んぅ・・・・・・あれ、健太ァ?」
 俺の背中でおぶさられていることに気付いたのか、寝惚けたようなしぐさをして眠そうに見つめた。
 バン兄さん、飲み過ぎだということを自覚してほしい。
 「そうだよ、迎えに来てやったのによく寝るよな」
 「うるせーほっとけ、中学生が迎えに来ていい時間じゃないだろォ?」
 そう言いながら、眠そうに歩いて応えてくれる兄さん。
 確かに中学生が出歩いていい時間ではない。それでも、母さんに言われて行ったんだけどね。
 「実は母さんに言われたんだよ、代わりに迎えに行ってやれって」
 「だからって、こんな時間に悪ガキを行かせていいわけじゃないこと分かってんのかぁ?」
 母さんのことを思い出しながら、ため息をついた。
 背負いながら歩いている俺を見つめる兄の眼差しが気になった。
 「どうしたの、兄貴?」
 「あー別になんでもないよ・・・・・・」
 ヒックと呻きながら、自分を背負っている俺の姿を見て応える。
 何が言いたいのかというところまでは分からなかった。
 「健太、背負うの疲れてないか?」
 「ううん、大丈夫だよ・・・・・・」
 確かに背負いながら歩くのがキツい。
 それでも、酔っ払いを介抱しなきゃいけないから大変だ。
