二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.306 )
- 日時: 2012/10/20 20:43
- 名前: このみ (ID: 8keOW9sU)
- 第24Q 「なつきの試合」 
 マネージャーの仕事は、たくさんある。
 マネージャーは私とさっちゃんの二人だけだから、余計に。
 しかも、さっちゃんは料理ができない=スポーツドリンクが作れない。
 だからスポーツドリンクは、私がバスケ部員全員のを作る。
 洗濯も部員の量が半端なく多いため、洗うのも干すのもどちらも大変だ。
 それに加え、さっちゃんは、選手の未来の分析ができるから、選手の育成の方にまわる。だから、洗濯なんてやっている暇はない。
 結果的に言うと、雑用的なことは全部私がやっている。
 その雑用が終わると(終わってよかった……)、私は2軍、3軍の育成に取りかかる。
 さっちゃんが用意してくれた未来のデータを見ながら、選手たちに的確な指示をしていく。
 それを自分で作った過去のデータと照らし合わせ、一週間でどのくらい成長しているか、また、成長のスピードを割り出す。それを細かくノートに書き込む。一年半で、何十冊ものノートを使った。もちろん全部のページが字でびっしりと埋まっている。
 一人一人やらなければいけないから、これらの仕事をスムーズにやらなければならない。できなければ、夜になるのは間違いない。
 今日もスポドリを作り、洗濯をしている間にタオルを用意し、ボールを磨き、汗で濡れた床を拭き、選手たちの育成を行い……。
 一年の時は、ここまでやるともう動けなかったが、二年目になると流石に慣れた。慣れって恐ろしい。
 まあ慣れたと言っても、疲れはするもので。監督に許可をもらって、次の仕事まで体育館のはじっこで休ませてもらっていた。
 もちろんただ休む訳じゃない。選手たちの様子を見ながら、ノートに次々書き込んでいく。動かないだけでも、かなり休まるものだ。
 そう、動かないだけで。休まる。休まる、のに。
 征くんの、アホ!
 『なんで……私が……』
 「俺の言うことは絶対だ」
 『……わかってる、けどぉ……』
 どうして私が、涼ちゃんの相手なんかしなきゃいけないのっ!?
 負けるに決まってるじゃない……。
 「なつきっちって、バスケできたんスね!」
 「なっちゃんはね!昔から大ちゃんの相手してたんだよ!!凄いでしょ!!」
 「なんでさつきが自慢してんだよ……」
 それは昔でしょ……。確かに相手はしてたけどさ……。
 今はしてないよ!!私もう一年くらいバスケしてないよ!?
 体育の授業でしたりはしたけど本気だしてないしっ!
 「なつき、命令だ。黄瀬に勝て」
 無理無理無理無理ッッッッ!!!!
 どうやったら現役に勝てるのさっ!?
 怖いから言わないけど!
 「俺、負けないっス!本気出すっスよ!」
 涼ちゃん……。私を見捨てるの……?
 勝てっこないよ……( ;∀;)
 「なつきさん……お気の毒です」
 『そう、思うなら…助けてよ……』
 「それは無理です」
 「なつき頑張ってね〜〜」
 『敦ぃ……』
 「そんな目で見られても助けれないよ〜。赤ちんの命令だから〜」
 「なっちゃん、頑張ってね!!!!……あとで慰めてあげるから……」
 『……アイス奢って、ね……』
 「なつき、まぁ……頑張れ」
 『……うぅ……』
 「人事を尽くせば勝てるの『勝てないよ』」
 私の味方はいないようです。
