二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 10000打企画開催中! ( No.553 )
- 日時: 2012/12/03 20:33
- 名前: このみ (ID: DSoXLpvQ)
- 番外編 「帝光祭 part2」 
 とりあえず、涼ちゃんと敦のクラスに行くことにする。場所的にも近いし。
 『それにしても……。なんでこんなに騒がしいの……?』
 そう。二人のクラスに向かうにつれ、女子の数が多くなる&きゃあきゃあと騒ぐ声が大きくなる。
 その理由は、涼ちゃんの格好でわかった。
 『なに、その格好……』
 「うわっ!ちょ、なつきっち可愛すぎ!!!!」
 『人の話を聞きなさい』
 叫んでる涼ちゃんの耳を背伸びして引っ張る。
 痛いっス、とぎゃーぎゃー叫ぶので放してあげる。
 『で、なんでそんな格好……?』
 「最初は飲食店をやる予定で準備進めてたんスけど、できなくなって急遽縁日に変わることになったんスよ」
 『……ご愁傷様です』
 でもさ。でもね?
 『艶仁知〜艶やかなる新しき愛と知性をあなたに〜』
 っていう煽り文句はないと思う……。
 が、あえて突っ込まないでそっとしておく。
 「なつきっちはメイドっスよね。こんなとこでなにしてんスか?」
 『全クラスに宣伝してこい、って追い出されちゃって……』
 「あぁ……お疲れ様。あ、紫っち呼んでくるっス!!」
 『え、』
 この格好を、敦に見られる……?
 今どきの若い子でも着ないような、これを……?
 無理である。
 だってこれだよ!?ふりっふりのぎりっぎりだよ!?いいのこれ!?
 よくないって!!
 「連れてきたっスよ——!!」
 いやぁあああああああ!!!!!
 「……なつき?」
 逃げたい。激しく逃げたい。穴があったら入りたい。
 「どっスか!?可愛いっスよね!!」
 「……うん」
 今の間は何!?わかってますとも!似合ってないんですよねわかってますよ!!自分でもこれはないと思ってますが何か!?文句でもあんのかよおおおおおおお!!!(※なつきは混乱しています)
 ってか敦のその格好は何!?ドレス!?似合ってるかって!?似合ってますよ可愛いの一言に尽きるよ!!私とは違うよ!!あーもう敦可愛い……っっ!!(※なつきは大変混乱しています)
 「あ、そうだ!紫っちあれやってよ」
 「んー」
 『??』
 「ごはんがないなら、お菓子を食べればいいじゃなぁい!!」
 『(ブフォッ!)』
 「ちょ、なつきっち汚いっス!!」
 裏声でその見下した感じ……。思わず血を吐いてしまった……。
 敦可愛い写真撮りたいダメかなぁ可愛いなぁ……。
 自分の世界に入っていた私だが、そこで気づく。
 いろんな女の子が、きゃぁきゃぁ言っていることに。
 涼ちゃんに向かってでなく、敦に向かって。
 その声を聞いた途端、私のテンションが下がった。
 なんでかわからないけれどもやもやする。
 『……私、もう行くね』
 「「え?」」
 二人が止めるのも気にせずに、その場を駆けだした。
 もやもやもやもや。
 気持ち悪い。
 そのもやもやを引きずったまま、私はさっちゃんのクラスへとたどり着いた。
 『あの、さっちゃん……じゃない。お姉ちゃんいますか?』
 「あああああっ!なつき!救世主!!あんたは救世主よ!」
 『へ?』
 「助けて!!」
 その意味も分からずに、調理場と思われる場所に連れて行かれる。
 そこから臭ってくる焦げ臭さ。
 まさか……。
 『さっちゃん!?』
 「あ、なっちゃん……。って可愛い!!」
 『それどころじゃないでしょ!!なんでクレープ焼いてるの!?』
 「大ちゃんを見返してやろうと……」
 『ダメ!お母さんにもダメって言われてるでしょ!』
 「で、でも……!!」
 涙目でやりたいの、と懇願してくるさっちゃん。
 なんだかこっちが悪いことしてる気分になってきた。解せぬ。
 でもこのままやらせるとこのクラスが崩壊するし……。
 『やよいちゃん、一枚だけやらせてくれない?』
 「え、……一枚くらいなら、いいけど……どうするの?」
 『あと一枚で完璧なものを作る』
 「私がやりたいの!なっちゃんが作っても意味ないの!」
 『わかってるよ。でもこのまま作ってもさっちゃんにできるとは思わない』
 そう言ったところで、さっちゃんの目から涙がぽろっと落ちた。
 クラスの男子からうわー泣かせた。とか聞こえる。
 あんた達だってこのままだったら困るでしょ!と叫びたいのを我慢する。
 やよいちゃんを含む女子はおろおろしていた。
 『だから……』
 「……?」
 『一緒に、作ってあげるから!』
 「……!!」
 泣き止んださっちゃんはありがとぉ!と抱きついてきた。
 ああ、可愛い……。
 そんなこんなで、クレープ作り。
 『いい?力抜いて……。右手は添えるだけみたいな状態にして……』
 「う、うん……」
 『私に任せておけば大丈夫だから、変なことはしないでね!』
 「わかったわ!!」
 『「できた————!!!!」』
 「「「「おめでと〜〜〜〜〜!!!そしてありがとおおおおお!!!!」」」」
 泣くほどお礼を言われた。
 もやもや。
 胸が痛いのには、
 気づかぬふりをしたまま。
 part3へ続く。
