二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜二人で一つ〜 ( No.9 )
- 日時: 2012/07/25 23:54
- 名前: このみ (ID: /qYuqRuj)
 第3Q 「女の子の日」
 『………………』
 むっすぅ〜〜〜〜〜っ。
 それが今のなつきに一番合う言葉だった。
 いつもニコニコしているなつきが、眉間に皺を寄せて手に持っているノートと睨めっこしている。
 ギリ、と歯を鳴らしたり、チッと舌打ちをしたり、とにかくガラが悪い。
 ちなみに怖いもの知らずの大輝は、なつきに「眉間に皺寄ってブサイクになってんぞ〜」と言って、蹴りを入れられた。
 ついでに「五月蠅いガングロその肌白くしてから出直せよ」と言われ、体育館の隅の方で負のオーラを放っている。
 「なつきさん、どうしたんでしょうか……」
 「あんなのなつきっちじゃねぇっスよ……。怖いっス」
 「桃井、今朝からあんな様子なのか?なつきは」
 「う、うん……」
 「何故だ?」
 「そ、それは……」
 「俺の観察記録が正しければ、なつきは一ヶ月のうちの五日間ほどはああいう調子なのだよ。全く、何故そんな症状が出るのか微塵も分からないのだよ」
 「何でそんな観察してるんスか……」
 「俺となつきが会って、一回目のあの症状が出た時……、それは大変な目にあってな……観察をしようと心に決めたのだよ」
 征十郎とテツヤは、《ああ生理か》と思ったが、
 まず「生理」という単語を知らない真太郎と涼太は、「何でだろう……」と首を傾げていた。
 「あ、あれ?ムッ君は?」
 「紫原君ならあそこにいますよ」
 テツ君が指差した場所は、なっちゃんが立っている場所だった。
 「ねぇなつちん。なんでそんなに機嫌悪いの?お腹空いたの?」
 『空いてないし機嫌悪くない』
 「ほら、いつものなつちんらしくないよ?眉間に皺寄っちゃってるし。痕ついちゃうよ」
 『…………』
 つん、と指でなつちんの眉間を押す。
 それにもっと顔が険しくなるなつちん。面白い。
 「やっぱりお腹空いてるんだよ〜。なつちんの好きなポッキーあるよ?あげる」
 ポッキーの箱を見て、少し顔が明るくなるなつちん。
 『あ……り、がとう……。……ごめん……』
 自分の態度が酷い事を思い出したのか、しゅん、となりながら謝る。
 その頭を撫でてあげた。
 「ん〜ん。俺は大丈夫だよ〜。でも峰ちんが落ち込んでるかな〜」
 体育館の隅を指さして言うと、なつちんが顔を真っ青にして峰ちんの所に走っていった。
 それを見てちょっと口元が緩んだのは内緒。
 「(凄い、ムッ君……。あの状態のなっちゃんは私でも手におえないのに)」
 「なつきさん、元に戻りましたね」
 「お菓子貰ったからスかね?」
 「記録するのだよ」
 (ごめんね、大ちゃんっ)
 (ガングロ……ガングロ……)
 (ちょ、大ちゃん戻ってきてっ!!)
