二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ〜過去の天才〜(7Q執筆中★) ( No.39 )
- 日時: 2012/08/07 00:48
- 名前: ハルはる (ID: r4kEfg7B)
- 「あ、材料足りない。」 
 キッチンに立ち、しまった・・・と思った。
 まさか、あいつらまで来るとは思わなかったから・・・
 「兄ちゃん、ちょっと頼んでもいい?」
 「ん?なに買ってくればいいんだ?」
 「え〜っとね・・・、」
 玉葱、人参、ジャガイモ、鶏肉・・・
 メモに書いて兄ちゃんに渡す。
 「じゃあ、よろしく」
 「おー」
 そういえば、バスケをもう一度はじめた時、凄い喜んでたっけ?
 お父さんが死んでからまともにやってなかったから。
 喜んでくれたのと同時に、体のことを心配してくれた。
 「杏奈ー?お母さん手伝うことある?」
 ひょっこりと現れたお母さんに、間髪入れずに言い放つ。
 「お願いだから何もしないで」
 「そっか。でも杏奈、いい仲間を持ったわね」
 「大人数でごめん。うるさいでしょ」
 「ふふっ、礼儀正しいわよ?彼氏サン」
 「・・・っそうでしょ。あいつはそういう奴だよ」
 お父さんの、仏壇の前で手を合わせる征十郎をチラッと見る。
 お父さんは、征十朗を見てなんて思ったかな?
 「お母さん。あたしね、征十郎のこと好きだけど・・・今のあいつは嫌いなの。」
 「?」
 きっと、今の征十郎じゃあ、お父さんは認めない。
 あたしも、認めたくない。
 兄ちゃんが買ってきた食材で、夕飯が完成した。
 バランスと、量を考えて、簡単に作ったもの。
 「うめ〜。相変わらず料理はうまいな杏奈」
 「青峰君汚い。もう少し大人しく・・・」(扇華)
 「おいし〜っ!杏何でもできるんだね!」(有季)
 「・・・なんでも・・・ねぇ?」(秀一(兄)
 「余計なことは言わなくていいからね?」
 「白ちんお菓子ある〜?」
 「敦はまず野菜を食え。そしたらあげる。」
 「杏〜、おかわり〜」(あかり)
 「はいはい」
 なんだか、不思議な感じだ。
 過去のチームメイトと、現在のチームメイトが揃ってる。
 「・・・」
 「なにニヤニヤしてるんだ、気持ち悪いぞ」
 「せっ、・・・だってさ、嬉しいんだよね。」
 この時間は、バスケのことを忘れて、楽しくやってる。
 なんでもないことが、あたしには宝物なんだ。
 「・・・まぁいいが。そういえば、俺達がご飯を食べていった時・・・杏奈風邪引いてたよな」
 「懐かしいね。」
 「・・・まあ、過去のことだけどな」
 そう。「過去」のこと。
 今とは比べられない思い出。
 「さ、あたし達も早く食べて寝ないと。」
 「あぁ。」
 「・・・ん」
 重い。
 「・・・、涼太重い」
 「ん〜杏奈っち・・・」
 寝言であたしの名前を呼ぶな。
 それにしても、男子にしたら凄い軽い。ご飯食べてるのか?
 「涼太、起きて。」
 「・・・杏奈っち?ッッ!」
 やっとどいた。
 ムクリと起き上がって伸びる。
 「ふぁぁぁ〜・・・。涼太どうしたの」
 「なッ何でもナイっス」
 「・・・別にいいけど。涼太せっかく起きたんだから、朝飯作るの手伝ってよ。」
 「いいんスか!?一緒に作るっス!」
 「じゃあよろしく」
 「じゃあ今日は、個人の能力発見、向上の練習中心でいく。」
 征十郎が、大勢の中心に立ち今日の練習メニューを伝えている。
 誰も無駄話はしない。・・・できない。
 「じゃあ、男女に分かれて練習を始めて下さい。」
 あたしは真ちゃんと一緒にスリーの練習をする。
 真ちゃんのシュートレンジは、前より広くなっていた。
 「杏奈はまだあそこからシュート打てるのか?」
 「え、なに言ってんの?まだってなに。ずっとうてるよ」
 そう言って、女子のコートの方を狙う。
 ネットはあたしと真ちゃんのために閉まっていない。
 「でも・・・久しぶりだなっ」
 あたしの放ったボールは、真っ直ぐゴールに向かっていく。
 最高点から、一気に落ちる。
 「外れるわけないか・・・。杏奈は相変わらず凄いのだよ」
 ボールを取りに行くと、女子と1年はびっくりしていた。
 有季達も、あそこからのあたしのシュートは見たことがなかった気がする。
 「真ちゃんだって、凄いじゃん?高校生になったら楽しみだよ」
 「ふっ、高校生と決まっているのだな」
 「まだ、この短期間で一気には無理でしょ。涼太じゃあるまいし」
 「そうだな。」
 皆、それぞれに能力向上の練習メニューを。
 征十郎と、テツヤと有季だけはちょっと特別な。
 有季も目だもんな・・・。征十郎が興味持つのもしょうがない・・・か。
 「鷹本は、素質あるのだよ。安定感がないだけだ」
 「まー宝くじって呼ばれてるしね・・・でも、扇華のことは尊敬してるんだ。練習の後、50本のシュート練をいつもやってるし。」
 「女子にしては凄い量なのだよ・・・」
 「でしょ?あたしのチームメイトは、努力は欠かさないんだ。」
 「紫原の嫌うタイプだな」
 「ね〜。でもあかりとは気ぃ合うみたいだよ?あかりもバスケ嫌ってる部分あるから」
 どんどんシュートを打っていく。
 一歩ずつ、後ろに下がりながら。
 ガコンッ
 ある程度の距離になると、真ちゃんのシュートは外れた。
 「・・・まだまだ。シュートに関しては真ちゃんには負けないよ」
 ‘まだ’負けない。
