二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.108 )
- 日時: 2012/10/07 13:30
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
 参照1500突破記念!!
 無心 過去の記憶編 パート3
 昔々、ある所に二人の夫婦がおりました。その夫婦はとても仲が良く暮らしていました。そして、二人にはとても可愛らしい女の子にも恵まれました。しかし、それがこれから起こる悲劇の始まりだったのです。
 その一家三人で暮らしている内に三歳になったその子供にある変化が見られたのです。
 人形をひたすらに引きちぎり、壁には不気味な絵を、そして意味の分からない言葉を発し始めたりしました。
 気味が悪くなった両親はその女の子を施設に預けました。そして、また自分達の子供からまたあのような子が産まれるのを恐れた二人は、一人の男の子を養子に取り、本当の息子のように育ててきました。
 人柄も良く、明るい性格のその男の子に、両親はとても幸せでした。しかし、男の子が12歳になり、ある変化が起こったのです。
 男の子の体に痣のようなものが付いていたのです。両親は慌てて病院に連れていきました。
 それから半年後、男の子にまたある変化が起こり始めました。
 男の子の感情がいつの間にやら消えていったのです。
 それに気づいた両親は、精神科の病院に連れて行きました。検査は無事に終わり、両親は一先ず先に帰りました。男の子も帰りかけたその時、後ろから女の子に声をかけられたのです。
 その女の子とは、以前に男の子の両親に捨てられた女の子がそこにいたのです。男の子はその娘が義理の兄妹とは知りませんでしたが、女の子はこの男の子が自分の義理の兄妹と言うことには気が付いていました。
 なぜならずーと病室から待合室で待つ両親を覗いていたのですから。そこに現れた見知らぬ男の子、12歳の女の子でも大よそ察しが着きました。
 
 女の子は男の子に憎しみを込めて最後の一言を言うと、自分の病室に帰ってきました。
 男の子は訳が分からず、その場を後にしました。
 そして、向こうで待っている両親にこのことを男の子は伝えました。すると、彼のお父さんは、何やら悲しい表情を浮かべて、
 「・・・そうか」
 と消えそうな声で言いました。お母さんも両手を鼻の周りを覆って泣いているように思えました。
 男の子には理解できません。出来るはずもありません。なぜ両親が泣いているのか、なぜあの子が自分に話しかけてきたのか。当時の男の子・・・いや、綿柄 無心には理解できませんでした。
 そして、無心が中学三年になり、事件が起こった。
 巷でも有名な通り魔が無心の中学校に乗り込んできたのです。その情報は町全体に広がり、警察は学校を包囲しました。警察が必死の人質解放へと動き出しますが、全て失敗に終わりました。
 一方、人質に捕らえられている生徒全員は犯人にビクビク怯えて何も出来ませんでした。教員の人達も、生徒を守る仕草も何もなしにただ自分を守るのに優先してました。
 
 その時、その人質の中にいる一人の男子生徒が立ち上がりました。そう、綿柄 無心です。
 この頃の無心は家族や友人の協力のおかげで若干感情を取り戻しつつあり、そして彼にはある別の物も手に入れつつありました。
 彼には最近、○△□を作り出すことができ、これなら犯人をやっつけられるんじゃないかと自負していました。
 そして、案の定犯人は無心の「それ」によって捕らえられたましたが、彼が英雄であることはありませんでした。
 寧ろ、無心が何かするたびにクラスの皆・・・それどころか学校中の皆に恐れられ、そして敵としての視線を送られました。
 その目は、彼の両親にも向けられました。そしてある日の朝、無心が何気なく起きて見ると、両親は天井からぶら下がっていました。
 「この化け物!」
 
 ドカッ
 「死んでしまえば良いんだ!」
 バキッ
 「こっちに来ないで!」
 ボコッ
 「殺してやる!殺してやる!」
 ズシャ
 
 繰り返し言われるこの言葉と、繰り返し行われるこの行為。無心は再び感情を失いました。そんなある日、無心はクラスメイトにぼこぼこにされ、倒れているとき、一人の少女が無心の近くに駆け寄りました。
 
 「やぁ、ひどいめにあったね・・・君」
 無心は何も答えませんでした。どうせ自分の罵声や暴力なのだろうと・・・。そう決め付けていました。
 「答えないなら良いよ。ぼく一人で話すから」
 そして、女の子は語り始めました。自分は無心と同じような存在だと言うことだと、そして自分の仲間に入らないかと言うことなど。無心は黙ってそれを聞いていました。そして、
 「分かった、入ってやる。その代わり少し時間をくれ」
 「何だい?まだ決心が着いていないのかい?」
 
 「違う、俺にはまだやることがあるんだ。それを済ましてからだ」
 
 少女はふっと微笑みました。
 「分かったよ、とっとと済ましてくれよ?こちらには時間がないんだ」
 「ああ、ところでお前の名前は?」
 「ぼくの名前かい?ぼくは安心院なじみ」
 
 そして、少女は少しの間をあけてこう言いました。
 「親しみを込めて安心院さんと呼びなさい」
 
 
 
 
 
 
 
 
