二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: バカとテストと召喚獣 二次(?) ( No.94 )
- 日時: 2012/10/02 22:42
- 名前: F (ID: pK07DWyY)
- 明久side 
 「おい、今お前なんていった?」
 ヤバイ、一騎が切れた。
 「は?」
 どうやら根本くんには危機察知能力が足りないらしい。
 「てめぇがなんて言ったか、って聞いてんだよ!」
 完璧にブチ切れている。
 あの時はまだ完璧に切れてはいなかったけど、今回は完璧に切れている。
 「お前なんかより俺の方が、戦争で負けて、殴られて、よっぽど不幸だって言ったんだよ」
 根本くんは一騎を小馬鹿にしたような声で言う。
 一騎の顔が怒りで歪む。
 本当に根本くんを殴りたくなったが、それどころではない。
 「一騎、落ち着け!」
 雄二が一喝する。
 だけど一騎はそのまま根本くんへと歩いて向かっている。
 聞こえてないの....?
 どうやらそうらしい。
 姫路さんや美波、秀吉まで声を上げて止めようとしているが、
 躊躇の仕草さえ見せない。
 「お、落ち着け」
 勇気のある、Bクラスの人数人が一騎を止めようと、一騎の前に出るけど、その全員を殴り倒しながら根本くんの方に向かっている
 「お前が!今まで幸せな一般家庭で育ってきたお前が!俺にそんなセリフを吐くのか!もう1度言って見ろ!俺より誰が不幸だって!?ああ!?」
 ついに一騎の手が根本くんの襟を掴む。
 「オレだよ」
 相変わらず、根本くんは一騎を小馬鹿にしたような口調で言う。
 「じゃあ聞くけどよ!お前に家族はいないのか!今まで楽しく暮らしていた家を誰かに取られたりしたか!?大切な人の形見を誰かに破壊されたりしたか!」
 え...?
 じゃあ、あのシャープって、誰かの形見...?
 確かにあの時の一騎の怒り方を考えればありえる。
 「そんなこと、あるわけねえだろ....」
 根本くんもさすがに怯えてきているのか、声が小さくなってきてしまっている。
 「俺はなぁ!たった一回の事故で、親も!姉弟も!友達も!仲間も!家も!金も!未来も!すべて奪われてんだよ!
 たった一回だぞ!?そのたった一回で!俺はすべてを失った!
 お前に!人の苦しみも何も知ろうとしないお前に!俺の気持ちがわかるか!?そして、これでもお前は俺なんかより不幸だって思うのか!」
 「「「「「っ!!」」」」」
 いくら僕でも、今一騎が行っているのが本当だということがわかる。
 嘘だったらとしたら、あんなに涙を流しながら、言う訳がないだろう。
 「ッ!それは....」
 「はっきり答えろォォォォォォォ!」
 一騎が拳を振り上げて、殴ろうとしている。
 あれくらったら、いくらなんでもやばいよ...。
 やるしかないか...。
 少々不本意だが、一騎に向かって飛び込む!
 そして右手を押さえつける。
 「どけっ!明久っ!」
 「どかないよ!—雄二っ!」
 「ああ」
 雄二にも協力を促す。
 すると、雄二は左腕を抑える。
 「ムッツリーニ!秀吉!」
 「.....OK」
 「うむ、了解した!」
 すると、ムッツリーニが、一騎の胴を抑え、その隙に秀吉が前に出る。
 「やめるのじゃっっ!一騎!!」
 ビクンッ!
 一騎の肩が動く。そして、だんだん一騎の体から力が抜けていく。
 どうやら自制心が戻ってきたようだ。
 一騎ががペタンッと座りこんでいく。
 「っ!ごめん....」
 まぁ、一騎も正気に戻ったし、一件落着か。
 フゥッ。疲れた。
