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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 灰色 ( No.44 )
- 日時: 2012/09/21 21:14
- 名前: 兎欠 (ID: vj3b3W/M)
- 参照: http://nanos.jp/zotbox77/
- 27. 何一つとして 
 いつも通りにバッシュを右足から履く。
 紐を結びながら、3Pをする緑間をみた。
 しかし放ったボールはガコンと音を立てゴールのリングから床へと落下した。
 ボムッ
 珍しく3Pをはずした緑間に体育館中がシンと静まり返る。
 * * *
 ザァザァと雨がアスファルトを叩き付ける音はもう2時間ほど前から聞こえていた。
 折り畳みの傘を取り出し広げる。
 「高尾」
 低い声がして振り返ると、そこには案の定大坪さん
 「なんっスか?」と言うと大坪さんは腕組みをして大きく溜息を吐く。
 「最近の緑間はどうも調子が悪いみたいだ。」
 「ああ、そうみたいっすねえ」
 「お前なにか心当たりはないか?」
 むしろ俺はあいつに傷つけられまくってますけどね
 そう言いかけて言葉を飲み込む
 こんな事を言ったところで何も解決しないのがオチだ。
 期待はしていないし、期待をしてどうなるとも思っちゃいない。
 いつから俺は誰かに頼る事をしなくなったんだろう
 いつから俺は緑間とちゃんと話をしなくなったんだろう
 考えれば考えるほど遠い昔の記憶のように感じて
 だから緑間と夏生のこと何一つわかんねーんだって今更気づく。
 ちゃんと話をしなくちゃいけない。
 でも聞きたくないと内心じゃ叫んでる。
 『さようなら』は告げたけど、それでいいのか?
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