二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ひぐらしのなく頃に 輝
- 日時: 2010/01/11 19:50
- 名前: マユ ◆vars8VB/bg (ID: MukrBGws)
- 新しい仲間が増えた時 
 それは新たな惨劇を意味する
 新たなカケラが増えた時
 それは戦いのループを意味する
 それでも私は戦える
 たとえ貴方が信じないとしても、私は絶対信じてる———
 これが運命だとしても、奇跡は必ず起きるから———ッ!
 ☆*☆*☆*☆
 お初の人も、前作を見てくれた方も、どうもです☆
 これで立て直すのは、実は10回目です(汗
 まあ、頑張っていこうと思います♪
 此方は前作「ひぐらしのなく頃に 歩」の続編です!
 ・・・それだけです!(オイオイ
 前作「ひぐらしのなく頃に 歩」
 http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14018
 前前前前々回、プロローグ〜10話
 http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=13893
 前前前々回、11話〜15話
 http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14084
 前前々回、16話〜21話
 http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14230
 前々回、22話〜23話
 http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14501
 前回、24話〜25話
 http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=14568
 ♪ひぐらしソング&ひぐらし動画♪
 「コンプレックス・イマージュ」FULL
 http://www.youtube.com/watch?v=4DtEicUihng
 「澪尽し編OP」
 http://www.youtube.com/watch?v=hj0HAaK0kfU&feature=related
 「その先にある誰かの笑顔のために」
 http://www.youtube.com/watch?v=XdvOUCeYYZo&feature=related
 神画質 「Super scription of data」
 http://www.youtube.com/watch?v=hILGMmFHPnY&feature=related
 アニメ「ひぐらしのなく頃に解」厄醒し編〜祭囃し編
 http://www.youtube.com/watch?v=GRvlA9TSY6Y&feature=related
 「why,or why not」
 http://www.youtube.com/watch?v=2Y169Ca5sxE
 「最終巻絆、PV」
 http://www.youtube.com/watch?v=EVUI67P9Es8&feature=related
 ☆キャラ絵☆
 麻由
 http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?329197
 正月羽入
 http://www.kaki-kaki.com/bbs_t/view.html?21639
 羽入
 http://www.kaki-kaki.com/bbs_t/view.html?14949
 ドラクエ小説のために書いたオリキャラです!
 因みに中央の人物は麻由と同一人物!
 http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?359749
 梨花ちゃん
 http://www.kaki-kaki.com/bbs_t/view.html?25628
 〜*♪此処に来てくれた仲間達♪*〜
 ゆずき
 うっさー
 ユメさん
 m,kさん
 藍羽さん
 瑠留
 月乃さん
 皆!ありがトゥーッス☆
 〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
 では楽しんで読んでもらえたら光栄です♪
- Re: ひぐらしのなく頃に 輝 ( No.2 )
- 日時: 2010/01/11 19:55
- 名前: うっさー ◆/bzwarKBcE (ID: 3L0NyJ0C)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=11996
- 建て直しお疲れ様bb 
 コピーとかするなら、大変だと思うけど、ファイト★
- Re: ひぐらしのなく頃に 輝 ( No.3 )
- 日時: 2010/01/11 20:00
- 名前: マユ ◆vars8VB/bg (ID: MukrBGws)
- 2人ともサンキュー♪ 
 ゆずき☆
 また消えたんだよー!
 もう指では・・・数えられるか(汗
 うっさー☆
 また同じことの繰り返しさ☆
 コピー頑張るぜよ!
- Re: ひぐらしのなく頃に 輝 ( No.4 )
- 日時: 2010/01/11 20:01
- 名前: マユ ◆vars8VB/bg (ID: MukrBGws)
- 番外編2、雪祝し編 
 —圭一side—
 —12月24日—
 今宵は聖なる日———。
 「Merry Xmasッ!」
 パーンと、部屋中にクラッカーの音が響いた。
 皆一斉に鳴らしたせいか、火薬のような臭いが充満し、俺は思わず咳き込む。
 「よし!今日はパァーっと派手にやるよ!」
 サンタのコスプレもし、通常より一層騒がしくなる俺達。
 そう、今日は待ちに待ったクリスマスイブ!
 クリスマスは皆用事があるということで、今日パーティーをすることになった。
 先日、全員で大急ぎで立てたツリーは、電球が色とりどりに光っている。
 「よし!皆はサンタに何を頼んだかな?」
 「今時サンタかよ・・・」
 「サンタクロース・・・。それは人々の幻想なのか!それとも現実なのかッ!」
 「サンタはいるよ!」
 いつもの騒がしい姿とは裏腹に、純粋な気持ちをぶつける麻由。
 ロマン好きだなぁ・・・おい・・・。
 その麻由に便乗して、レナも意見を出す。
 「サンタさんはいるんだよぉ☆」
 その言葉を聞き、皆は黙り込んだ。
 「ランディ君人形みたいなサンタさんが、レナにプレゼントを持ってきてくれるの☆」
 そのかぁいいモード全開レナのお約束に、周りは苦笑いを忘れない。
 多分レナの場合、産業廃棄物の不法投棄業者全員がサンタの気がする・・・。
 「てか、趣旨変わってっから」
 桃が突っ込むと、零と優羽が「うんうん」と頷く。
 それを見た魅音は、「いけない」と自分の頭を小突いた。
 「コホン・・・」
 一つ咳払いを済ませ、途端に目を光らせる。
 「それでは、クリスマスイブ恒例のアレ!やりますかッ!」
 魅音が勿体ぶるように目を光らせるが、言いたいことは分かっていた。
 「「プレゼント交換!」」
 声を揃えてジャンプをする。着地の際に、畳が軋んだ。
 部屋の真ん中には、仲間分のプレゼントが集められる。
 しかし、皆同じ袋に入れただけで、ラッピングはしていない。
 「だってぇー・・・。ラッピングしたら、誰の物か分かっちゃうじゃ〜ん!」
 「でも、そしたらやり直しとかさ・・・」
 「今回は、一回のやり直し無し!」
 魅音の言葉を聞いた時、一斉にブーイングが起こった。
 「それはキツイだろ・・・」
 「だよなぁ・・・・?」
 「はいはい!却下却下ッ!」
 仕方なく了承し、魅音は背を向ける。
 すると魅音は、用意していたラジカセとカセットテープを取り出す。
 「よし!じゃあ、試しに曲を流すよ!」
 始まりが待ち遠しく、これでもかと胸が躍る。
 そして、魅音がラジカセのスイッチを押した。
 「・・〜〜〜♪」
 「「・・・・・」」
 そのメロディーを耳にした瞬間、俺達の顔は一瞬にして冷める。
 「これ・・・『戦場のメリークリスマス』?」
 「そのとーり!」
 ビシッと親指を立てる。
 「お姉・・・。空気読めなさすぎますよ・・・」
 いやいやまったくだ・・・・。
 真面目に空気を呼んでくれ・・・。
 その楽しそうな表情は、俺達の反応で徐々に曇って行く。
 「魅音」
 「ま、麻由。な、何?」
 麻由は魅音に迫り、怒り口調で問い質した。
 「今日はクリスマスイブなんだよ。楽しい楽しいイブなんだよ。それを・・・それをお前
 はぶち壊しにしたいのかぁぁぁ?」
 「わぁぁ!ご、ごめんごめん!」
 そして、後に魅音にはお持ち帰り刑が決行されるとして、再会する。
 「まあこんなこともあろうかと、ウチもピッタリな曲を持ってきたんだよ」
 そして、テープをラジカセにセットし、スイッチを押した。
 「〜〜〜♪〜〜♪〜〜♪」
 それは、ケ○タッキーのCMで有名な、あの竹内さんの曲だった。
 プレゼントを手渡され、隣にプレゼントを手渡す、の単純な動作を繰り返す。
 ・・・心なしか、魅音が燃えているように見えるのは気のせいだろうか・・・。
 「〜〜♪〜♪〜♪〜〜〜♪」
 ブツリと曲が止まり、皆も手を止める。
 皆で順々に袋を開けていく。
 一番に袋を開け、叫んだのは魅音だ。
 「おじさんは自分のが戻ってきちゃったよー!」
 あぁ、よくあることだな・・・。
 普通はやり直しがきくものだけど、魅音自身が「無し」と宣言したから・・・。
 「『策士策に溺れる』とは、まさにこのことか・・・」
 「まさにその通りですわね・・・」
 麻由が呆れ、沙都子が呟き、周りは頷くばかり。
 魅音は床にうつ伏せになり、滝のように涙を流していた。
 「このマフラーかぁいいよぉ〜☆お持ち帰りぃ☆」
 「それウチの!今回はお持ち帰りしていいよ!」
 レナの腕の中にあるマフラーは、綺麗に編み込まれていた。
 麻由って意外と器用なんだな・・・。
 その麻由に行き渡ったのは、小さいプレゼント。
 「ウチが当たったのは・・・ブレスレット!」
 「それは僕のなのです!シュークリームのチャームがポイントなのです☆」
 さすが羽入・・・。シュークリーム好きなだけある・・・。
 「それは俺のだな。梨花ちゃんに当たったか!」
 「当たってしまったのです。にぱー☆」
 梨花ちゃん、さり気なく酷いこと言うのは止めようぜ・・・。
 ・・・そして、心なしか魅音が悲しんでいるのは、気のせいだろうか。
 「私は沙都子ちゃんのが当たったよ!トラップセット!」
 「おーほほほ!たぁっぷりとお楽しみあそばせ!」
 優羽、それは喜んではいけない品だ!
 「これは・・・、ワイングラス?」
 「それは僕のなのです。二日酔いを堪能するとよいのです」
 ワインは零に合いそうだな・・・。
 あと酒は20歳からな。
 「俺は優羽のだな!これ、バッヂだな!」
 「ライト機能付きだよ」
 優羽はこういうものを買うのか。メモメモ・・・。
 「私は幸弥さんの野球ボールですわ!」
 よし沙都子!俺がホームランを阻止するぜ!
 「僕は詩音のスタンガンなのです!あうあう!」
 物騒だな・・・。
 「私は零さんのです。・・・これカラコンですよね?」
 プレゼントにカラコンって!!
 まあ色々あったものの、遂に俺の順番になった。
 妙に重くデカイプレゼントを担ぎ揚げる。
 「俺が当たったのはぁー!・・・ランディ君人形?」
 「はぅー!それはレナのなんだよ☆だよ☆今回はちょこっとミニサイズにしたの!」
 目を輝かせて、「嬉しい?」と迫りくるレナ。
 俺は案の定、苦笑いで言葉を濁す他ない。
 ・・・道理で、レナのだけデカイと思った。
 てか魅音、お前は何故さっきから表情を転々とさせているんだ。
 「「この大物鈍感野郎」」
 零と幸弥はそう呟くと、さっさとプレゼントを床に置いた。
 そして時間はあっと言う間に過ぎ、もう時計は7を差していた。
 「よし!外に行こうか!」
 「「はぁ?!」」
 思いっきり間抜けな声を出す。
 「もう外も暗いよ?」
 「イブの夜は、何かが起きるって決まりなんだよ!」
 答えになってねぇよ!
 魅音のよく解らない説を前に、俺は腕を引っ張られ表に出た。
 「「わぁぁあ!」」
 玄関口を飛び出した直後、女子の歓声が沸く。
 外は、雪が降ったホワイトクリスマスだった。
 顔に一つ、また一つと雪が肌に触れると、ほんのりと冷たい。
 「イブに雪なんて、ロマンチックだな!」
 麻由は撫でるかのように、そっと雪に触れる。
 うたかたの雪は、空から贈り物として、俺達に渡されていく。
 「たまにはこういうのもいいよな」
 さっきまでの騒がしい声は無くなり、皆は黙って空を。
 気持ちよくて、天を仰ぐ。
 「・・・あれ?」
 俺に見えたのは、金色の満月。
 ・・・ソレが見えた瞬間、俺は満月に釘付けになった。
 「え・・・」
 聖なる夜、満月を背に現れた、一つの人影——。
 俺が目を奪われていると、横から麻由と魅音が寄ってくる。
 皆が見ていたらしく、全員人影に釘付けになっていた。
 「サンタかもね!」
 「——そうだな」
 俺は否定せず、縦に頷く。
 サンタなど信じる年頃じゃないけれど、今日だけは信じて、空に願おう。
 この幸せが、ずっと続きますように———。
 そんな願いが届くかは分からないけど、それが俺にとって最高のプレゼント。
 シャンシャンと、窓の外から鈴の音が聞こえる真夜中・・・。
 その心地のいい鈴の音で、俺は目が覚めた。
 窓の扉が少し開き、床が軋む音が聞こえる。
 ・・・誰だ?
 俺は半分寝ぼけながら顔を上げ、人影の正体を探ろうとする。
 しかし、逆光で顔が見えない。
 人影は口元に指を立てて、「静かに」のポーズをとる。
 そして、その人物は俺の耳元に手を添え、囁いた。
 ——幸せに——
 その言葉が何を表しているのか、それは誰にも分からない。
 それは聖なる夜に現れた、聖なる者からのプレゼントかもしれない。
 ———Merry Xmas!———
- Re: ひぐらしのなく頃に 輝 ( No.5 )
- 日時: 2010/01/11 20:02
- 名前: マユ ◆vars8VB/bg (ID: MukrBGws)
- 番外編4、鬼隠し編(リメイク) 
 —麻由side—
 君と一緒に走るあの道。
 私は大好きだよ。
 だって君と一緒にいれるから——。
 「おはよ〜ス!」
 「おはよー!」
 レナと一緒に待ってくれてる圭一は、どこか優しくて、でも意地悪で。
 それでも、どんな時も笑って話しかけてくれる圭一が好き。
 「遅いぞー!早くしねーと遅刻だ!」
 「よーし!じゃあ走るか☆」
 「「オー!!」」
 君が笑って走るように、私も君と笑って走る。
 それだけで十分だった。
 それだけでも、毎日が輝いていた。
 「はいはい!では罰ゲーム!!」
 「うー!制服メイドはセコイー!!」
 「圭一のエンジェルモートの服よりはまし!」
 「お前なー!!!」
 「「あははははッ!」」
 こんなに楽しい毎日。神様が与えてくれたように感じた。
 こんな幸せな毎日は、明日も、その先も続く。
 当たり前の、幸せな日々。
 ずっとずっと、続くと信じて疑わなかった。
 「オヤシロ様の祟りって、何なんだろうな」
 この圭一の台詞がなければ・・・。
 私自身は祟りに関しては知っていた。
 偶々魅音達の話し途中を耳にして、魅音やレナに問い詰めたら教えてくれたから。
 ・・・でも、気分のいい話ではなかった。
 それから数日間、圭一は私達と距離を置いた。
 雛見沢連続開始事件・・・。
 それが全ての歯車を狂わせてしまった。
 1人で帰宅する圭一についていき、私は問い掛けた。
 「圭一はいいのか?このまま1人でいいのかよ?!」
 「関係ないだろ・・・」
 冷酷に言い放つ圭一に、胸が疼いた。
 温かさがなくて、冷たい暗闇のような瞳。
 「私達は、仲間じゃなかったのかよッ?!」
 「お前等はもう仲間じゃないっ!」
 そう怒声を上げ踵を返す圭一。
 その圭一の背を見て、泣きそうになった。
 それでも、私は諦めない。
 「圭一っ!」
 「ついて来る・・・!」
 「圭一・・・ッ?!」
 突然音を立てて倒れた圭一に、私は走り寄った。
 圭一をおぶって、おもむろに道を歩く。
 左へ右へとよろめいて、途端身体を地面に打ち付けた。
 それでも、今圭一を助けられるのは私しかいないから。
 頑張ろう———。
 「・・・・ん」
 「圭一ッ!」
 「・・・ッ!」
 瞼の先にあるものが私と察知すると、すぐさま怯える。
 「圭一をおぶってくるの大変だったんだぜ!何度も転んでさ!」
 「・・・・・・・」
 大丈夫、怯えなくてもいいんだよ———。
 私は何もしないから———。
 「お粥作ったから、ちゃんと食べてね?」
 「・・・早く出てけよ・・・・」
 胸が苦しかった・・・・。
 つきつけられた現実は、幸せには戻らなくて。
 不幸になるばかりで・・・。
 「明日は、部活で大騒ぎしような!」
 返答は・・・ない。
 襖に手を掛けながら、私は振り返る。
 「圭一、私のことが嫌いなら・・・、言って——?」
 そしたらもう、圭一には近寄らないから———。
 圭一が幸せになるなら、別にいいよ。
 私だけを無視したって・・・いい。
 だからお願い。
 せめて、あの笑顔を見せて——?
 圭一が道端で倒れていたと聞きつけて、すぐに圭一宅に向かった。
 「よかった!ちゃんと生きてるじゃん!」
 「道端で寝てるなんて、お前は猫か!」
 「監督は、野球チームの監督とか、工事現場の監督とか!」
 「圭一は馬鹿な質問するねぇー」
 怯えてる圭一に、私達は戯言のように茶化す。
 おはぎの罰ゲームを実行するため、レナは圭一を羽交い絞めにする。
 魅音がマジックを取り出し、キャップは外した。
 私は、圭一の傍で立膝になる。
 「じゃあね。圭ちゃん♪」
 そして、魅音が圭一の腕にマジックを近づける。
 「圭一!」
 私は圭一を呼び掛ける。
 「早く元気になぁれ☆」
 そう、圭一の左頬を突いた・・・。
 貴方の腕が振り落とされる度に、涙と血を零れ落とす。
 身体が極寒のような寒さを覚えるけど、血が溢れ出る箇所は灼熱のように熱かった。
 痛みとはかけ離れた激痛が、私の身体を蝕む。
 ・・・胸が疼いて、堪らない。
 貴方の瞳から零れた涙が、私の顔に降り掛かる。
 断末魔を目の当たりにして、胸が締め付けられた。
 「ごめんね・・・ごめんね・・・」
 今更のように涙を流し、謝罪を口にする。
 身体が鉛のような重さを覚え、立ち上がることさえ辛くなる。
 「魅音・・・ッ」
 「レナ・・・ッ」
 「圭一ぃ・・・ッ!」
 何筋もの涙が、私の頬を伝う。
 圭一・・・休もう?
 休んで、また笑おう。
 つきつけられた、残酷な日々・・・・。
 でも私は諦めない。
 いつか元に戻る。そう信じてる・・・。
 だから、私は頑張る。
 明日になっても、また笑いあえるように———。
 私は圭一が笑顔になれるように、頑張るから———。
 「・・圭一・・・」
 私が呼びかけた瞬間、圭一の手が一時的に止まる。
 そして、私はふら付きながら、おもむろに歩み寄った。
 バットを強く握る圭一の手を握り、私は微笑む。
 「圭一、———笑って?」
 傷つき、血で汚れてしまった貴方の手を握り締める———。
 もうそれ以上、血で染まらないように———。
 ずっとこの手で、支えてるから———。
 「大丈夫・・・。大丈夫だから・・・」
 いつもの意地悪で何処か生意気で、それでも優しくてカッコイイ・・・。
 そんな、普段の温かい笑顔で・・・。
 「うわあああッ!!!」
 奇声のような叫び声を上げ、私は身体ごと振り払われる。
 壁に激突し、喉から血の味がした。
 心臓の周期的な鼓動が、先程より大きく聞こえる。
 周期が段々と遅くなっていることに気付き、悟った私は笑みを浮かべた。
 幸せとは言い難かったけど、それなりに幸せだった———。
 だって、仲間と笑えてたから———。
 でも、最期にこれだけは貴方に伝えたい——。
 「圭一」
 圭一の頬に手を伸ばし、涙で濡れた頬を撫でた。
 圭一に弾き飛ばされ、壁に寄りかかる。
 「仲間でいてくれて、ありがとう———」
 振り落とされる金属バットと、貴方の悲願の顔を目前にして、私は笑った。
 突如、目の前が真っ暗になるような感覚を覚える。
 揺らいで見える貴方を見つめて、微笑んで瞳を閉じた———。
 一筋の涙を、右頬に流しながら———。
 また逢えたなら、伝えたい。
 君と一緒に走ったあの道で。
 貴方は、どんな態度をとるのかな。
 どんな表情になるのかな。
 微笑んでくれる?
 それとも、落ち込んで「ごめん」かな?狼狽えるのかな?
 ・・・いや、ただキョトンとして見つめるだけだろう。
 あいつは、人一倍鈍感だもんね。
 それでも、貴方も笑ってくれたらいいな———。
 今此処で、貴方に伝えます。
 圭一、私は貴方が、大好きです———。
- Re: ひぐらしのなく頃に 輝 ( No.6 )
- 日時: 2010/01/11 20:02
- 名前: マユ ◆vars8VB/bg (ID: MukrBGws)
- 番外編3、年明し編 
 —圭一side—
 元旦、極寒のような寒さを肌で感じさせられながら、迎えた朝。
 「「新年!明けましておめでとうございます!」」
 正座をしながらお辞儀をする。
 「おんや、よぅ来たのぅ」
 「「お邪魔してます!」」
 奥の襖から顔を出した魅音の婆さんに、俺達は会釈を済ます。
 今日は元旦、お正月である。
 景色もクリスマスから一変し、イルミネーションは消え、注連縄を飾る家が増えた。
 今でも、雛見沢は銀景色で包まれている。
 魅音や麻由は、着物を着飾っていた。
 「はぅ〜☆皆の着物姿かぁいいよ〜☆」
 今にもお持ち帰りしそうな勢いで、レナはメンツを見渡す。
 「そういうレナも綺麗だぜ!」
 「えっ?!は・・はぅ・・・」
 俺がレナを茶化すと、レナは顔を赤らめる。
 「圭一〜!ウチは?」
 麻由も楽しそうに着物の裾を掴んで、此方に走ってくる。
 「馬子にも衣装だな」
 突如、俺の頬は麻由の鉄拳を喰らった。
 「正直に即答しすぎなのです。にぱー☆」
 「あうあう!梨花と麻由が怖いのです!あうあう!」
 2人共・・・、俺を憐れみの目で見ないでくれ・・・。
 その後、ようやく落ち着きを取り戻した俺達は、雑談を始める。
 「魅音、何故か魅音の年賀ハガキ、クシャクシャなんだが・・・」
 魅音に可愛くデコレーションされたハガキを見せる。
 魅音は顔を赤らめながらも、言い訳を始めた。
 「あははは!ちょいと水零しちゃって・・「嘘は駄目だよ、魅音♪」
 麻由が言葉を遮り、してやったとばかりに悪戯笑みを浮かべる。
 すると魅音が観念したように、口を開いた。
 「おじさんが汗水垂らして書いたハガキだよー!あはは!」
 「始めからそう言えよ。ったく・・・」
 笑って誤魔化そうとする魅音が馬鹿らしくて、俺は放っておく。
 俺が振り返ると、麻由が「鈍感・・・」と呆れながら呟いていた。
 「さ、さぁさぁ!早速朝食にしようか!」
 魅音が慌てふためきながらも、俺達を居間へと連れていった。
 「「うわぁぁぁ・・・」」
 豪華な料理が、俺達の前のテーブルに並べられる。
 「おせちは婆っちゃと私で作ったんだ!雑煮は婆っちゃ特製!どれも絶品だよ!」
 沙都子がお弁当を食べ合う感覚で、ひょいっと煮物を摘む。
 「あら、美味!」
 「おっ!これこそおふくろの味!いいなぁ・・・」
 俺が箸を進めていると、魅音がガッチリと腕を掴んできた。
 「雑煮美味い!」
 餅を美味そうに口にほうばる麻由は、熱さを逃がすため、口を「はふはふ!」と動かしている。
 その姿は、ほんのあどけなさを残していた。
 やはり元旦といえば、これだけでは終わらない。
 かるたに羽根つき、凧揚げに百人一首と、様々な遊び・・・いえ、部活をした。
 「おじさん、ちょいとナメてたねぇ・・・」
 かるたで最小しか取れなかった魅音。
 「ぅぅ〜・・・!卑怯ですわよーっ!!」
 羽子板を片手に、頬に何度も落書きをされる沙都子。
 「凧揚げ、久々だったからなぁー・・・」
 言い訳を呟き、何を逃れようとする麻由。
 「皆取るの早いよー!」
 見事に史上最少の0枚という記録を持った優羽。
 ちなみに、優勝は桃と綾子だ。
 前の学校で、大会が多かったことから、リードしやすかったらしい。
 恐るべし、純情ペア・・・。
 「あ!ねぇ!見てみて!」
 嬉しそうに窓の外を指さすレナ。
 レナにつられて、俺も窓の外を覗いた。
 「・・あぁ・・・」
 レナの喜ぶ意味が理解でき、俺は笑みを零した。
 一つ、また一つと、綺麗で小さな雪が降った。
 刹那、外一面が、柔らかな雪で包まれる。
 雛見沢の雪は、うたかたで、でも温かに感じ取れる。
 ゆったりと宙を舞う雪は、また人々を優しく包み込んでいく。
 まだ、銀景色は充分に堪能できそうだ。
 「「a Happy new year!!!」」
 銀景色の元旦、広々とした雛見沢に、賑やかな声が響き木霊した———。
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