二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- −あまつき−*あの日の初恋*
- 日時: 2010/09/08 21:31
- 名前: 涙水 (ID: yxu7BdpM)
- *ごあいさつ* 
 こんにちはっ、涙水といいます!
 このたびは「あまつき」の二次小説を書かせていただきたいと思います。
 原作1巻の中盤あたりからなるべく原作にそって話を書いていくつもりなので、「あまつき」を知らない方でも楽しんでいただけると思います!
 また原作にオリキャラが入る感じのお話になると思われます(未定)。
 初心者同然なので温かい目で見守ってほしいです!!
 実は私、最後にここへ来たのは1年程前なんですよね!
 だからカキコがグレードアップしてて驚きでした。
 お久しぶりの方も初めましての方もどうぞよろしくお願いしますね!
 *ご注意*
 ・荒らしは止めてください。
 ・自身の小説の宣伝のみの為にお越し下さるのはご遠慮願います!
 でも、もし小説を書いているのなら教えてください。
 よろしければ参上いたします!!
 ・アドバイスは大歓迎です!
 むしろお願いします!
 ・作者は雑食なので大体の話題にはついていけます♪
 *目次*
 >>1 第一話・朧夢
 >>2 第二話・朧夢弐
 >>3 第三話・いつもの風景
 >>14 第四話・出立
 >>20 第五話・化物道
 >>23 第六話・待つよ、君が気付いてくれるまで
- Re: −あまつき−*あの日の初恋* ( No.1 )
- 日時: 2010/08/03 15:43
- 名前: 涙水 (ID: WIEYG7CO)
- 【第一話】 朧夢 
 ———————ばっしゃん。
 歪む視界、零れる泡。
 もがけばもがく程、身体は沈んで、光は遠のいた。
 初夏の冷たい水が目に染みて、瞼を開けつづけることができない。
 閉じた瞼に太陽の光が淡く透ける。
 ごぼっと音をたてて、肺の中にあった空気が水中に吐き出された。
 力無く伸ばされた手は、何を掴む訳でもなく漂う。
 不意に手首を掴まれた。
 手首を掴んだソレは勢いよく自分の身体を引っ張りあげる。
 『ぷはっ……げほっげほっ』
 空気を思いきり吸い込んで、むせながら水を吐き出した。
 『大丈夫?』
 そう言いながら自分をひっぱり、岸辺に上げてくれたのは白いワンピースの少女。
 水に濡れたセミロングの髪は漆黒で、水滴を落しながらきらきらと輝いている。
 『あなたは川で溺れかけていたの』
 私が見つけなかったら危なかったんだから、と言葉を続けながら少女はワンピースの裾を絞って水気を抜く。
 『あなた……名前…は?』
 急に景色が揺らいだ。少女の姿も朧になって、話す言葉も聞き取りにくくなる。
 『…の名前……六合…鴇時…』
 自分が話す言葉さえも聞き取りづらい。
 『へぇ…あなた…鴇…っていう名前…なの。
 私の名…え…はね、……さ』
 視界が白んでいく。
 彼女の言葉が聞こえない。
 『…さ。私……りさっていうの。
 …よろ…くね』
 「『鴇君』」
 「おはよう。
 朝餉の準備できてるよ」
 「へ…?」
 少年が間抜けな声と共に瞼を上げると、にっこり笑う少女が目の前にいた。
 しかもかなりの近距離で、少しでも身じろげば口と口が触れそうな程……。
 「…っうわぁぁあぁああぁぁっ!!」
 叫びながら少女を突き飛ばす。
 ぽーん、と効果音がでそうな勢いで少女が転がった。
 「…あいたたー。
 驚かせちゃったかなぁ?
 ごめんね、鴇君」
 むくっと起き上がり、後頭部をさすりながら少女が謝る。
 「こ、こっちこそ突き飛ばしてごめんっ。
 ってそうじゃなくて!
 俺はまだ思春期まっさかりの高校生な訳!!
 こーいうことにはうぶなの!!」
 早口でまくし立てる少年は、名前を六合鴇時という。
 茶色に染めた髪に両の目は色違いで、この世界では異人と呼ばれるようななりをしている。まあ、目に関しては現代でも変な目で見られるだろうが。
 彼は元々平成の世を生きていた高校生だった。
 しかし、大江戸幕末巡回展という最先端のCG技術で江戸時代を体験できるテーマパークで、夜行と鵺という妖怪に襲われ、気づいてみれば本当の江戸時代に似た異世界に来てしまっていたのである。
 ちなみに彼の左目の色がおかしいのは夜行に襲われたせいだ。どういう経緯でなのかは今のところ本人にも分かっていない。どうやら視力を取られたらしい。
 「ごめん、ごめん。
 でも早く食べないと時間ないよ。
 今日は早くから出かけるんでしょう?」
 一方、鴇時の言葉を軽く受け流した少女の名前は瑠璃。
 名前と同じ瑠璃色の髪を肩の高さより少し長く伸ばし、黒の双眸は宝石のように輝いている。
 「そっ、そうだった!!」
 慌てて布団から飛び出し羽織りの袖に手を通す鴇時。
 実はつい先日、現代で得た知識を活用し妖怪に成りすまして侍を脅かした。
 しかしそのことをある人物に突き止められ、目をつぶってもらう代わりに願いを一つ聞くことになったのだ。
 その願いとは人に会うことなのだが、なんでもその人は偉い人であるらしい。
 そしてその人物と会うのが今日で、わざわざ人が迎えにくるのである。
 「今朝の朝餉は紺君が作ったからおいしいよ。
 急ごう、もうみんな食べ始めてる」
 「うん、分かった」
 二人は鴇時の私室を後にした。
- Re: −あまつき−*あの日の初恋* ( No.2 )
- 日時: 2010/08/07 21:44
- 名前: 涙水 (ID: NTE1XV0U)
- 【第二話】朧夢・弐 
 二人で部屋をでて、朝食をとる為に居間へ向かう。
 「ふわあぁ……、それにしても懐かしい夢見たなぁ…」
 鴇時が歩きながら、あくびをして呟いた。
 「夢? 鴇君なにか夢を見たの?」
 瑠璃が首を傾げて問う。
 さらりと彼女の髪が揺れた。
 「んー、あっちの世界にいたころの夢なんだけどね。
 俺小さい頃に川で溺れかけて、同い年くらいの女の子に助けられたんだよ。
 その時の夢でさ、昔はしょっちゅう見てたんだけど最近はなかったから懐かしくって」
 溺れるなんて情けないよね、と照れながら鴇時は苦笑する。
 「でも途中からぼやけて、最後まで見れなかった。
 名前も言ってたんだけど聞き取りにくくて……なんて言ってたっけ。
 確か、…さ……りさ。んー、〝りさ〟だったかなぁ?
 昔見た時ははっきりと聞いたはずなんだけど……」
 「……そうなの。残念だったね。
 でも思っていればきっとまた見れるよ。……きっと」
 瑠璃が微笑む。
 その笑顔が寂しげに見えたのは気のせいだろうか。
 ふと彼女は人差し指を顎にあてて呟いた。
 「私も見てみたいな、鴇君がいた世界。
 〝あまつき〟と〝彼岸〟はやっぱり違うのかなぁ」
 「…あまつきと……ひがん?」
 聞き慣れない言葉に、鴇時が聞き返す。
 瑠璃は一瞬しまった、と言いそうな顔をして目を見開いたが、鴇時の問いに答えてくれた。
 「あまつきは私達が生きているこの世界のこと。
 で、彼岸は鴇君が生きていたあっちの世界のことをいうの。
 …まぁ、一部の人しか知らないことなんだけどね」
 「へえ、そうなんだ。
 でもなんでそんなことを瑠璃が知ってんの?
 瑠璃って確かここ(沙門さんの寺)で住み込みで働いてる普通の女の子じゃ…?」
 鴇時がもっともな疑問を口にする。
 え、と呟いてしばらくうろたえた瑠璃は、ようやく返事を返した。
 「かっ、風の噂で聞いたの!」
 「……ふーん、そうなんだ」
 あまり気にすることなく、鴇時が納得したように頷いたので、瑠璃はそっと息をついた。
 気を取り直して前を向くと、居間の襖がもう目の前にあった。
 同じく気づいた鴇時が、開けようと襖に手をかけた時、すごい勢いで襖が開く。
 「わっ!」 「!」
 驚いて声を上げたのが鴇時で、感嘆符だけなのが瑠璃。
 「遅いぞお前達! 飯が冷めるだろう!!」
 そして、襖を開けた長い黒髪を後頭部で束ねた少女が、男勝りな口調で叱責した。
- Re: −あまつき−*あの日の初恋* ( No.3 )
- 日時: 2010/08/15 15:28
- 名前: 涙水 (ID: yxu7BdpM)
- 【第三話】いつもの風景 
 仁王立ちした少女に、鴇時は笑いかけて名前を呼んだ。
 「朽葉!」
 鴇時が名を呼んだ少女は、瑠璃同様にこの寺で生活をしている。
 詳しい事は知らないが、なんでも彼女はその身の内に犬神という妖怪の類を飼っている憑き物筋の一族なのだそうだ。
 「ごめんね、朽葉ちゃん。
 遅くなっちゃって」
 瑠璃が朽葉に謝ると、居間の奥から声がした。
 「悪いのは鴇だろ。
 大方瑠璃が起こしても起きなかった、ってところか」
 言い終わるころ朽葉の背後から現れたのは黒い髪を頭の上で結い、着物を着崩すした青年。
 彼の名前は篠ノ女紺。
 暮らしているのはこの寺ではなく下町の長屋で、作ればタダ飯食えるから、との理由でしょっちゅうここに食事を作りにくる。
 そして、鴇時と同じ夜行と鵺に襲われこの世界に来てしまった人間で、ついでに言うと同じ高校の同級生だった。
 紺がこの世界に来たのは二年程前で、つい先日こっちへ来た鴇時とは大きな差がある。
 しかし向こうの世界で夜行と鵺に襲われたのはほぼ同時刻。
 どうもこちらとあちらでは時間差が激しいらしい。
 「ほう、つまり非があるのは鴇だけということか」
 紺の言葉に納得した朽葉が頷いた。
 それに鴇時が非難の声を上げる。
 「ちょっと朽葉、納得しないで!
 ……間違ってはいないけど」
 「まあまあ、お前達。
 そんなところで突っ立っていないで、とりあえず朝飯を食べなさい」
 居間から新しい男の声がした。
 苦笑混じりのその声は、この寺の主であり坊主の沙門だ。
 面倒見の良さそうな顔をしたその男は、朝っぱらから酒で顔を赤らめている。
 坊主のくせに酒を飲む沙門は、顔だけでなく実際面倒見が良い。
 何たって、どこぞの馬の骨ともしれない鴇時を快く寺に置いてくれているのだから。
 沙門の言葉で、4人は食事を取る体勢にはいった。
 ようやく席に着いた鴇時が、自分の朝食を見渡す。
 「今朝は山菜の炊き込みと赤味噌の味噌汁。
 ついでに漬物と梅干しだ。残さず食ってくれよ」
 料理ののった盆の前にあぐらをかいた紺が言い、全員が箸を手にとった。
- Re: −あまつき−*あの日の初恋* ( No.4 )
- 日時: 2010/08/15 16:48
- 名前: 白兎 ◆SaHSl/fBF. (ID: 7jEq.0Qb)
- 参照: 私はもう諦めない———消させない。
 はじめまして!!
 私は原作の漫画の方を見ているのですが、あまりあまつきの小説はみかけないので楽しみにしてます(・∀・)
 涙水様は、誰が好きですか?
 もしよければ仲良くしてくださいねw
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