二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- イナイレ 僕が・・・
- 日時: 2011/04/07 13:18
- 名前: 朝蛾 (ID: nvLkUcGh)
- 「はあっはぁっ」 
 自分の呼吸音が聞こえる。
 「いたか?」
 「いたぞ!あそこだ!」
 僕を追い回す人の声。
 壁に寄りかかると荒れた息が彼らに聞こえやしないか心配になる。
 走りだすと、僕を追い回す彼らが僕をみつけ、怒鳴る。
 ここまでなのか?
 
 これまで生きてきた十数年・・・
 どんな未来を待ち望んで、歩んできたんだろう・・・
 生きたいんだろうか?
 死にたいんだろうか?
 僕にはそれを選ぶ権利さえないのか?
 ※この物語は原作のイナイレを無視(半分)して作っております。
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- Re: イナイレ 僕が・・・ ( No.1 )
- 日時: 2011/04/06 17:28
- 名前: 朝蛾 (ID: nvLkUcGh)
 ドガッバキッ ズシャァア
 
 
 放課後、空が茜色に染まったころにふさわしくない音がどこからか響いてきたとき、まだ教室に残っていた俺はびくりと肩を震わせた。
 「まったく・・」
 
 明日の小テストに備えて勉強をしていた俺は机の上に教科書をバサッと乱暴におくと、一緒に勉強していた友達をおいて、教室を飛び出した。小さくため息をついた。
 薄暗い廊下をオレンジ色に染める夕日に目を細めながら走り、階段を駆け上がる。振っている自分の制服の袖を見て短いのに気づく。
 中一のときはぶかぶかだったのにと必要のないことを考えてしまう。
 
 最上階に近づくにつれ大きくなる何かをたたくような音。
 バァァアアン
 階段を上りきると、勢いよく屋上のドアを開けた。
 息が上がっていた。
 そんな俺の目に飛び込んできたのは5,6人の生徒。
 皆、傷だらけで倒れて呻いている。
 
 「つまんないなぁ」
 その真ん中で木刀を肩に乗せ、周りを見回して小さくふっと笑ってた。
 そんな彼にさびしげに笑い声をかける。
 「また、やってたのか・・・円堂。」
 
- Re: イナイレ 僕が・・・ ( No.2 )
- 日時: 2011/04/07 13:39
- 名前: 朝蛾 (ID: nvLkUcGh)
 「なーんだ、風丸か。」
 
 円堂は振り向くと、にやりと笑った。その笑みに俺はびくっとする。いやな目だ。自分の手を握ると、シャーペンが握られていた。もってきてしまった。
 「・・・うぅ・・くそっ」
 
 倒れていたひとりがうめき立ち上がろうとすると、すかさず円堂は蹴りを入れる。
 ドガッ
 そいつは呻き、再び地に伏せる。
 円堂は顔についていた血をぬぐうと倒れている奴らを冷たい目で見る。その血は彼らのものだろう。
 まだやる気なのだろうか。
 「そいつらにまだやるのか?」
 「いや・・・」
 円堂は傍らに落ちている数本の木刀と一本一本拾っていく。おそらく倒れている奴らのものだ。
 俺はその様子をただ目で追っている。
 「こいつらがかかってきたからやっただけでうらみはねぇからよ。それにしてもこいつら弱いよ。けんかふっかけときながらよ。」
 円堂は集めた木刀にライターで火をつける。
 木刀はゴウゴウと燃え、煙は茜色の空へと上っていく。その様子を俺たちは無言で見つめる。
 「円堂」
 「ん?」
 振り返った円堂は昔の顔のままだ。
 「ほどほどにしとけよ」
 「ああ・・・」
 俺はそういうと屋上のドアを開け中に入っていった。しまりきっていないドアから円堂の視線を背中で感じた。階段を上ってきたときと同じスピードで下っていった。
 
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