二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】
- 日時: 2011/08/27 12:43
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
- はじめまして、♭(フラット)です! 
 バビロン【神様のメモ帳】をクリックしてくださって、ありがとうございます!
 バビロンは、ボカロ曲をベースに進めていきたいと思います。
 作者は基本アニメしか見ないので、原作様と相違点がありますが、気にしないで頂けると助かります!
 あと、コメントをいただけるととても嬉しいです!ヽ(*´∀`*)ノ
 オリキャラ出てきます!
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.2 )
- 日時: 2011/08/27 13:14
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
- 「ねぇ、やってみない?」 
 その一言から始まった。
 その一言で、裏の世界へと引き込まれていった。
 引き込まれたら、もう戻れない。
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.3 )
- 日時: 2011/08/27 13:40
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
- ここ数日、物騒なことが起きているな、と藤島鳴海はふと思った。 
 学校では退学になったり、不登校になったりする生徒がひっそりと増えていた。理由は分からない。だが、事実、鳴海のクラスメイトにもそういう人がいた。
 確かにそういう退学になったり、不登校になったりする人間の人柄は、不良であったりとか、物静かで影の薄い人間であったり、学校に来なくてもそれなりの理由のありそうな人間ばかりだったから、それほど話題にはならなかった。
 「そういえば、あたしの席の子も学校に来なくなっちゃったなぁ」
 花壇の整理をしている篠崎彩夏がため息交じりに漏らした。
 「・・・・・・なにか、あったのかな?」
 鳴海は、彩夏の話に合わせながら植木鉢に水をくれていく。照りつける太陽に反射して、まぶしい光を放っていた。
 「うーん・・・。学校がヤダくなっちゃったのかな?あんまり目立った子じゃなかったし。それでもやっぱり、来ないのは寂しいよ」
 「そうだね・・・・・」
 そんなことを話していたら、時はあっという間に過ぎ去っていた。
 「そろそろ、帰ろうか」
 「うん。」
 「あ、藤島君?」
 と、屋上に二人の担当教師の黒田小百合先生がやってきた。
 黒田先生は鳴海を呼び止める。
 「実は、職員室に運ばなきゃいけない書類がたくさんあるの。ちょっと、手伝ってくれない?私ひとりじゃとても・・・・・」
 「あ、はい、分かりました。」
 「じゃあ、藤島君、あたし先に行ってるね」
 彩夏と別れて黒田先生についていく鳴海。そこにあったのは、本当に大量の書類だった。
 「え・・・・・・これ、全部ですか?」
 「そうなのよー。頑張ってね」
 紙だけで一メートルを超す書類を一体どうしたのだ、と突っ込みたかったが、黒田先生は足早に運び始めていた。
 鳴海は仕方ない、とため息をつき腕をまくって運び始める。意外に重くて結構時間がかかった。
 「はーい、ありがとうね、藤島君。助かったわ」
 「は、はあ・・・・・。(つ、疲れた・・・・・)」
 「それじゃあ、気を付けて帰ってね」
 「はい、さようなら」
 こうして黒田先生とも別れる。
 書類を運ぶのに結構時間がかかってしまった。鳴海は、NEET探偵事務所にいるアリスを心配しながら駆け足で帰っていく。
 その時。
 「キミ、藤島鳴海君だよね?」
 声をかけられた。
 振り返ると、クラスメイトの椎名日向(しいな ひなた)がいた。
 「あ・・・・・・うん。椎名、だよね」
 「うん。よかった、名前覚えていてもらってて」
 椎名はにっこりと笑うと、鳴海に近寄った。
 「実はさ、これから競馬をしに行こうと思うんだけど」
 「け、競馬!?ダメだよ、賭け事は・・・・・・」
 いきなり物騒なことに誘われて、流石に身構える鳴海。
 しかし、そんな鳴海とはお構いなしに椎名は話を進めた。
 「大丈夫、大丈夫!俺は予想屋だから」
 「予想屋・・・・・・?」
 「レースの着順を予想するんだ。絶対当たるんだ」
 「え・・・・ええ・・・?」
 予想屋なんて、聞いたことがなかったが、椎名の「絶対当たる」という言葉が自分の理性を歯止めした。
 椎名はにっこりと鳴海に笑いかける。
 「ねぇ、やってみない?」
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.4 )
- 日時: 2011/08/27 16:16
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
- 一回だけなら。 
 そんな気持ちが鳴海を競馬場へと運ばせた。
 もともと友達も少なかった鳴海にとって、クラスの男子生徒に話しかけられることは少なからず嬉しかったのかもしれない。それを断る道理は見当たらなかった。
 「ね、ねぇ、本当に大丈夫なの?」
 「大丈夫だって。俺、暇なときはいつもここにきているもん」
 そうか、いつもいるなら大丈夫だよな。
 椎名の言葉はどこか自分の理性を安心させる言い方だった。
 「あれ・・・・・・?でも、未成年は馬券買えるの?」
 「だから大丈夫だって!裏ルートがあるんだ」
 「う、裏ルート?何それ、大丈夫なの?」
 「俺に任せておけば、大丈夫!鳴海は安心していいんだよ」
 「え・・・・・・う、うん・・・・・・」
 裏ルート、という言葉に恐怖を感じる鳴海。それでも大丈夫だと言い張る椎名。ここまで来たら、帰れないよな。そんな思いが理性を抑え込む。
 「普通に馬券を買うと目をつけられるから、ここから、ね」
 椎名は用具庫と書かれた扉を指さす。
 「ここで、買うの?どうやって?」
 「中に行けば、おじさんたちがいるから馬券をくださいって言えばもらえるよ」
 「え、そんな簡単なの?」
 「うん。あ、そうだ。番号だけど、2番ね」
 「え?」
 「馬。単勝だよ」
 馬券なんて買ったことがなかったから何のことかよく分からない。
 何か質問しようと思ったとき、椎名の顔色が暗いのに気づく。
 「・・・・・どうしたの?顔色、悪いけど・・・・」
 「ッ!!う、ううん、大丈夫。・・・・・・俺は気にしなくていいから」
 「そ、そっか・・・・・。でも、体調悪かったら、すぐに言ってよね」
 何か無理しているな、と鳴海は思いながらもドアノブに手を伸ばす。
 
 その時——————————————
 「———————————ダメだッ!!」
 ドアノブにかけた手を、椎名が掴んで止めた。
 「——————————!?」
 鳴海は、驚いて椎名を見る。
 椎名は、混乱しているような、焦っているような表情をしていた。
 「椎名・・・・・・?」
 「ッ・・・・・・!!ご、ごめっ・・・・・・。そ・・・・その・・・お、俺、ちょっとトイレ行ってくるね」
 「え?し、椎名!?」
 呼び止めようと叫んだが、椎名は何かを隠し通そうとするかのように逃げていってしまった。
 一人取り残される鳴海。
 椎名は鳴海がこの部屋に入ることを「ダメだ」と言った。
 あれが本当なら、やはりやめた方がいいのではないだろうか。
 理性が警報音を鳴らせる。
 ドアを見つめる。
 「園芸部・・・・・・てめぇ、こんなところで何やってやがる」
 隣から殺気立った声が聞こえた。
 見ると、そこには四代目と呼ばれる雛村壮一郎がいた。
 「よっ四代目!?なんでここに・・・・・・」
 「こっちのセリフだ。てめぇ、まさかこんなモンに手を染めていたのか!?」
 ドンッ
 いきなり四代目に襟首をつかみあげられる鳴海。苦しくて息ができない。
 「グッ・・・・なんっの・・・・こと・・・で・・・・すか・・・!?」
 「とぼけんな。ここにいるってことはトリニティとなんか関係あるんだろ!?」
 「トリニ・・・・ティッ・・・・・?」
 「・・・・・本当に知らねぇのか?」
 必死に頷く鳴海を見て、四代目は舌打ちをして鳴海を放す。
 ガクッと床にひざまずく鳴海。ケホケホと苦しげに喉をさすった。
 「・・・・・・トリニティって・・・・・・なんですか?」
 「その前に聞く。てめぇ、なんでここにいた?理由もなくここに来るはず、ねぇよな」
 「え・・・・・・と・・・・・友達に競馬に誘われて・・・・・」
 「友達?そいつは今どこにいる?」
 「え?ああ、トイレだって・・・・・」
 すると、四代目は携帯をポケットから取り出して、組員に連絡する。どうやら、話の内容からトイレに向かわせたらしい。
 「あ、あの!何が・・・・・・」
 四代目は鳴海を見た。
 「・・・・・・・お前が関ろうとしたのは、まさに転落人生だったってことだ」
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.5 )
- 日時: 2011/08/27 16:49
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
- 「近頃「トリニティ」っていうカラーギャングが横行している。トリニティはこういう、賭け事だとか、麻薬だとか、悪い場合じゃ臓器売買にまで手を染めてるってのが噂だ」 
 「臓器売買ッ・・・・・・!そ、それ、かなりヤバいんじゃ・・・・」
 「俺らの組員でも、トリニティに薬を盛らされた。だから、こうしてトリニティがいるって情報をもとに探して捕まえようとしているんだ。そこに、お前がいた」
 じゃあ、と鳴海は考える。
 椎名はトリニティなのか?僕を、非合法なものに手を染めさせようとしたのか?
 でも————————。
 椎名は、僕を止めた。
 「良かったな。もしお前がここの馬券を買ってたら、問答無用でお前を殴っていた。・・・・・・で、多分お前のダチはトリニティだ」
 「・・・・・・・・・」
 と、ここで四代目の携帯が鳴った。
 「どうした?・・・・・・・。なんだと?よく探せ。・・・・・・分かった。後でかけなおす」
 「ど、どうかしたんですか?」
 四代目は忌々しそうに携帯を切る。
 「・・・・・・いなかった。どこにもな。おい、そのダチの名前はなんて言うんだ?」
 ハッとする。
 もし、ここで四代目に名前を明かしたら、椎名は間違いなく暴力を振るわれる。
 止めてくれたのに?
 「・・・・・・言えません」
 「・・・・・・何?てめぇ、庇うってのがどういうことかわかるよな?」
 「分かってます!でも・・・・・・友達なんです!それに、僕がこの部屋に入ろうとしたとき、止めてくれた・・・・・・。話せばわかると思うんです。だから・・・・・・」
 「それじゃあ、遅ぇんだよ。事が過ぎてからじゃあ。トリニティが動き出す前に、尻尾をつかまねーと」
 四代目の瞳は鋭く、恐ろしかった。
 しかし、鳴海は怯まない。
 「僕に、任せてください。四代目は、僕を信用したから杯を交わしてくれたんですよね?だったら、信じてください。必ず、トリニティの情報を渡しますから」
 「・・・・・・・信用していいんだな?もし、てめぇが俺の信用を裏切ったなら、どうなるかわかっているよな?」
 「・・・・・・はい」
- Re: 『コメントください!』バビロン【神様のメモ帳】 ( No.6 )
- 日時: 2011/08/27 18:58
- 名前: ♭ (ID: Uvcwa5h/)
- 四代目と別れる鳴海。このもやもやした気持ちを晴らすため、やはりNEET探偵事務所に行った。 
 「なるほど・・・・・。トリニティか。噂には少し聞いていたが、そこまでひどいカラーギャングだったはね。それに君の友達の椎名日向が関わっていると」
 「多分だけど・・・・・・。平坂組でも薬を盛らされた組員がいるらしくって」
 鳴海は事務所でアリスに今日起こったすべてのことを話す。アリスもトリニティについては何らかの情報を持っていた。
 「そして君はその事件に巻き込まれそうになったと。・・・・・・君は、どうするつもりなんだい?」
 「え?」
 アリスに唐突に質問されてきょとんとする。
 「え?じゃない。四代目と約束したんだろう」
 「あ」
 「まったく君という奴は・・・・・・。どうしてそう短絡的に物事を約束してしまうんだ。成り行きでそういうことをするのはもう少し考えた方がいい」
 心配してくれているアリスを見て、鳴海は少し安心感を心の中で感じて、にっこりとほほ笑んだ。
 「ありがとう・・・・・心配してくれて」
 「なっ・・・・!!べ、別に君の心配などしていない!ぼ、僕はただ、君がそう短絡的に物事を判断するから、それに対しての批判の持論を並べただけで、別に君を心配していったわけじゃないっ!なっ何を笑っているんだ君は!」
 顔を真っ赤にしてデレるアリス。顔をくまのぬいぐるみで隠す姿はとても愛らしかった。
 「ええと・・・・・。とりあえず、明日椎名と話そうと思う。・・・・・・椎名は、そこまで悪い人じゃないと思うし」
 「そ、そうか・・・・・・。気を付けたまえ。トリニティに関わるということは、場合によっては手を汚すことになるかもしれないのだから」
 「うん」
 こうして、鳴海はNEET探偵事務所を後にした。
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