二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- [inzm] 対極の夢. [小説集]
- 日時: 2011/11/01 17:29
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: a1/fn14p)
- + 
 兎子の駄文詰め合わせ.
 小説にならなかった文とか小連載とかそんな感じのを詰めます.
 短編から中編、小ネタまで様々あります.
 *お客様
 【姫佳さん、桃李さん、おかゆさん】
 +短編
 +中編
 *有神論(×:)>>003/>>004//
 *わたしとあなた / ぼくときみ(×:)>>005/
 +小ネタ
 *エリスレーラの敗北(×:)>>006
- 有神論. 1/10 ( No.3 )
- 日時: 2011/10/30 13:38
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: Lnsp.uM2)
- 「——神様は存在するよ」 
 にこやかな笑みを端整な顔に貼りつけた少女——否、少年こと亜風炉照美は、目の前で溜息を吐く夕闇凪にそうだろう、と問いかけた。凪は何も言わず、再度溜息を吐けばちらりと彼へ視線を送り、呆れたように口を開いた。
 「あのねえ、カミサマ、なんてのは存在しないの。この世は神様無しでも生きていけるようになってるのよ。神頼みも有り得ないわ。実力で何とかなるわよ」
 子供のように神様が居る、なんて夢の欠片も無い言葉を吐き出して凪は目を細めた。照美はさらりと美しい金色の髪を白く細い指で梳き、わかってないなあとでも言うかのように肩を竦めて見せた。
 そして再び、言葉を吐き出す。
 「神様は僕自身だから」
 一般的に言えばナルシストと言われそうな台詞を堂々と素面で言うのは照美ぐらいだろう。
 最も、神と言われても不思議ではない。美の女神アフロディーテを基にしたアフロディ、というあだ名や常識を覆す美しさ、そしてサッカーでの彼のプレーは人々を魅せるものがある。
 容姿的にもプレー的にも、彼は美の女神アフロディーテに相応しい。その綺麗な金色の髪は凪よりも長くのばされており、手入れがしっかりとされているのかさらりとしており、女性も羨む綺麗な髪をしているわけで。凪は髪の毛には拘らない人間なのでそれを羨むわけでも無いが。
 そんな容姿の所為で、照美はナルシストになったのかもしれない。
 「神様、ねえ……」
 「どうしたんだい?」
 「またアフロディが何か言ってんのかよ」
 そこに呆れたような表情を浮かべて登場した二人の少年はじとりとアフロディこと照美を睨むような目で見、凪の近くへと腰を下ろした。
 此処は所謂グラウンドのベンチであり、凪と照美は隣に座ってそんな話をしていたわけである。
 二人の少年は負けず劣らず其れこそ常識を覆す髪型をしており、一方は怠そうな表情を浮かべ、一方はやや挑戦的な表情を浮かべている。
 「キミたちは何時も失礼だね、ガゼルとバーン」
 ガゼルとバーン、と呼ばれた二人の少年はその名前で呼ぶなと同じことを二人同時に口にし、互いに睨みあっている。
 「落ち着きなよ、涼野と南雲」
 ったく、とでも言いそうな表情の凪に制されればガゼルこと涼野、バーンこと南雲も黙るしかない。何だかんだで凪に勝てないのは誰もが同じということだ。
 夕闇凪という人物は不思議だ。弟思いの良い人、という印象は強いが慣れ親しむと彼女は明らかに可笑しいということが分かる。しかし、その可笑しさが何故か人々を魅了していくのだ。美の女神だの何だのと言われる照美も彼女の何らかの美しさに魅かれたも同然。涼野と南雲はエイリア時代に彼女の強さに魅かれた、
 最も、彼女はサッカーをやる人間ではない。其れでも何故か彼女は強いと錯覚させられてしまう。
 ——最も、彼女の眼中には弟である円堂守しか居ないのだが。
 「……君たちは仲が良いね」
 羨むように呟かれた一言に照美は小さく笑った。
 +
 有神論第1話.
 アフロディ時々涼野&南雲、そして円堂なカオスな連載.
- 有神論. 2/10 ( No.4 )
- 日時: 2011/10/30 19:41
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: Lnsp.uM2)
- 『ねえちゃん、さっかーやろーぜ!』 
 記憶に残る弟は、綺麗な笑顔をしていた。
 凪は自室のベッドに寝転がりながらぼんやりと天井を見詰めた、弟に、会いたい。そんな気持ちが生まれる。でも、気持ちばかりが先行して行動には移せていない。臆病な自分に嫌気が差す。
 でも、弟に嫌われるのも嫌だから。
 複雑な思いを抱きながら凪は様々な思いが交差した溜息を吐いた。記憶に残る新しい弟は昔みたいに綺麗な笑顔をしていた。其れが苦しくて。ベッドのシーツをぎゅう、と握り締めていると不意に部屋のドアがノックされる。
 「凪、」
 優しい声で自分の名を呼ぶ照美に凪は笑んだ。
 いつも私が寂しい時、決まって照美や涼野や南雲は来てくれる。其れが嬉しくて、凪はくすりと笑みを零した。どうぞ、と声を掛けるとがちゃりとドアは開かれ、予想通りの人物が顔を出した。
 「——アフロディ」
 「僕が目にするキミは何時も落ち込んでいるように思えるけど、気のせいかな?」
 「……気のせいじゃないかもね」
 ふふ、と軽く笑む照美に凪も釣られて笑み、ベッドへ起き上がっては隣へ座るように促す。
 「キミは何時も彼のことを考えている気がするよ。僕や涼野たちは眼中にない」
 「……私の世界は守だけだもの」
 ほんの少し、悲しげに吐き出された照美の気持ちを凪は理解していないわけでは無い。分かっていて、理解しようとしないのが正しいと言える。
 想われることが嫌いなわけでも無く、ただ、少しだけ心苦しかったから。自分がどんなに円堂のことを想おうと気持ちは伝わること無く、自分を想ってくれる彼等へと逃げる行為は凪という人間は好かない。
 「そうだった、ね、」
 そこで会話は途切れた。
 沈黙だけがその場に残り、ぼんやりと壁を見詰めたままの二人の唇が動くことは無い。微かな呼吸音が聞こえる空間で、先に口を開いたのは凪だった。
 「アフロディの気持ち、——理解しているつもりなんだけどなあ、」
 眉を下げながら凪が放った言葉に照美はふう、と溜息を吐いた。
 「キミは皆の気持ちを理解しているよ。……でも、」
 「でも、?」
 「……でも、キミは僕達を見てくれないんだよね」
 眉を下げて笑う照美に、凪はぎゅう、と心が締め付けられた。照美はそのまま「今の、気にしないでね」と付け加えて凪の頭をぽんぽんと数回撫でて部屋から出て行った。
 一人取り残されたその部屋で凪は小さく呟く。
 「……アフロディに逃げることだって出来るのに、何で私、守に執着してるんだろうね」
 歪んでる、なんてこと、理解しているつもりだったのに。
 +
 有神論第2話.
 アフロディ抜け駆け、凪の心がぐらぐらり.
- わたしとあなた / ぼくときみ ◎一話 ( No.5 )
- 日時: 2011/10/30 19:54
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: Lnsp.uM2)
 「……明王さん、」
 「よォ……迷子。姉貴、居るかァ?」
 台所で料理を作っていた頃。不意にインターホンが鳴り響いたかと思えば鍵をかけていたはずなのにガチャリと戸の開く音。もしかして母さんが帰ってきたのかな、と思っていたら違った。明王さん、だ。
 久しぶりに、明王さんに会った気がする。明王さん、というのは無論イナズマジャパンのメンバーであの円堂さんと共に優勝したという凄い人で、私の姉の弟——つまりおじさんということになる。私は明王さんの姪ということだ。
 そんな明王さんはあまり母さんには会いに来ないのに、用事でもあったのだろうか。
 「嗚呼、母さんなら出かけてますけど」
 「へェ……相変わらずかよ」
 がしがしと頭を掻きながら舌打ちをする明王さんに、私は問いかけた。
 「どうしたんですか? 珍しい」
 明王さんは小さく黙り、やがて口を開いた。
 「別に用事は無いケド……偶には姉貴に顔出した方が良いだろ、」
 そっぽを向いてぼそぼそという明王さんに笑みが零れる。この人は結局は母さんが大事で、だから母さんにほんの時々顔を見せに来てくれるんだ。とはいえ、うちの母さんはふにゃふにゃしてるし、そんな気遣いになんて気が付いてないんだろうけど。
 私は明王さんに座るよう促し、己も椅子に座って再度口を開いた。
 「母さん、多分9時までには帰ってきますよ。今日は友達と遊んでるらしいです」
 「ふうん……錯夜サン、は?」
 「父さんは仕事です。父さんも多分9時までには帰ってくると思いますよ」
 そう答えながら、先程まで作っていた料理へと視線を投げた。ぐつぐつと煮込んでいるのはカレーで、仄かに良い香りが漂ってくる。あ、そうだ、と呟いて私は立ち上がった。
 「明王さん、泊まってくんですよね?」
 キラキラした視線を向けると、明王さんは少しだけ気圧されたような呆れたようなよく分からない表情を浮かべて小さく頷いた。明王さんは優しいし私も大好きなおじさんだから泊まってくれるのは嬉しい。とはとは言え、私はそんな子供みたいな年齢では無いけど。
 「……そうだ、迷子、」
 「?」
 「お前まだ、旧姓名乗ってンだろ」
 「……ハイ。だって、旧姓は母さんの最初で最後の大切な人の名前ですから」
 旧姓というのは雪原という苗字だ。母さんは、バツイチと言える存在だ。
 最も、籍を入れ結婚式の直前に愛する人を失ったのだ。母さんは今の父さんと結婚しても雪原という苗字にこだわっている。だから私もそれを名乗っている。其れに、今の苗字だったら先輩と被ってしまうから。
 先輩というのは南沢さんのことであり、錯夜という父さんは南沢さんの兄にあたる人なわけで。事実、私は南沢さんの姪ということになる。其れが何だか悔しくて名乗らないというのもあるが。
 「ただいまー! あれ、明王が居る!?」
 「お帰り、早かったね。カレー、もう完成したよ」
 そんなことを考えていると、母さんが大きな声で喋りながら家へ帰ってきた。くすりと小さく笑み、私は椅子から立ち上がった。
 +
 迷子が南沢の姪とか俺得ry
 因みに天馬が来る数日前の話だったり違ったり、
- 消失、其れは. ( No.6 )
- 日時: 2011/10/31 19:13
- 名前: 兎子. ◆.UAIP8bSDA (ID: Lnsp.uM2)
 「——エリス! エ、リッぐぁあっ……」
 い、たいいたいいたいいたいいたいいたいいたい。
 脳内がぐちゃぐちゃに掻き回されてるような感覚に吐き気を覚え、体内を駆け巡る其れに激痛を覚えた。
 「もう少しで完成する……!」
 脳内で男の声がじいんと響いたかと思えば痛みも何もかも放り出し私の意識は闇へ落ちた。どうしてこうなったんだろう、ねえ、ミストレ、今なら君を頼りに出来るよ、バダップ君、エスカ君、ねえねえ、助けてよ。私——……
 「……サージェ、ナタリー、アリス、リオン」
 目を覚ました時、私の目の前には仲間のぐったりとした姿があった。激痛がまだ襲ってくるが、目の前の仲間は今にも死にそうでぜえぜえとか細い呼吸を繰り返しているだけだ。
 手枷と足枷が邪魔をし、近づくことすらままならない私をあざ笑うかのようにドアが開いた。
 「エリスレーラ・カルス。及びその部隊」
 「っ貴様……ぐあ!」
 思い切り睨めつけると、男は私の頬をブーツの踵でぐしゃりと踏んだ。顔に激痛。あーあ、綺麗な顔なのに、こんな野郎にぐしゃぐしゃにされるとは。涙は出なかった。死にたくなった。今頃、弟は何をしているんだろう。意見の相違が多く犬猿の仲とも言えるけど、こういうとき、私は弟の身を案ずる。
 「貴様等には今日から捕虜となって貰おう」
 にたり。
 口角を釣り上げ残忍な笑みを浮かべた男が言い放った。手枷が外され、私はすぐさま腰にあった銃へ手を伸ばした。すかさず男が私の手を抑え、銃口を私の米神にあてた。
 「——死ぬか捕虜になるか、どうする?」
 そんなもの、決まってるじゃないか。
 「お前等みたいな下衆の捕虜になるぐらいならば——私は死ぬ」
 +
 小ネタ.
 た、多分戦場で敗けたんだよエリスちゃんは!←
- Re: [inzm] 対極の夢. [小説集] ( No.7 )
- 日時: 2011/10/31 19:24
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: Tt5vDeWP)
- 参照: お久しぶりです!(´・ω・`)
- 前々からstkさせて頂いてたんですけどこんばんは……! 影からこっそり覗いてました、桃李です。 
 相変わらずの素敵な文章で御馳走様です← もうかなーりこそこそしてたんですが、勇気を出してコメさせていただきます^^
 凪ちゃんは今日も可愛いですねマジで守そこ代われ( 迷子ちゃんの愛らしさも去ることながら、エリスちゃんの凛々しさに惚れますた。とりあえず貴方の顔を踏み付けたうつけものを殺ってきます!
 素敵な文才に惚れ惚れします(・ω・´)マジで交換しませんkげふんげふん。よし、黙って強奪することにします(待て
 短いのですが愛は詰めました(どやっ
 またちょくちょく補給にきます、更新頑張って下さい(´・ω・`)
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