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——小田原城——
「風魔！風魔はどこじゃぁ！！」
年老いたおじいちゃんのような武将は、雇っている忍の名前を呼ぶ。
すると・・・・・・———。
ストッ・・・・・———。
さっきまでいなかったのに、行き成り風のごとく現れた。
「！！お・・・脅かす出ない！！まったく・・・年老は大事にしろと言っておろう」
「・・・・・・・・・・」
忍は無言だったが、コクンと頷いた。
その忍の雇い主の名は北条氏政である。
北条家代々の血縁を引き継ぐ者なのだが、年老いたおじいちゃんにしか見えない・・・；
その氏雅を支えているのがこの忍、風魔小太郎である。
小太郎は今や「伝説の忍」と言われているほど強い忍である。
だが、その小太郎はかつて「悪魔のデス・サイズ」と言われている風神ツカサと対決し、負けたのだがツカサは「伝説の忍の異名を貰えば良いや」とか何とか言って、結局は命を獲らなかった。
「風魔、今からお前に仕事を言いつけるぞい」
「・・・・・・・・」
コクンと頷く。
氏政は咳払いをして、小太郎にある命令を出した。
それは・・・・・・・・———。
「奥州の伊達軍に「奥州の白虎」と呼ばれた奴がいるじゃろ？そやつをここへ連れてまいれ！」
「・・・・・・・・」
小太郎は承知して、ヒュッと風が過ぎたように消えた・・・・・・・・・———。

其の六拾参万　誘拐実行